13
4

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?

More than 1 year has passed since last update.

ここのえAdvent Calendar 2023

Day 17

ESLint + Prettierの代わりにBiomeを試す

Last updated at Posted at 2023-12-16

この記事は ここのえ Advent Calendar 2023 Day 17の記事です。

Biomeって何?

Biome は2023年9月にリリースされたばかりの Linter + Formatter みたいなツールです。公式では「Toolchain of the web」と謳っています。

Rust製、処理が高速、Typescript, TSXの標準サポートなどが特徴です。

以前 Rome というツールがあり、そちらが開発終了となりました。
そのRome開発チームの一人が Biome を作り始めた、という流れです1

記事を書いている2023年11月現在、まだサポートされている言語はJavascript, Typescript, JSX, JSONで、Vueなどはまだです。

本番環境に採用するのは現時点では難しいかもしれませんが、近いうちにサポートされるでしょう。

導入

公式に丁寧なドキュメントがあります。

yarn add -D @biomejs/biome
npx @biomejs/biome init

biome.json が生成されます。特に何もしなくても、最初からLinterおよびFormatterが有効化されています。

biome.json
{
	"$schema": "https://biomejs.dev/schemas/1.3.3/schema.json",
	"organizeImports": {
		"enabled": true
	},
	"linter": {
		"enabled": true,
		"rules": {
			"recommended": true
		}
	}
}

生成されたコンフィグは、Formatterについての記述がありませんが、デフォルトで有効なので問題はありません。
無効にしたい場合、fomatter.enabled: falseにします2

使い方

使い方も非常にシンプルです。

Formatter

Prettierのようにきれいに整えてくれます。

biome format --write <file or directory>

biome.json で設定を変更できます。.prettierrc みたいな感じです。
詳細は こちら から。

biome.json
"formatter": {
  "formatWithErrors": false,
  "indentStyle": "space",
  "indentWidth": 2,
  "lineWidth": 120
}

Linter

Linterの役割をします。ESLintの代わりです。
最初からTypescriptに対応しているので、面倒なプラグイン導入の必要はありません。

# Lintだけ
biome lint <file or directory>

# Lintして問題個所をFixする
biome lint --apply <file or directory>

こちらもbiome.jsonで細かい設定ができます。
基本的に Recommened Rules を適用しておけば問題ないと思います。

必要に応じて、こんな感じでルールを無効化することもできます。

biome.json
"linter": {
  "enabled": true,
  "rules": {
    "recommended": true,
    "style": {
      "noVar": "off"
    }
  }
},

Check

Linter + Formatter + α です。
importの並び順を変えたり、未使用importを削除してくれるOrganize Importsもやってくれます。

biome check --apply <file or directory>

Organize ImportsのON/OFF設定は biome.json で出来ます。

biome.json
"organizeImports": {
  "enabled": true
},

速度比較

.vueが未対応なので、自分のnodeのスクリプトで試しました。
ちょっとしたDiscord botとRSSパーサーです。

ルールを完全一致させているわけではないので、あくまで参考程度にしてください

ESLintは超最小構成なので怒られませんが、Biomeではガッツリ怒られる感じのコードになってます。多分Recommend Ruleが厳しめです。

計測環境はこんな感じです。

  • Ubuntu (WSL2), timeで計測
  • ESLint + Prettier環境
    • ESLint 8.52.0
      • extends: standard-with-typescript, prettier
    • Prettier 3.0.3
  • Biome 1.3.3
    • デフォルト設定 (recommended rule)
package.json
  "scripts": {
    "espr": "eslint --fix src/**/*.ts && prettier --write src/**/*.ts",
    "biom": "biome lint --apply src && biome format --write src"
  },
環境 実行時間(time)
ESLint + Prettier 3.41s
Biome(lint & format) 0.15s

正確な比較ではありませんが、明らかに早いですね。

VSCode, IntelliJ IDE のサポート

VSCode向け、IntelliJ向けのFirst-Party Pluginがあります。
出たばかりのライブラリだとIntelliJ向けが無くて苦労することがしばしばありますが、公式で提供してくれるのはとてもありがたい……

まとめ

まだリリースされて間もないため、サポートしている言語の範囲は狭いもののかなり可能性を感じます。ESLintの初期設定でいつも消耗するので、導入してすぐ使える点もポイント高めです。あととにかく早い。速さは正義…

TypescriptオンリーなNode用のスクリプトとかは現時点でも全然いけるので、積極的に採用していこうかなーというお気持ちです。

ちなみに最近、BiomeチームがPrettierの報奨金をゲットした話題もありました。ますます盛り上がりそうですね。

参考

  1. https://biomejs.dev/blog/annoucing-biome

  2. https://biomejs.dev/guides/getting-started/#configuration

13
4
0

Register as a new user and use Qiita more conveniently

  1. You get articles that match your needs
  2. You can efficiently read back useful information
  3. You can use dark theme
What you can do with signing up
13
4

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?