DevLOVE Advent Calendar 2022 15日目です。
この記事で言いたいこと
2022年過ごしていて、「ペアプロ、ペアワークって自分の思う在り方以上のものを引き出せる働き方だ!」というのを思うところがありました。
話すこと
- ペアで働くことで、個人の可能性はより引き出せるということ
話さないこと
- ペア、モブの違い
- ペアワークのやり方
- ペアワークによるプロジェクト、プロダクトへの貢献
ペアプロ、ペアワークに関連して気になったインプット
「分人」という考え方
あじゃてく読書会 #6 『私とは何か―「個人」から「分人」へ』 で紹介いただいた、
「私とは何か――「個人」から「分人」へ」 という本での気づきです。
簡単にこの本の内容を掻い摘んで書くと、以下のようなお話です。
- 「個人」と言っている中には、複数の「分人」が存在する。
- 「分人」は周囲との関係性の中で現れる。
- 例えば、小学校の友だちと話してる時の自分と、仕事してる時の自分の性格は少し異なるのでは?
- 小学校の友だち、仕事の同僚と3人で話すとき、戸惑う。それはどっちの分人が登場するか、迷っている状態。
- 「分人」は、自分で引き出したり選んだりするものではなく、関係の中から自然と現れる。
- 「分人」も、すべて自分として受け入れよう。
概念を表現してみた絵が、以下です。
伝わるか自信がありませんが、「私」が色々な人との間にある「分人」で構成されています。
つまり、ここで言いたいのは「出せる自分は、周りによって変わる」ということです。
プロミスキャスペアリング
「1.5hごとにペアを入れ替えてみよう!」という考え方です。
Arlo Belshee の論文 Promiscuous Pairing and Beginner’s Mind をもとに、
「ベテランであっても、初心者の心を持つ状態がパフォーマンスが高い」とし、
そのためには 1.5時間ごとのペア交替が良いのではという提案です。
「初心者の心」とは、 先入観を持たず、オープンで熱心な状態を示します。
以下の鈴木俊隆さんの言葉が、考えの元として引用されています。
心が空っぽなら、何が起こっても大丈夫。
何でも受け入れられるから。
初心者の心には可能性が溢れているが、熟練者の心にはそれが少ない。
頻繁なペア交替により、「初心者の心」でワークに取り組める機会を増やす取り組みです。
ペアプロ、ペアワークから得られること
以上を踏まえて、個人として得られることを 3点 挙げます。
- 個人で引き出せない自分で考えられる
- バイアスからより解放された自分で考えられる
- より楽しい!
個人で引き出せない自分で考えられる
分人は、個人のコントロールでなく、相手との関係によって出てくるというのは前述のとおりです。
個人ワークにも、個人の分人は登場します。しかし、別の人と会話する時の分人は現れません。
他の人との会話によって、自分の色々な分人からアイデアを出して考えましょう!
一方で、ペアを組む相手の分人を引き出す努力をしましょう。
特別なことではなく、たくさん話すことが大事なのだと思います。
「自分と一緒だから言ってくれること」が出てくるよう、
だんまりでもなく、形式的な話だけでもなく、
お互いの個性を感じられるよう発言し合うのがポイントです。
バイアスからより解放された自分で考えられる
自分で突き詰めてもうまくやりくりできる人もいますが、
人と一緒にやるからこそ緩急つけて考えることができます。
「プロミスキャスペアリング」が有効な時もありますし、
お互いに休憩を挟みながらやるだけでも効果あることも多いと思います。
(個人でやると、つい休憩を忘れたり、休憩を挟んでも考え続けて、先入観を外せないこともあり)
より楽しい!
一人でたどり着けない考えが自分から出てくる。
煮詰まってもリフレッシュする仲間がいる。
これを「楽しい」と思うかは個人差はあると思いますが、楽しめる人も多いと思います。
最後に
個人に与える効果としてのペアプロ、ペアワークの話を書いてみました。
プロダクトに与える好影響の話で語られることが多い印象はありますが、
ワークする個人の観点でも改めて考える機会になればと思います。