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Chromebookで開発/執筆環境をセットアップする(2020年1月版)

Last updated at Posted at 2018-12-30

ASUS Chromebook Flip C101PA 、および ASUS Chromebook C423NA で快適な開発/執筆環境をセットアップする手順です。
別記事「Xubuntuで開発/執筆環境をセットアップする」とは、かなりアプローチが異なります。執筆も開発も、マシンやOSの特性に合わせた方法があるということですね。
※2019/1/12 ほぼ全面的に書き直し。
※2020/1/11 実は結構前からC423NAに乗り換えてたのでその辺りを追記、タイトル変更。

執筆環境を手に入れる

Chromebookに似合うのは、やっぱりブラウザ上で動作するテキストエディタ。
その中でも、 StackEditWritebox の使い勝手は群を抜いてます。どちらかを選んでおけば間違いないでしょう。

StackEdit

原稿をGitHubで管理するなら、StackEdit一択でいいと思います。
非常に簡単な手順で、GitHubのレポジトリと連携できます。しかも Ctrl+S でCommitもPushもできます。これ、めちゃくちゃ便利。感動します。
他にも、Dropbox や Google Drive との同期はもちろん、WordPress にパブリッシュする機能まであったりします。
Markdownエディタとしての性能も申し分なし。リアルタイムのプレビュー画面を並べて表示もできます。見出し一覧の表示もできます。ショートカットキーや配色テーマもカスタマイズできます。もはや最強。

Writebox

原稿を Dropbox や Google Drive で管理するなら、Writeboxもいいでしょう。こちらもシンプルかつ高機能なMarkdownエディタです。
文章を思い付いたときにすぐに書き始められ、シンプルな画面は執筆の邪魔をしません。書いた内容も自動で保存され、消えてしまう心配も無用。オンラインのテキストエディタはここまで便利になったんだなーと感心します。

開発環境を手に入れる

もちろん、開発環境だってクラウドです。
無料プランのある代表的なCloud IDEを3つ紹介します。どれも開発環境として申し分ない性能を備えていますが、それぞれに一長一短あります。とりあえず全部試してみて、最もしっくりするサービスを使ってみてはどうでしょう。

AWS Cloud9

Cloud IDEの代表格、 AWS Cloud9。動作も早く、非常に快適ですね。
導入にはこちらの記事が参考になりました。ありがとうございます。
初めてのAWS Cloud9導入
ただ、日本語の入力には注意が必要です。具体的には、三点リーダー(…)やダッシュ(―)を入力したときに表示がおかしくなってしまいます。開発ならともかく、執筆には大きなマイナス点。

Codenvy

難点としては、無料プランにおけるインスタンスの持続時間が10分ということ。10分が過ぎるとサスペンド状態になり、再開にけっこう時間がかかります。
また、ターミナルの文字入力がかなりもたつきます。エディタは早いのに何でだろ。

Codeanywhere

難点としては、1度に作成できるコネクションは1つまでという点。
例えばAというプロジェクトで開発中に、プロジェクトBの手直しをしたくなった場合、プロジェクトAのコネクションを切断した上でプロジェクトBにコネクションしないといけない、ということです。操作自体は簡単とはいえ、なかなか煩わしい。

開発環境をローカルに構築する

「いや、どうしてもローカルに開発環境を構築したい!」という方へ。
Chrome OSを69以降にアップデートすると、Linux(Debian)を仮想マシンとして起動できるようになります。もちろんパッケージを追加することも出来るので、好みのIDEやテキストエディタが使えます。

準備

Chrome OSをアップデートする

「設定」->「Chrome OS について」で、バージョン69以上になっていることを確認しましょう。なってなかったらすぐにバージョンアップ。

Linuxを有効にする

「設定」で「Linux(ベータ版)」を「オンにする」だけ。数分待てばLinuxが有効化され、コンソールが起動します。
用意できたら、まずは最新の状態にしましょう。

sudo apt update
sudo apt upgrade

ここからが本番です。必要なソフトをインストールしていきます。

Visual Studio Code

Chromebook Flip C101PA の場合

VSCode好きの私としては、ChromebookでもぜひVSCodeを使いたいところなのですが。
C101PAはARM64というアーキテクチャのCPUで、マイクロソフトの公式サイトからはARM64向けのVSCodeは公開されていません(いずれリリースしてくれるとは思いますが)。
でも安心。ARM64向けにビルドして公開してくださっている方がいらっしゃるので、ありがたく使わせていただきます。

code-oss_1.32.0-1550644812_amd64.deb

このページの右側に書いてある手順のとおりインストールしましょう。

curl -s https://packagecloud.io/install/repositories/headmelted/codebuilds/script.deb.sh | sudo bash
sudo apt-get install code-oss

しばらく待てばインストールが完了します。

Chromebook C423NA の場合

C423NAのように、インテルのCPUを搭載した機種なら、マイクロソフト公式の手順でいけます。
Xubuntuで開発/執筆環境をセットアップするでも書きましたが、

curl https://packages.microsoft.com/keys/microsoft.asc | gpg --dearmor > microsoft.gpg
sudo mv microsoft.gpg /etc/apt/trusted.gpg.d/microsoft.gpg
sudo sh -c 'echo "deb [arch=amd64] https://packages.microsoft.com/repos/vscode stable main" > /etc/apt/sources.list.d/vscode.list'
sudo apt update
sudo apt install code

とやればインストールできます。楽ちん。

……ただ、そのままだとネイティブの解像度で表示されてしまうので、文字がものすごく小さいです。
Ctrl+Shift+-でフォントを拡大すると見やすくなります。

日本語フォント (Google Noto Fonts)

せっかくのChromebook、Linux用の日本語フォントもNotoにしましょう。

sudo apt install fonts-noto-cjk

日本語入力メソッド

この部分が一番の鬼門なんですよね……
Linuxは仮想マシン上で動作しているので、Chrome OSの日本語入力とは別にセットアップする必要があります。Chrome OSネイティブの日本語入力がそのまま使えるようになれば、かなり使い勝手が変わるのですが……

fcitx-mozc はGoogle 日本語入力のオープンソース版であり、性能としては申し分ないのですが、ARM64向けの安定版パッケージがまだ公開されていません。テスト版のパッケージをインストールすることも可能ですが、どうも動作が不安定なので、今は導入を見送ります。
代わりに導入するのは fcitx-anthy 。こちらはC101PAで問題なく動作します。しかし、すでに開発停止しており、Google 日本語入力レベルの変換精度を期待するとガッカリします。

……ちなみに、C423NAならこの辺りの問題が解決されてる(fcitx-mozcがインストールできる)んだろうと思うんですが、日本語入力(執筆)については前述のStackEditを使うことで満足しているので、試していません。ソース書くだけなら日本語入力できなくても特に困らないし。

まとめ

いろいろやってみてわかったことは、やはりChromebookにはクラウドが似合うということと、もはやクラウドで何でもこなせる時代になったということですね。改めて実感する、Chromebookのコンセプトの素晴らしさ。
ふだんの執筆や簡単な開発はChromebook、規模の大きな開発はXubuntuという使い分けで今年は行こうと思います。適材適所が一番ですね。
それでは皆様、Chromebookで快適な執筆/開発ライフを。

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