現代は「AIさんがそういうなら納得してくれる」社会なのか?
古来より「システムさんの話は分からん」な世の中です。
「AIさん」の言うことなら分かるのか? というのが最近の関心事です。
発端
ある「項目」に対する説明(ヘルパーテキストとかね)として、以下の表現のいずれがより優れているのでしょうか。
広告には出力されません
一般には公開されません
プロンプト-1
以下の2つの表現における意味の違いと、それを読んだ人が誤解する可能性を比較して下さい。
- (この内容は)広告には出力されません
- (この内容は)一般には公開されません
Gemini 2.0 Flash
出力
この2つの表現は、情報の公開範囲に関する明確な違いと、それぞれの表現が読者に与える可能性のある誤解を示しています。
-
(この内容は)広告には出力されません:
- この表現は、特定の内容が広告プラットフォーム上での広告表示に利用されないことを意味します。
- 主に広告運用やマーケティングの文脈で用いられ、広告ターゲティングから除外される場合や、広告ポリシーに違反する場合などが該当します。
- 誤解の可能性:一般のウェブコンテンツや他のプラットフォームで公開される可能性は否定していないため、読者は「他の場所では見られるかもしれない」と解釈する可能性があります。
-
(この内容は)一般には公開されません:
- この表現は、情報が広範な公衆にアクセス可能ではないことを意味します。
- 個人情報や企業の機密情報など、機密性の高い情報に対して使用されます。
- 誤解の可能性:特定の限定されたグループや関係者には公開される可能性があり、読者は「限られた範囲では公開されるのか」と疑問を持つ可能性があります。
両者を比較すると、「広告には出力されません」は広告配信の技術的な側面に焦点を当て、「一般には公開されません」は情報の秘匿性に焦点を当てています。それぞれの表現は、使用される文脈によって読者に異なる印象を与え、誤解を生む可能性があります。
プロンプト-2
それぞれの表現は、使用される文脈によって読者に異なる印象を与え、誤解を生む可能性があります。
を受けてプロンプトを変更してみた。
もっともな指摘だが、一般(曖昧)の人にそれを言ってしまうと、大体こじれる。
AIさんになら遠慮なく言える!!
自由を感じる 自由って素晴らしい
以下の2つの表現における意味の違いと、それを読んだ人が誤解する可能性を比較して下さい。
この情報を読む人はシステムにおける管理者です。
- (この内容は)広告には出力されません
- (この内容は)一般には公開されません
Gemini 2.0 Flash
出力
システム管理者向けの文脈では、これらの表現はデータ管理とセキュリティにおいて重要な意味を持ちます。
-
(この内容は)広告には出力されません:
- これは、システム内の特定のデータが広告配信プロセスから除外されることを示します。管理者は、この設定が広告ポリシーやユーザープライバシーに準拠しているかを確認する必要があります。
- 誤解の可能性: 管理者は、この表現を「他の内部システムや限定的な共有では利用可能」と解釈する可能性があります。したがって、管理者としては広告以外での利用範囲を明確にする必要があります。
-
(この内容は)一般には公開されません:
- これは、データが広範な一般ユーザーにアクセスできないように保護されていることを意味します。管理者は、アクセス制御、暗号化、その他のセキュリティ対策が適切に実施されていることを確認する必要があります。
- 誤解の可能性: 管理者は、この表現を「特定の許可された内部ユーザーにはアクセス可能」と解釈する可能性があります。管理者としては、アクセス可能な範囲を明確にする必要があります。
システム管理者としては、両者の違いを明確に理解し、データの機密性と利用目的に応じて適切な管理を行う必要があります。
Claude 3.7 Sonnet extended thinking mode
出力
表現の意味の違いと誤解の可能性
「広告には出力されません」
- 意味: この情報は広告の表示部分(実際に顧客に見える部分)には含まれないことを明確に示しています。
-
誤解の可能性:
- システム内の他の場所には表示される可能性があるか不明確
- 管理画面やレポートには表示されるのかどうか不明瞭
- 「広告以外の場所では見えるのか?」という疑問が残る
「一般には公開されません」
- 意味: 一般ユーザーや外部の人々には非公開である意味合いが強い
-
誤解の可能性:
- 「一般」の定義が曖昧(顧客?エンドユーザー?)
- 「一般以外」の誰に公開されるのかが不明確
- 内部の特定のユーザーには見えるのかどうか不明瞭
管理者向けの比較
管理者の立場では、「広告には出力されません」の方が具体的で明確です。この表現は管理名が広告クリエイティブ自体には含まれないという技術的な事実を伝えており、システム管理者にとって必要な情報を提供しています。一方「一般には公開されません」は、より広い概念で、誰が情報にアクセスできるかについての詳細が不足しています。
所感
個人的にはClaude 3.7 Sonnet thinking の出力が明快で良いとは思う。「管理者向けの比較」の内容が個人的な認識とほぼ一致していて、個人的には納得感が高い。
ただ、現代はやはり「システムさんの話は分からん」な世の中なので、どうなのかな。
「一般(曖昧)」がよりいわゆるAIへの依存度が高くなってくると、いわゆる面倒臭い表現に対する「一般(曖昧)」の反応や指向も変わってくるのであろうか。果たして。
例えば資料などに、プロンプトと回答を合わせて並記する機会があったとして、いずれか、もしくはいずれも適当に改竄(もとい編集(もしくは「修正(曖昧)」))した場合、それはすんなり受け入れられるのであろうか。
そもそも回答が常に同じとなる保証など全くないに等しい訳なので、ってこんな話をしても意味が無いだろうな。
プロンプトの恣意性
やはり出力を調整するためにプロンプトが恣意的になってしまうことはあるなぁ、にんげんだもの。
ということで、プロンプトをそのまま「一般(曖昧)の人」に開示する時代はやってこないだろう。
ところで、回答からプロンプトとモデルを推定するような「リバースエンジニアリング」ってのも出て来るのかな、やはり。コスト高そう。
さすがに長いと思った... (がありがたい)
Gemini 2.0 Flash Thinking Experimental
出力
システム管理者様が情報を読むという前提で、「広告には出力されません」と「一般には公開されません」という2つの表現の意味の違い、およびそれぞれの表現が読者に与える誤解の可能性について比較して説明します。
それぞれの表現の基本的な意味
-
(この内容は)広告には出力されません:
この表現は、特定の内容が広告目的で使用されないことを意味します。つまり、この情報が広告として外部に露出したり、広告配信のプロセスに組み込まれたりすることはない、ということを伝えています。 -
(この内容は)一般には公開されません:
この表現は、特定の内容が一般の人々にはアクセスできない状態であることを意味します。情報へのアクセスが制限されており、許可された特定の人々のみが閲覧可能であることを示唆します。
意味の違い
この2つの表現の主な違いは、情報の公開範囲と目的にあります。
-
「広告には出力されません」 は、情報の目的に焦点を当てています。この情報は広告活動には使用されないという、用途の限定を意味します。情報の公開自体を完全に否定しているわけではありません。内部向けには利用される可能性や、特定の関係者には共有される可能性も残されています。
-
「一般には公開されません」 は、情報の公開範囲に焦点を当てています。この情報は広く一般には公開されない、アクセスが制限されている状態を意味します。広告用途かどうかは直接的には言及していません。広告以外にも、例えば社内限定の情報、管理者限定の情報など、様々なケースが考えられます。
読者が誤解する可能性
システム管理者という読者層を考えると、それぞれの表現が異なる誤解を生む可能性があります。
-
「広告には出力されません」の場合:
- 誤解の可能性: システム管理者は「広告」という言葉を、マーケティング部門が利用する外部向けの広告配信システムのみを指すと狭く解釈する可能性があります。その結果、情報が社内向けのレポートや分析、あるいは他のシステム機能(例えばレコメンデーション機能など、広義の広告と捉えられうるもの)には利用される可能性があると誤解するかもしれません。
- システム管理者の視点: システム管理者は、データの流れやシステム間の連携に関心があります。この表現だけでは、情報が具体的にどこに保存され、誰がアクセスできるのか、システム内でどのように扱われるのかが不明確です。データのライフサイクル全体を把握したいシステム管理者にとっては、情報が不足していると感じる可能性があります。
-
「一般には公開されません」の場合:
- 誤解の可能性: システム管理者は「一般」を文字通り「インターネット上の不特定多数のユーザー」と解釈し、内部ネットワーク内では誰でもアクセス可能、あるいは特定の部門には公開されていると誤解する可能性があります。 また、「公開されない」=「セキュリティ対策は万全」と安易に考え、実際にはアクセス制御が不十分な場合にセキュリティリスクを見過ごすかもしれません。
- システム管理者の視点: システム管理者は、アクセス制御やセキュリティポリシーに関心があります。この表現だけでは、具体的にどのようなアクセス制限が設定されているのか、誰がアクセス権を持つのか、認証基盤や監査ログはどのように運用されるのかといった、システム運用に関わる重要な情報が欠落していると感じるでしょう。また、「一般」の範囲が曖昧なため、具体的なセキュリティレベルを判断することが難しいと感じるかもしれません。
比較まとめ
表現 | 意味の焦点 | 誤解の可能性 (システム管理者) | システム管理者の視点での懸念点 |
---|---|---|---|
広告には出力されません | 目的 | 「広告」の範囲を狭く解釈し、他の用途での利用可能性を誤解する可能性 | データの流れ、システム内での取り扱い、データのライフサイクル全体 |
一般には公開されません | 公開範囲 | 「一般」の範囲を狭く解釈し、内部ネットワークでの公開範囲を誤解する可能性、セキュリティ対策の過信 | アクセス制御、セキュリティポリシー、具体的なアクセス制限、認証基盤、監査ログ |
より誤解を招きにくい表現にするために
より明確で誤解を招きにくい表現にするためには、以下の点を考慮すると良いでしょう。
- 具体的な対象範囲を明確にする: 「広告」や「一般」といった曖昧な言葉を避け、具体的な対象範囲を明示する。「外部広告プラットフォームには出力されません」「インターネット上には公開されません」「社外の第三者には公開されません」など。
- システム管理者が関心を持つ情報を含める: 単に公開/非公開を述べるだけでなく、アクセス制御の方法、データの保存場所、利用目的など、システム管理者が運用・管理に必要な情報を含める。「この情報は社内システムでのみ利用され、外部広告プラットフォームには送信されません」「このコンテンツへのアクセスは特定の管理者グループに限定され、一般ユーザーはアクセスできません」など。
結論
「広告には出力されません」と「一般には公開されません」は、どちらも情報への制限を伝える表現ですが、焦点と意味合いが異なります。システム管理者という読者層を考えると、どちらの表現も曖昧さが残り、誤解を生む可能性があります。
より正確に情報を伝えるためには、具体的な対象範囲を明確にし、システム管理者が関心を持つ運用・管理に関わる情報を含めることが重要です。状況に応じて、より詳細で技術的な説明を加えることも有効でしょう。