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ASP.NETのセッション管理にAzure Redis Cacheを使ってみる

Last updated at Posted at 2016-02-12

0. 前書き

前回「ASP.NETのセッション管理方法を整理する」で、ASP.NETのセッション管理方法についてまとめました。今回は、Custom定義のバリエーションとして、Azure Redis Cacheを用いたセッション管理方法について手順をまとめます。

バージョン情報

name ver.
ASP.NET MVC 4.5.2
Microsoft.Web.RedisSessionProvider 2.0.1

1. Azure Redis Cacheとは

Redis Cacheとは、オープンソースのNoSQLです。ちょっと古い記事ですが、こちらの説明が分かりやすかったです⇒「redis、それは危険なほどのスピード」。そのRedis Cacheを基盤にしてAzureのサービスとしたものが、Azure Redis Cacheというわけです。

2. 実際に使ってみる

Azure Redis Cacheを有効化し、アプリケーションで利用するまでを手順を追って説明していきます。

2-1. Azure Redis Cacheを新規に作成する

Azureのポータルにて、Azure Redis Cacheサービスの利用開始をします。
「データ+ストレージ」のところに、Redis Cacheがありました。

AzurePortal.jpg

※DNS名と、リソースグループは潰しています。適宜入力してください。

「作成」を押すとデプロイが始まり、数分待つと「実行中」になります。「実行中」になりましたら、設定画面から

  • host:ホスト名
  • port:ポート番号(デフォルトSSLが有効になっているため、6380)
  • accessKey:アクセスキー

を取得してください。のちの設定で利用します。

2-2. ASP.NET MVCのアプリケーションを作成する

Visual Studioにて、新規のASP.NET MVCアプリケーションを作成します。

2-3. RedisSessionProvierをインストールする

Azure Redis Cache用のセッションプロバイダーを先ほど作成したアプリケーションにインストールします。
nugetを利用して、dllのダウンロード・参照追加、Web.configにサンプルコードの追加をしてもらいます。
プロジェクトを右クリックして、「NuGetのパッケージ管理」を選ぶとGUIでパッケージのインストールができます。
「Microsoft.Web.RedisSessionProvider」で絞り込み。

nuget.jpg

2-4. Web.configに定義を追加する

2-1で取得した定義をWeb.configに反映します。

web.config
<system.web>
  ...
  <sessionState mode="Custom" customProvider="MySessionStateStore">
    <providers>
      <add name="MySessionStateStore"
            type="Microsoft.Web.Redis.RedisSessionStateProvider"
            host="XXXXXXX.redis.cache.windows.net"
            port="6380"
            accessKey="XXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXX"
            ssl="true" />
    </providers>
  </sessionState>
</system.web>

2-5. 動作確認用のコードを書く

動作確認用のコードは、Indexページにアクセスした時刻をSessionに記録し、
AboutページでSessionから復元する、といった動きにします。「time」をキーにSessionにデータを格納します。

HomeController.cs
public class HomeController : Controller
{
    public ActionResult Index()
    {
        Session["time"] = DateTime.Now;
        return View();
    }

    public ActionResult About()
    {
        ViewBag.Oldtime = Session["time"];
        ViewBag.Now = DateTime.Now;
        return View();
    }
}

結果を、Aboutページで表示します。

About.cshtml
@{
    ViewBag.Title = "About";
}
<h2>@ViewBag.Title.</h2>

<p>
    Indexページを開いた日時 @ViewBag.Oldtime
</p>
<p>
    このページを開いた日時 @ViewBag.Now
</p>

3. 実行結果

時間が保存されてAboutページで復元されました!

result.JPG

本当にAzure Redis Cacheが利用されているかは、Redis Desktop Managerを使い、Redisに直接アクセスして確認します。
Redis Desktop Managerを使ってみる←このあたりを参考)

result2.JPG

timeというkeyで値が保管されていることを確認できました!
ちなみに上のRDMの結果は、2つのブラウザからアクセスしましたあとにスクリーンショットをとりました。
そのためセッション情報が2つ格納されていることが分かります。

4. おわりに

可用性の高いセッションサーバが簡単にできて便利ですね。
これがあるなら、SQL Serverをセッション管理に使う理由ってなんなんだろう。

5. 参考

「ASP.NET MVC5 実践プログラミング」 山田祥寛さん著

書籍のサンプルがAzure Redis Cacheのプレ版だったこともあり、本記事では最新版を対象にして書いてみました。

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