はじめに
こんにちは!株式会社80&Companyの技術広報です。
弊社の開発部署では毎週火曜日の朝9:30から社内勉強会を行なっています。
弊社ではNFT INFINITYという自社製品のNFTマーケットプレイスを開発しています。
そのため社内の方々にNFTについて詳しくなっていただきたいという思いから、社内のエンジニアが製品テーマに絡めて、NFTの概要を発表したものです。
NFTの大まかな内容について把握したい方はぜひ参考にしてみて下さい♪
読者の対象
- NFTについて興味のある方
- NFTの仕組みについて概要をつかみたい方
NFTの概要
NFTとは何ですかと聞かれた場合、皆さんはどのように答えますか?
Wikipediaには下記のように書いてあります。
「非代替性トークン(ひだいたいせいトークン、英: non-fungible token、略称: NFT)とは、ブロックチェーン上に記録される一意で代替不可能なデータ単位である[1]。NFTは、画像・動画・音声、およびその他の種類のデジタルファイルなど、容易に複製可能なアイテムを一意なアイテムとして関連づけられる」
NFTのメリットのイメージ
先ほどの説明からは「コピーができず他のものとは交換の効かないデータ」という認識が、湧くのではないでしょうか?
画像ファイルはコピーが簡単でインターネット上にたくさんあります。
その中でもNFTは、「他と違う一位性があるため、とてもレア度がつく」といった現状が起こっているのではないかと下記で図解しました。
上記の説明をより分かりやすく説明したものとして、お札を例に挙げます。
お札には1枚ごとにシリアル番号が付いています。
そのためお札には一位性が存在しますが、シリアル番号がゾロ目の際は1万円以上に価値が高くなる場合があります。その場合、お札を買取業者により高値で買い取ってもらえます。
このように他と違う一位性により、価値を生み出すといった現象をNFTが起こしています。
NFTの利用分野
昨今、NFTの利用分野としてはゲーム、アート、ファッション、会員権、音楽、コレクターズアイテム、スポーツが注目されています。特に注目を集めているゲーム、アートについて軽く説明します。
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ゲーム
ブロックチェーン技術をベースに開発したゲームのことを「ブロックチェーンゲーム」や「DAppsゲーム」と呼びます。ブロックチェーンゲーム内のアイテムやキャラクターにNFTが活用されており、ゲーム内で獲得したNFTやトークンを売却して稼ぐ「Play to Earn」の仕組みが人気を集めています。プレイをすることで仮想通貨を稼げると好評で、残った資産はゲーム終了後も換金などができ、永遠に残り続けます。 -
アート
これまでのデジタルアートは簡単に複製・改ざんすることができ、資産価値をもたせることが困難でした。しかし、NFTを活用することで一位性の価値をもったデジタルアートを作ることができるようになりました。市場での売買も活発化し、億単位の高額で取引される作品も出てくるなど、ますます注目を集めています。
各分野のデータをNFT化し、コレクション性、メンバーシップとしての利用が考えられています。
NFTがバズった理由
それでは、NFTの代表的な利用事例として4つを例に挙げます。
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Twitterを作った人のツイート
米ツイッター社のジャック・ドーシー元最高経営責任者(CEO)が16年前に初めて投稿した「just setting up my twttr」というツイートがNFT化された形で売られ、約3億円で落札されています。 -
アメリカ人アーティスト・Beepleの「Everydays:The First 5,000 Days」
3年以上かけて1日1枚ずつ・計5000枚の画像をコラージュしたものです。中にはトランプ前大統領やコロナウィルスなど、世相を反映するモチーフもあり、作者独自の視点で切り取られた時代の移り変わりを目の当たりにできるのも見どころです。約75億円で落札されています。 -
CryptoKitties
猫と猫を交配して、珍しい猫を売却するといった仕組みのゲームです。珍しい品種の猫を生み出すことができれば、高値で猫を売ることも可能です。取引総額は25億を超えています。 -
CryproPunk
8ビットスタイルで描かれたピクセルアートです。世界で最も古いNFTのひとつと言われており、世界に1万点しか無いため、希少性が高いことから高額で取引されています。取引総額は2300億円を超えています。
上記4つの事例でNFTの高額売買が話題になったことで、ビジネスへの期待が見込まれ、NFTの流行が始まりました。
NFTの仕組み
プラットフォームについて
次はNFTの仕組みについて紹介します。NFTの売買方法を下記に図解します。
現金やリアルで使用されているお金を暗号資産(ETH)に変え、マーケットに繋げて売り買いします。その中でETHを使用するごとにガス代という手数料が発生します。
ETHの手数料が高すぎる場合は、ウォレットというシステムに入れてマーケットに繋げ、お金のやり取りができます。NFTが管理されておりブロックチェーン上で売買履歴が記録として残ります。
上記の説明から、暗号資産が分からない場合、NFTを理解することは難しいということが分かります。
利用技術
NFTの利用技術について図解も交えて説明します。
NFTには「メタデータ」と「インデックスデータ」という2つのデータが存在します。NFTは、メタデータに一度画像として記録されます。メタデータは、インデックスデータのTokenURIに書かれており、主にファイルサーバー上、IPFS(分散型ストレージ領域)上、NFT上の3通りの方法で保存されています。メタデータとインデックスデータの2つでNFTといわれてます。
インデックスデータは、ブロックチェーン上に保存されることにより、書き換わりません。そのため、このNFTは一位性があるということが証明できます。
リスク
先ほどの説明から、NFTの構造にはさまざまなリスクがあることがわかります。
- データ自体はどこかのサーバ上にあることが多く、サーバ上でデータが消失したり、書き換えられるとデータ自体がなくなることがある
- NFTのメタデータがブロックチェーン上にない状態になると、NFTとして対象が書き変わってしまうということが起こりえる
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インデックスデータ自体は、ブロックチェーン上に保存され書き換えられたり消えたりすることはないが、発行元が消えるということがある
- NFT自体の価値がなくなる恐れがある
- NFTの取引が行われるたびに、ガス代と呼ばれる手数料が発生する
NFTの今後の課題
- 参入ハードルが高いこと
- 富豪層向けのマーケットといったイメージがつきやすい
- 保有権とは別に著作権はNFTで管理できないこと
- キャラクターをコピーして新たなキャラクターを作ることも可能であり、法的な整備やルール化が必要である
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ブロックチェーン自体がサステナブルではないこと
- 使用する電気量が多かったり、ガス代が高騰しているため、環境問題に影響があると予想できる
- 仮想通貨自体がサステナブルではないこと
- 価格変動が激しい
最後に
今回は、弊社社内勉強会で発表されたNFTの概要について扱いました。
今後も継続的に80&Companyでの社内勉強会の取り組みを発信していきます!
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最後まで読んでいただきありがとうございます!
参考資料