概要
本記事ではJuliaをインストールし, 独立した環境(pythonでいうpyenvのような環境)でJupyter Notebookを用いた開発を行えるようにするまでの流れを紹介します.
JuliaのインストールはHomebrew-caskを使用しており, それを使えるよう準備するところから紹介しています.
開発中のバージョン等をソースからビルドする方法は紹介しません.
実行環境
% sw_vers
ProductName: macOS
ProductVersion: 12.4
BuildVersion: 21F79
HomebrewとHomebrew-caskのインストール
Homebrewのインストール
# インストールコマンド
% /bin/bash -c "$(curl -fsSL https://raw.githubusercontent.com/Homebrew/install/HEAD/install.sh)"
正常にインストールされているか確認
バージョンを確認し, 正常にインストールされているか確認する.
% brew -v
Homebrew 3.4.11
Homebrew-caskをインストール
# インストールコマンド
% brew install cask
Juliaのインストール
(開発中のバージョンをソースからビルドしても大丈夫です.)
私は安定しているバージョンをシンプルにインストールしたかったので, Homebrew-caskを使用しました.
Homebrew-caskを用いたインストール
# インストールコマンド
% brew install --cask julia
動作確認
コマンドを入力し, 動作確認
% julia
以下のような表示がされれば, インストールが成功です.
(実際はもっとカラフルな表示がされます. インストールしてのお楽しみに....)
_
_ _ _(_)_ | Documentation: https://docs.julialang.org
(_) | (_) (_) |
_ _ _| |_ __ _ | Type "?" for help, "]?" for Pkg help.
| | | | | | |/ _` | |
| | |_| | | | (_| | | Version 1.7.2 (2022-02-06)
_/ |\__'_|_|_|\__'_| | Official https://julialang.org/ release
|__/ |
julia>
Julianモードを終了
julia>
で始まるインタラクティブコマンドラインモードをJulianモードと呼びます.
以下のように終了コマンドを入力し, 一旦終了しましょう.
julia> exit()
独立した環境を作成
Juliaでは, pythonの仮想環境(pyenv)のようにインストールしたパッケージを環境ごとに管理する機能があります.
以降, 異なるバージョンのパッケージを独立した環境で使用するための環境を作成していきます.
作業ディレクトリに移動
(新規ディレクトリを作成し, )ディレクトリを移動.
% mkdir [作業ディレクトリ] && cd $_
または
% cd [作業ディレクトリ]
独立した環境をセットする
JulianモードからPkgモードへ切り替え
jullia> ]
(@v1.7) pkg>
独立した環境を新たにアクティベート(アクティブ環境作成)
(@v1.7) pkg> activate [作業ディレクトリ]
Activating new project at [作業ディレクトリ]
([作業ディレクトリ]) pkg>
現在の環境確認
作成した環境の現在の状態を確認しておきます.
([作業ディレクトリ]) pkg> status
Status `[作業ディレクトリ]/Project.toml` (empty project)
Jupyter Notebookを使用できるようにする
アクティブ環境でJupyter Notebookを使えるようにします.
(pip等でJupyter Notebookをインストールされているのが前提です.)
IJuliaパッケージをインストール
([作業ディレクトリ]) pkg> add IJulia
インストールされていることを確認
([作業ディレクトリ]) pkg> status
Status `~/Documents/[作業ディレクトリ]/Project.toml`
[7073ff75] IJulia v1.23.3
カーネルへ追加されていることを確認
Pkgモードからshellモードに切り替え
([作業ディレクトリ]) pkg> ;
shell>
Jupyterカーネルをコマンドで確認
shell> jupyter kernelspec list
Available kernels:
julia-1.7 /Users/[ユーザ名]/Library/Jupyter/kernels/julia-1.7
python3 /Users/[ユーザ名]/.pyenv/versions/3.9.6/share/jupyter/kernels/python3
Jupyter Notebookを起動
Jupyter Notebookを起動し, NewをクリックしたときにJuliaが表示されていれば正常です.
非アクティブ環境の確認
非アクティブ環境にはパッケージ(IJulia)がインストールされていないことを確認する.
(Jupyter Notebookは終了しておく.)
shellモードからPkgモードに切り替え
# Ctrl + C: Julianモードに切り替える
shell> ^C
# Pkgモードへ切り替える
julia> ]
([作業ディレクトリ]) pkg>
アクティブ環境から出る
([作業ディレクトリ]) pkg> activate # 引数を与えずに入力
Activating project at `~/.julia/environments/v1.7`
(@v1.7) pkg>
デフォルト環境を確認
デフォルト環境を確認し, IJuliaがインストールされていない(環境が汚染されていない)ことを確認する.
(@v1.7) pkg> st
Status `~/.julia/environments/v1.7/Project.toml` (empty project)
アクティブ環境ではインストールが確認できたIJuliaが表示されていません.
この状態となっていれば, 独立した環境(アクティブ環境)を作成することに成功しています.
作業をするときは, 再びアクティブ環境に切り替えれば大丈夫です.
おわりに
以上でJuliaをアクティブ環境で使用可能かつ, Jupyter Notebookが利用できるようにする準備が完了です.
Pythonと違ってまだまだ発展途上のJuliaですが, ポテンシャルの高い言語として徐々にシェアを広げています.
これから発展がどうなっていくのか不透明ですが, 個人的に発展していって欲しい言語の一つです. (名前もなんだか惹かれますよね?)