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Windows/Radeon での Ollama のサポート状況

Last updated at Posted at 2024-11-12

Ollama は Windows での Radeon GPU をサポートしていますが、ドライバのリビジョンによっては不具合があります。日本語情報が見当たらないため、メモを残しておきます。

概要

Ollama はローカルで LLM を動かすためのマルチプラットフォーム対応アプリケーションです。

Windows 用に配布されているバイナリでは、NVIDIA だけでなく AMD の GPU もサポートされています。

AMD 公式で提供されている HIP SDK でサポートされている GPU で動きます。

未対応の GPU は動作保証がないだけでなく、そもそも認識しません。

APU 内蔵 GPU (iGPU) は対象外です。Radeon 780M には非公式パッチが存在しますが無保証です。手元に環境がないため動作は未確認です。

ドライバ

実行には特定のリビジョンのドライバが必要です。記事執筆時点で動作確認できているのは Adrenalin 24.8.1 です。

Adrenalin 24.9.1 と 24.10.1 には既知の不具合があります。

具体的には、hipMalloc() で 4GB 以上のメモリを確保しようとすると共有 GPU メモリに割り当てられてしまい、動作速度が 1/10 以下になります。

ドライバのインストール後、HIP SDK 6.1.2 をインストールしてください。

インストールされていれば、特に設定しなくても Ollama は自動的に認識します。

動作速度

参考までに、以下の環境での CPU と GPU での動作速度を比較します。

  • OS: Windows 11 [10.0.22631]
  • RAM: 32GB
  • CPU: AMD Ryzen 5 5600X 6-Core Processor
  • GPU: AMD Radeon RX 7600 XT (VRAM 16GB)

ベンチマーク上、Radeon RX 7600 XT は GeForce RTX 3060 とほぼ同性能のようです。

  • LLM: gemma2:27b-instruct-*
  • Prompt: AIの未来を予測してください。
量子化 CPU GPU
Q4_K_S 2.40 7.94
Q4_K_M 2.27 6.87
IQ3_S 1.41 10.97

表中の数字は TPS(token per second: 1 秒間のトークン生成数)で、数字が大きいほど高速です。Ollama で /set verbose とすれば取得できます。

速度だけに注目すれば、CPU では Q4_K_S、GPU では IQ3_S が良さそうです。

IQ3_S は計算量が多いため CPU では遅くなりますが、GPU では VRAM 使用量が約 14.5GB で 16GB 以内に収まるため高速に動きます。Q4_K_S/M は VRAM 16GB に収まらないため遅くなります。

Q4_K_S/M は Ollama 公式で提供されています。

ollama run gemma2:27b-instruct-q4_K_S
ollama run gemma2:27b-instruct-q4_K_M

IQ3_S は以下で公開されている GGUF を使用しました。

ollama run hf.co/grapevine-AI/gemma-2-27b-it-gguf:IQ3_S

量子化の種別については以下の記事を参照してください。横軸がサイズ、縦軸がエラー率です。Q4_K_M のバランスが良いため標準的に使われていますが、メモリに収まらないときは iMatrix 系列 (IQ*) でギリギリの線を狙うことになります。

S/M/L というのは服やドリンクのサイズと同じ意味です。XL はありませんが、XS や XXS があります。

生成例

AIの未来を予測してください。

AIの未来は、非常にエキサイティングで、同時に複雑なものになると私は考えています。

ポジティブな側面:

  • 様々な分野でのイノベーション加速: AIは、医療、教育、科学技術など、あらゆる分野で画期的な進歩をもたらす可能性があります。病気の診断や治療、個別最適化された学習、新たな材料の発見など、人間の能力を拡張し、社会全体の課題解決に貢献するでしょう。
  • 生産性向上と効率化: 自動化技術の進化により、単純作業から複雑なデータ分析まで、多くのタスクがAIによって効率的に処理されるようになります。これにより、人々はより創造的な仕事や人間関係に時間を使うことができ、生活の質が向上すると期待されます。
  • パーソナライズされたサービス: AIは個々のニーズに合わせてカスタマイズされた製品やサービスを提供できるようになり、人々の生活をより便利で快適にするでしょう。

懸念される側面:

  • 雇用への影響: 自動化によって、多くの仕事がAIに置き換えられる可能性があります。新たな雇用の創出も期待されますが、社会全体の雇用構造の変化は、経済や社会不安をもたらす可能性もあります。
  • 倫理的な問題: AIの意思決定の透明性や公平性、プライバシー保護など、倫理的な課題も浮上しています。AIの開発と利用において、人間の価値観を尊重し、責任ある開発が不可欠です。
  • 悪用リスク: AI技術は、兵器開発や監視社会の実現など、悪用に利用される可能性もあります。国際的な協力体制を構築し、AIの倫理的な使用に関するルール作りが必要です。

結論:

AIは大きな可能性を秘めていますが、同時に多くの課題も抱えています。AIの未来をより良いものにするためには、技術開発だけでなく、社会的な議論や制度設計も重要です。

私は、人間とAIが協力し、互いに補完することで、より明るい未来を創造できると信じています。

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