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Cursor の無料版を使い続ける場合の設定

Last updated at Posted at 2024-09-13

Cursor の Pro 版でサポートされる AI 機能は非常に強力であり、無料版と比較して多くのメリットがあります。しかし、個人開発者や学生など予算に限りがある人にとっては、Pro 版の利用は難しい場合があります。

本記事では、Cursor の無料版で Gemini や GitHub Copilot を設定することで、Pro の使用感に近付ける方法を紹介します。

Gemini は無料枠があります。(機密情報は不可)

GitHub Copilot は基本的に有料ですが、学生・教職員や OSS 開発者への免除があるため、無料で利用できる場合があります。

概要

単純に VS Code を Cursor の無料版に置き換えた場合、差分としてよく使う機能は以下の通りです。

  • AI Chat でのメンション:Codebase (RAG)、Git、ファイル指定
    • RAG を別途構築する手間がないのは便利です。
    • Git 機能は、コミットメッセージを生成するのに便利です。(特に英語の場合)
    • ファイル内容をブラウザにコピペして、回答をコピペで持って来るような手間が省けます。
  • [Ctrl]+[K] によるコード生成・修正

これらは GitHub Copilot にも同様の機能がありますが、GitHub Copilot を契約していなくても、Cursor の基本機能として利用可能です。

制限事項

Cursor の無料版における制限事項です。

  • AI Chat からの Apply や、Composer は利用できません。
  • Web メンション(Web 検索)は Gemini から使用できません。
    • Open AI に対して Gemini の API キーを使おうとしてエラーになります。
    • Open AI の API キーを登録して GPT 系のモデルを指定すれば使用できますが、費用が発生します。

その他

小規模モデルの枠は "gpt-4o-mini or cursor-small" とされていますが、gpt-3.5-turbo もこの枠で扱われます。gpt-4o-mini が使えるため、敢えて使う意味はなさそうですが。

Gemini の設定

AI Chat や [Ctrl]+[K] で Cursor の無料枠を使い切っても、Gemini の無料枠を使うことで機能させられます。

Google AI Studio に登録して、API キーを取得してください。

Cursor で設定を開きます。

  • ファイル → ユーザー設定 → Cursor Settings
    • Models

Google API Key を貼って [Verify] をクリックすれば、gemini-1.5-flash が追加されます。

Gemini 1.5 Pro は自動では追加されないため、Add model から手動で gemini-1.5-pro を追加します。この名前で認識されて、登録した API キーが使用されます。

試験的なバージョンを登録することも可能です。

  • gemini-1.5-pro-exp-0827
  • gemini-1.5-flash-exp-0827

たまたまかもしれませんが、キーを追加するときや、初めて Gemini 1.5 Pro を使うときにエラーが出ましたが、少し時間を置いて再試行したら成功しました。そのためエラーが出ても、間違ったと焦らないで、少なくとももう一度試してみてください。

Gemini の無料枠

2024 年 10 月 26 日時点

Gemini 1.5 Flash Gemini 1.5 Pro
1 分あたりのリクエスト数 15 2
1 分あたりのトークン数 100万 32,000
1 日あたりのリクエスト数 1,500 50
Google サービスの改善に使用されます。 はい はい

無料枠での入出力は学習に利用される可能性があります。機密情報は渡さないようにご注意ください。

参考: https://x.com/kinopee_ai/status/1849729328466030903

枠の制限上、基本的には Gemini 1.5 Flash を利用して、回答が不十分だった時の奥の手として Gemini 1.5 Pro を使うのが無難です。

枠は、日本時間で 16 時頃にリセットされるようです。

GitHub Copilot

Cursor は VS Code ベースのため、GitHub Copilot も動きます。Cursor 無料版で自動補完の無料枠を使い切っても、GitHub Copilot で代用することが可能です。

ただし [Ctrl]+[I] が Composer と競合するため、調整が必要です。

  • ファイル → ユーザー設定 → キーボードショートカット

"Ctrl+I" で検索して、Composer のキーバインドを削除します。

ほぼ同じ機能の [Ctrl]+[K] と両方使えることになります。あまり違いはありませんが、UI は [Ctrl]+[K] の方がやや分かりやすいような気はします。使用感を比較してみることをお勧めします。

まとめ

Gemini や GitHub Copilot でやり繰りすることで、Cursor Pro の使用感に近付けることができました。

GitHub Copilot が無料で利用できる場合、単純に VS Code の代わりに Cursor を利用するだけでも、それなりにメリットはあります。

そうでない場合でも、Cursor Pro と GitHub Copilot では費用に差があるため、少しでも節約するなら、敢えて Cursor の無料版で GitHub Copilot を使用したいケースもあるでしょう。ただし Cursor のフル機能は使えないため、コストパフォーマンス的な観点から、どちらを選ぶかは検討の余地があります。

Cursor の開発持続性の観点からは、GitHub Copilot よりも Cursor Pro の契約が望ましいことは言うまでもありません。本記事では、必要以上に Pro の契約を回避するように推奨するものではありません。

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