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量子コンピュータでビジネスはどう変わる?

Last updated at Posted at 2022-04-05

量子コンピュータとは

量子コンピュータとは量子力学特有の「量子重ね合わせ」や「量子もつれ」といった物質状態を積極的に用いて、高速計算を実現するコンピュータのことです。
※量子力学とは原子・電子など非常に小さなものの動きを説明するために発展した理論のことです。

もう少し詳しく説明すると、従来のコンピュータは0と1を表現するための素子としてトランジスタを使用していました。しかし、量子コンピュータではトランジスタの代わりに超伝導量子ビットを使用します。
トランジスタでは各素子が0か1のどちらかの状態になりますが、超伝導量子ビットでは同時に0と1の状態を持ちます。

量子コンピュータでビジネスがどう変わる?

量子コンピュータを使用すれば高速な計算が可能になりますが、どんな計算に対しても強いわけではありません。
量子コンピュータは特に 組み合わせ数が膨大 な問題の解決に向いています。

■量子コンピュータ×機械学習

機械学習を使用することで来月の売り上げや、来月の貨物量といった予測ができます。しかし、予測だけでは意味がありません。この予測から「どの店舗にどれだけ在庫を蓄えておくか」「価格はいくらにするか」「販売員は何人必要か」ということをシミュレーションする必要があります。
しかし実際にシミュレーションするには多種多様な要因を考慮する必要があります。すなわち計算で扱う変数が膨大になり、古典コンピュータ(量子コンピュータではない従来のコンピュータ)では解くことが難しくなってしまいます。そこで、量子コンピュータを使用すれば膨大な変数を扱う問題も解けるようになります。

■量子コンピュータ×創薬

創薬(薬をつくること)には、分子シュミレーションといって分子内の粒子の相互作用をモデル化することで、特定の疾患を撃退する構造を作り出す必要があります。
簡単に言うと、無限大にある分子の組み合わせパターンから最適な組み合わせを見つける必要があります。
もしも、古典コンピュータで計算する場合には、分子が70個しかない場合でも最大 約130億年 かかると言われています。
しかし、量子コンピュータを使用すれば、これを 数分で解決できる 可能性があると言われています。

終わりに

機械学習と創薬をテーマに量子コンピュータがどう活用されるのかとう言うことを紹介しました。文章から感じられたかもしれませんが、量子コンピュータはまだまだ未知の領域であり、ビジネスとして実用化されているのはごくわずかです。
それにもかかわらず、世界的に量子コンピュータに対する期待は高まっています。例えば日本では、2019年度の関連予算が約160億円だったのに対し、量子技術イノベーション戦略の策定後には、同年度の補正予算と2020年度予算を合わせて約330億円を確保。さらに1年後は、2020年度の補正予算と2021年度の予算で合計約352億円を計上しました。
これからの技術の進化には量子コンピュータが必要不可欠となってくるでしょう。

最後までお付き合い下さりありがとうございました。

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