クラウドとは
ユーザーがインフラやソフトウェアを持たなくても、インターネットを通じて、サービスを必要なときに必要な分だけ利用するという考え方です。
今まではハードウェアを購入したり、ソフトウェアをパソコンにインストールする必要がありましたが、インターネットを通じることで 物理的なハードを必要とせずに サービスを使うことができるのが大きな特徴です。
クラウドでビジネスがどう変わる?
■売り切りからサブスクリプション型へ
クラウドの考え方が浸透するまでは売り切り型のビジネスモデルが一般的でした。
売り切り型とは、商品を顧客に売ることを目的としており、顧客が購入してくれたタイミングで利益を得ることができますが、それ以上追加の利益を受けることはできません。
それに比べサブスクリプション型は、顧客が商品を購入してくれた日(契約日)にも料金が生じる場合がありますが、基本的には顧客に提供するサービスの内容に対して料金が課され、それを月額や年額というような形で定期的に顧客から受け取るようなイメージです。
では、なぜサブスクリプション型が主流のビジネルモデルになってきているのでしょうか?
それを考えるためには経営者の視点で考えてみる必要があります。企業を経営するには多くの問題がありますが、その中でもっとも大きな問題の1つが 資金繰り です。もう少し具体的にいうと、 企業が持つキャッシュを途切れさせないこと です。
利益が損失を上回っているような企業でも、資金繰りには困ることが多々あります。たとえば、1件の受注額は大きいがその分契約に結びつけるのが難しい商品を取り扱っている企業がその代表例です。1回で入ってくる金額は大きいですが、利益がでない期間が長くなるとその間に貯蓄が削られ、最終的にキャッシュが足りなくなるのです。
ではどうすればいいでしょうか?
察しの言い方はお気づきかもしれませんが、ビジネスモデルを売り切り型からサブスクリプション型に転換させればいいのです。サブスクリプション型は収益が上がるまで時間がかかりますが、継続的に安定した収益を得ることができます。また、未来の収益も予測しやすいので、投資の目処も立てやすいです。
このサブスクリプション型のビジネスモデルにはクラウドが非常に適しています。クラウドを用いた場合は、必要な時に必要な量のサービスを提供できるため、1度の大きな収益ではなく、定期的な収益を確保することができるのです。
■導入障壁が低くなる
クラウドサービスは利用形態によって大きく次の3種類に大別されます。
・Saas(Software as a service)
→クラウドサーバーにあるソフトウェアをインターネットを通して使用する
・Paas(Platform as a service)
→プラットフォーム(OSやミドルウェア)をインターネットを通して使用する
・Iaas(Infrastructure as a service)
→インフラ(仮想サーバをはじめとして機材やネットワークなど)をインターネットを通して使用する
ポイントは3つ全てに共通する インターネットを通して使用する という部分です。
つまり、今まではコンピューター本体にインストールしていたものをインターネットを通じて、サービスとして(as a service)使おうという考え方です。
ソフトウェアをインストールしたり、新たなハードウェアを設置する必要がなくなるため、 スピーディーに導入 できるだけでなく、 コストを抑える ことができます。
つまり、クラウドを使用することで導入障壁が低くなるのです。
終わりに
昨今のコロナウイルスの影響により、テレワークがトレンドになっています。そんな中、オフィス内からしか業務システムにアクセスできないような閉じた環境ではなかなかテレワークに移行できません。それに対して、クラウドサービスはインターネットさえ使用できる環境があればどこからでも使用できます。今後オンプレミス(自社に情報システムを保有しサーバーの運用をする形態)からクラウドへの移行はますます促進されるでしょう。