この記事の立ち位置と前提知識
・この記事は「ゲーミングモニタが欲しいけど、何となく選んでる」とか、「モニタを買いたいけど明確な基準が欲しい」などの需要に応える記事です。
・ゲーミングモニタ以外にも普通のモニタや、テレビ、スマホの画面解像度などを選ぶ時に有用だと思います。
・前提知識として、画面解像度やリフレッシュレート、画面サイズなどモニタを選ぶ上で一般的な用語の意味を知っていれば理解できると思います。
・本記事では解像度とリフレッシュレートのことを扱います。色域やHDR、HDMIの規格、G-syncの話などは別の詳しい記事を参考にしてください。
・え?プログラミングと関係ない? すまん、許せ、あまりにも適当な解説を見てちょっと血が上ったんだ。
・逆に開発環境を整えるのにモニタのスペックは大変に重要な要素だと思ってるので。
目次
・まずは画角と視聴距離を決めよう。
・視聴距離と画角が決まれば、解像度が決まる。
・リフレッシュレートの理想と現実
・各シチュエーションでの適切なスペック
・最後に
まずは画角と視聴距離を決めよう
モニタを選定するにあたってまず決定することは画角と視聴距離です。
私の場合は視聴距離は60〜70cmで、画角は1.5H程度としています。1.5Hというのはモニタの高さに比べて視聴距離が何倍かを表したものです。1.5Hの場合はモニタの高さが40cmだった場合、目とモニタの距離が60cmになります。
とはいえ適切な画角なんかわからんよ
確かにそうです。この辺は用途やプレイするゲームジャンルにも関わってくるので一概にはいえません。TPSやFPSをやっている方は激しい動きが多いせいで、画面が大きいと疲れるらしく、21インチや24インチのものが好まれるようです。逆にシミュレーションゲームやRPGなどの動きが少ないゲームや、仕事でのドキュメント編集、ソースコードを読むなどの場合は27インチや32インチが適切と考えられます。
視聴距離の個人差はあまりない
視聴距離はテーブルにモニタとキーボード、マウスを置くことを考えると50〜70cm程度で見積もって問題ないかと思います。
視聴距離と画角が決まれば、解像度が決まる
さあ、画面サイズと視聴距離が決まったら解像度を決めます。
適正視聴距離について
実は適正な視聴距離に関しては明確な基準があります。視力を1.0だと仮定して、ドットが見えない距離を算出したもので、フルHDなら3H、4Kなら1.5Hと決まっております。
各解像度の適正視聴距離は以下のようになっています。
しかしながらこれは画面の高さの何倍かとしか規定されておりませんので、各インチでどのくらいの距離が適正かは計算の必要があります。単に計算するだけなのですが、表にしておりますので下記をご覧ください。
単位が書いてないですが、画面サイズはインチ、結果の欄はセンチメートルです。
PCのモニタ用途での最適な解像度
上記表を見ると、必然的に最適な解像度がわかります。
例えば灰色の欄、解像度が不足している場合はドットのザラザラ感が出て画質が低下します。赤色の欄、過剰な解像度の場合はマシンスペックだけ過剰に要求され意味のない投資になってしまいます。
各インチ数での適切な解像度
まとめると以下のようになります。
・21インチ→FHDでも問題ないが、WQHDが理想
・24インチ→WQHDが最適
・27インチ→WQHDでも問題ないが、4Kが理想
・32インチ→4Kが最適
しかしながら予算やシチュエーションとの兼ね合いもあるので、あくまで理想ということだけは覚えておいてください。あとでその辺も検討します。
モニタの解像度はWQHDの製品も多いですが、こうなるのは必然というわけです。
リフレッシュレートの理想と現実
ゲーミングモニタといえばハイリフレッシュレートによる高速な画面表示!なのはいいのですが、闇雲に速いリフレッシュレートのものを選んでませんか?パソコンでするのはゲームだけですか?動画とかみませんか?そういう場合に陥る罠があります。
144Hzのモニタを使ってYoutubeとか見ていてこう思ったことはありませんか?
「なんか動きがギクシャクしてる」
そうです、144HzではYoutubeの標準的なリフレッシュレートである60Hzと互換性がないのです。ゲーム専用機にする、動画は見ないという方はいいかと思いますが、そういう人は少ないと思います。
そうならないようにリフレッシュレートは動画に合わせたものを個人的にはお勧めします。
Youtubeやテレビ、映画で使われているリフレッシュレートと親和性があるリフレッシュレートは以下の表の通りになります。
ここに乗っているリフレッシュレート以外は正直、動画との相性は最悪だと思っていただいてかいまいません。ただ、リフレッシュレートが高くなるほど影響が少なくなるので特に気になるのは240Hz以下だと思います。
私的にお勧めなのは180Hzと240Hzです。180Hzはかなり安い27インチのWQHDモニタが売っています。
240Hzはどんな映像でもギクシャクせずに再生してくれますし価格も現実的な値段になっています。
144Hzのモニタの場合どうすればいいの?
144Hzでは映画との相性はいいのですが、Youtubeやテレビとの相性は最悪であり、あえて120Hzで運用することも考えた方がいいです。144Hzのモニタでも120Hzに設定できるので問題ありません。ここぞというときに144Hzにしましょう。めんどくさいと思いますが。
240Hz以上のリフレッシュレートについて
私は以前から240Hz以上のリフレッシュレートについては慎重に考えた方がいいと思っております。240Hzでゲームを動作させるためにはかなりのスペックを要求されますし、違いについても素人ではほぼわからないと思っています。
店頭デモなどではマウスやアイコンを高速で動かしてわかりやすくしていますが、実際のゲーム画面などではその恩恵は感じづらくなります。実際にゲームなどを試遊したり、デモ画面などで比較し、効果を感じた方のみ導入をお勧めします。
各シチュエーションでの適切なスペック
ここではシチュエーションに応じて適切なモニタを選定したいと思います。
オールマイティにゲーミングモニタを使いたい
27インチ WQHD解像度180Hzのモニタを選ぶ
ドットのザラザラ感が少なく、動画もギクシャクしないためオールマイティにこなせる。
製品例 GigaCrysta EX-GDQ271JA
ハイスペックPCでがっつりTPSやFPSをやる
21インチ〜24インチはWQHD解像度240Hzのモニタが適切だが、WQHD解像度の170Hz以上のモニタが存在しないため、FHD解像度で240Hzを狙う方が良い。あと、解像度上げるくらいならHzをあげた方がいいという考え方もある。
240Hzで動画を見る時も問題なし、製品例では360Hzでさらに高速。
製品例 JAPANNEX TX-360 JN-IPS245FHDR360
ハイスペックPCでがっつりRPGやシミュレーションをやる
32インチの4K/144Hz対応のモニタを選択し、120Hzで運用。
Hzは早くなくてもいいが、可変リフレッシュレート機能がついてるだけでめっちゃ嬉しい。
筆者はこのパターンを選んでおります。
製品例 JAPANNEX JN-315IPS144UHDR-N
安めのゲーミングモニタを買いたい
FHD解像度で180Hzが出るモニタを狙う。
165Hzや144Hzでは動画がギクシャクするので180Hzはマスト条件
製品例 MSI G24C4 E2
PS5で4K/120Hz環境を作りたい(アクションゲーム向け)
27インチの4K/144Hz対応のモニタを選択する。
解像度過剰気味だが、PS5はTVなどの兼ね合いによりFHDか4Kしか解像度を選択できないのでこうなる。
製品例 JAPANNEXT JN-IPS28G144UHDR
PS5で4K/120Hz環境を作りたい(シミュレーション/RPG向け)
32インチの4K/144Hz対応のモニタを選択する。
32インチだとアクションゲームがキツくなるが綺麗な画質を堪能できる。
製品例 JAPANNEXT JN-315IPS144UHDR-N
(番外)仕事を快適にこなしたい。
32インチの4K/60Hzのモニタを選択する。
32インチ4Kの環境で仕事すると他のモニタで仕事したくなくなるぞ。
製品例 JAPANNEXT JN-V3150UHDR
最後に
最後まで読んでいただきありがとうございます。
皆さんのモニタ選びの参考になれば嬉しく思います。