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1.0になったVisualStudioCodeの強みと弱点

Last updated at Posted at 2016-04-14

ついにVisualStudioCode(以下、VSCode)の1.0がリリースされました。ずっとVim以外の、人に勧められるエディタを探していた私にとって、VSCodeはまさにちょうど良いエディタでした。
このVSCodeで、エッジの振られている強みと、弱点を紹介します。

強み1 入力補完機能が優れている

VisualStudioの名を冠するだけあって、入力候補機能が標準で付いています。
C#やJSは文脈を読んで補完してくれます。文脈を読めない形式でも、同じファイル中に出てきた単語を補完候補として利用できます。
スニペットや言語対応の拡張フレームワークが用意されており、拡張機能をインストールすることで多くの形式に対応できるようになります。

強み2 デバッグ機能が整備されている

ブレイクポイントをつけたり、変数を見たりするデバッグ機能が、当然のように標準で付いています。4つの機能タブのうち、1つがデバッグになっています。
デバッグ機能の拡張フレームワークが提供されており、今後も拡張機能により様々な言語がサポートされていくと思われます。

強み3 カスタマイズしなくても使える

様々な言語が標準でシンタックスハイライト、入力補完が使えるようになっています。ShellScriptや、Dockerfileといった今までエディタがあるようでなかったものまで、標準で対応しています。
インストールして、作業ディレクトリさえ指定すれば、そこそこ良い感じの作業環境が手に入ります。

強み4 gitフレンドリーである

4つの機能タブのうち、1つがgitのためのタブになっています。初めてgitを使う人でも使えるように、マウス操作で、diffの確認、commit、push、pullができるようになっています。

強み5 Syntaxエラー、Lintエラーが表示できる

IDEでよくお世話になる、Syntaxエラーの表示、またLintエラーの表示ができるフレームワークが乗っています。Lint用の拡張フレームワークが提供されており、今後も拡張機能で様々な言語が対応していくと考えられます。

ほかの特徴

  • F1キーで呼び出す、全ての機能の起点となるコマンドパレットがあります。またコマンドは正確に覚えていなくても使えるように、候補の絞り込みがよく効くようになっています。
    • ただし、日本語設定では、検索する文字も日本語になってしまうため、言語設定を英語にするのがおすすめです。
  • Windows、Mac、Linuxのマルチプラットフォーム対応。
  • 複数ファイルを同時に開いて、並べて表示できます。
  • jsonの設定ファイルにより、キーバインドや各種設定を行うことができる。
  • メソッド名の一括変換など、今までIDEでしか得られなかったリファクタリングの機能が利用できます。

弱点1 拡張機能で拡張できる範囲が限定的

Atomのようになんでも拡張できることはなく、拡張可能な部分は、デバッガーや、Linter、文章編集など限られた範囲でしか行うことができないようになっています。
例えば、拡張機能によって新たな画面や、ボタンを追加することはできません(DOMの操作はできない)。

弱点2 設定、デザインツールは含まれない

.NETのプロジェクトファイルを、mavenの設定を編集するためのGUI画面や、ASP.NET等の画面デザインツールは、今の拡張機能では作ることはできません。
それらはテキストベースで入力し、拡張機能によってあくまでテキストベースの入力支援や、Linterによって入力ミスを指摘する機能しかありません。

弱点3 デバッグやタスクの実行には専用の設定ファイルを用意する必要がある

.NETやJavaのIDEのように、プロジェクトの作成と同時にデバッグを開始はできず、専用のjson形式の設定ファイルを記述する必要があります。

弱点4 ディレクトリの文脈を読まない

VSCodeを起動後、作業ディレクトリを指定すると、ディレクトリ下のファイルを全てをディレクトリツリーで表示します。例えば、ソースコードに関連する設定ファイルや生成ファイルがあったとしても、全てのファイルをそのまま表示を行います。VisualStudioやEclipseのJavaのようにディレクトリの文脈に応じた表示はできません。

弱点5 起動に多少の時間がかかる

VSCodeは起動や、プロジェクトファイルディレクトリの変更には、早くとも2、3秒はかかります。よって、ちょっとした設定ファイルの編集には不向きと思っています。

以上

入力補完、Git、デバッグにエッジを向けた、テキストエディタ以上、IDE未満のエディタと言えます。私はSIerでアーキテクトとして開発技術の選定を仕事にしており、IDEにさほど期待できないプラットフォームの場合に、多くの開発者に勧められる良いエディタを探していました。私一人であればVimを拡張すれば済みますが、多くの開発者にVimを強要するわけにはいきません。そんな位置付けにちょうど良いエディタ出してきたのは、さすがMicrosoftだと思います。私自身、VisualStudioCodeをgolangの開発に日々利用しています。

あと、私はVisualStudioCode上でVimの入力をエミュレートする拡張機能を作成しています。最近、他のVim系拡張機能にダウンロード数を抜かれましたが、私のプラグインが一番イケてると思っているので、Vimerの皆さん良ければ使ってやってください。

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