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圧力センサーFSR402で水位計の製作に挑戦した話(失敗談)

Last updated at Posted at 2020-07-27

1.農業農村工学における水位センサーの重要性

農業農村工学分野,特に水文分野においては河川やため池,ダム,井戸などの水位を知るというのは治水・利水の両方にとってとても重要です.

治水面では,豪雨時に河川堤防から水が溢れないように水位を監視するために用いられたりします.
利水面からみれば,かんがい用水をどれだけ確保できるかを知るためにも河川や井戸,ため池などの水位を監視している必要があります.

水位の観測に用いられる水位計は一般的に高価(数万~数十万円)です.
人命に関わるダムや大規模河川の流量観測には信頼性の高い高価な水位を用いるのが妥当だと思います.

しかし,近年は農業分野におけるIoTの活用や農業のICT化などを推進するためにも,田んぼ1枚1枚など比較的小規模で数が多い水域に水位計を設置して水位をモニタリングすることが求められています.
ですが,1本数万円もするような水位計をわざわざ全ての田んぼにつけるようなことは現実的とは言えません.

そこで,最近では安価な水位計の開発が求められています.

2.水圧センサーFSRシリーズ

FSRシリーズ.png
FSR402とはInterlink Electronics社が販売する圧力センサーFSRシリーズの1つです.感圧面に力を加えると2枚の膜の接触面積が変化し,それが抵抗の変化として出力されるというものであり,ひずみゲージと同じ挙動を示すというのが売りです.

水位を測る場合には水圧を測るのが一般的です.

JFE アドバンテック株式会社 水位計 各種測定方式
https://www.jfe-advantech.co.jp/products/water-technical-method.html

FSR402の値段は数百円程度とお得だったので,不安はありましたが,このセンサーを使って水位計の製作に挑戦してみました.
ですが,やっぱり安かろう悪かろうということで使い物になりませんでした.

3.FSR402のテスト

さっそく,FSR402のテストに取り掛かりました.
データシートと同じ回路を製作し,圧力の変化に対する抵抗および電圧の変化をテスターで確認しました.
結果としては確かに下記のデータシートのような挙動は確かに示しました.

しかし,この時は指で感圧面を押していたので,当然圧力は一定とはなりません.
なのである異変を見落としていました.

その異変とは,このサイト↓でも紹介されているのですが,実はこのセンサーに一定の圧力を加えてていても抵抗値がどんどん低下していくというものです.

ラズパイでコーヒーポットIoT
https://shirouzu.jp/tech/coffeepot-iot

当たり前ですが,そんなセンサー使い物になりません.
水圧センサーとして使うために防水加工をする以前の問題ですね.

原因を完全に突き止めることはできませんでしたが,おそらくはこのセンサーを構成する2枚の膜がコンデンサーのような働きをしてしまっているのではないかと思います.
現に印可する圧力が一定になった直後も抵抗値は下がり続けますが,時間が経つにつれて抵抗値の下がり具合が小さくなっていました.

4.おわりに

FSR402は水位計用の圧力センサーとしては使えませんでした.
となると,やはり水圧を測ろうとしたらひずみゲージを使う必要があるのかなぁと思いました.
(ひずみゲージ式だと,材料の1つであるダイアフラムの入手性が悪いので正直困るのですが...)

めげずに今後も安価な水位計の製作に取り組みたいと思います.

最後までお付き合いいただきありがとうございました.
また次回の記事でお会いしましょう.

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