はじめに
2025年7月に Claude Code が Windows ネイティブサポートを追加しました!
これまで Windows で Claude Code を使うには WSL(Windows Subsystem for Linux)環境が必要でしたが、公式CHANGELOGで「Added support for native Windows (requires Git for Windows)」が追加され、PowerShell から直接実行できるようになりました。
この記事では、既存の WSL 環境から Windows ネイティブ環境への移行手順を詳しく解説します。
⚠️ 注意: Windows ネイティブサポートは最新機能のため、環境によっては問題が発生する可能性があります。本記事の手順を実行前に、重要なプロジェクトのバックアップを取ることを強く推奨します。
この記事で分かること
- Claude Code の Windows ネイティブサポートについて
- WSL 環境から Windows ネイティブ環境への移行手順
- VS Code のターミナル設定の変更方法
- PowerShell、コマンドプロンプト、ターミナルの違い
この記事の対象者
- Windows で Claude Code を WSL 経由で使っていた開発者
- Claude Code の Windows ネイティブサポートについて知りたい人
- WSL 環境を削除してシンプルにしたい人
動作環境・使用技術
- OS: Windows 10 (Build 19041以降) / Windows 11
- Node.js: v18.0.0 以降
- Git for Windows: 必須(Windows ネイティブサポートの要件)
- Claude Code: v1.0.45 以降(Windows ネイティブサポート版)
重要: Git for Windows は Windows ネイティブサポートの必須要件です。インストールされていない場合は、Claude Code が正常に動作しません。
自己紹介
エンジニア/マーケター/コンサルタントとして、クライアントの「こうしたい」をITと経営の両視点から形にしています。最近はAIを活用した社会風刺的なサービス開発にも取り組んでいます。
Claude Code の Windows ネイティブサポートとは
従来の問題点
これまで Windows で Claude Code を使うには以下の手順が必要でした:
# WSL 環境で実行
wsl
ubuntu
claude # 3段階の起動が必要
新しい環境(2025年7月以降)
公式CHANGELOGによると「Added support for native Windows (requires Git for Windows)」が追加されました:
# PowerShell から直接実行
claude # 1段階で起動可能
制限事項と注意点
⚠️ Windows ネイティブサポートの現状:
- 実装されたばかりの機能のため、一部環境で「No suitable shell found」エラーが報告されています
- Git for Windows の正しいインストールと設定が必要
- 環境によっては WSL 環境の方が安定している場合があります
移行前の環境確認
まず、現在の環境を確認しましょう。
# WSL の状況確認
wsl --list --verbose
# Node.js の確認
node --version
npm --version
# Git for Windows の確認
git --version
実行結果例:
NAME STATE VERSION
* Ubuntu Stopped 2
v22.11.0
10.9.0
git version 2.47.1.windows.1
移行手順
1. Windows 側に Claude Code をインストール
# Claude Code をグローバルインストール
npm install -g @anthropic-ai/claude-code@latest
2. インストール確認
# バージョン確認
claude --version
正常にインストールされていれば、以下のような出力が表示されます:
1.0.51 (Claude Code)
3. Claude Code の起動テスト
# Claude Code を起動
claude
成功した場合
初回起動時は以下のような画面が表示されます:
╭────────────────────────────────────────────────────────────────╮
│ Do you trust the files in this folder? │
│ C:\Users\[username] │
│ ❯ 1. Yes, proceed │
│ 2. No, exit │
╰────────────────────────────────────────────────────────────────╯
エラーが発生した場合
「No suitable shell found」エラーが表示される場合:
-
Git for Windows の再インストール
- Git for Windows から最新版をダウンロード
- インストール時に「Git Bash」オプションを確実に選択
-
環境変数の確認
# Git が正しくインストールされているか確認 git --version # PATH に Git が含まれているか確認 echo $env:PATH
-
PowerShell の再起動
# PowerShell を完全に閉じて再起動
-
WSL環境での実行(代替手段)
エラーが解決しない場合は、安定した WSL 環境での実行も検討してください。
4. WSL 環境の削除(Claude Code 専用の場合のみ)
⚠️ 重要な注意事項 ⚠️
以下の作業は、WSL を Claude Code 専用で使用していた場合のみ実行してください。
WSL を以下の用途で使用している場合は、削除しないでください:
- Docker Desktop
- 他の Linux 開発環境
- データサイエンス(Python、R など)
- Web 開発(Node.js、Ruby など)
- その他の開発プロジェクト
Claude Code 専用だった場合の削除手順
Windows 版の Claude Code が正常に動作することを確認してから実行:
# 管理者権限の PowerShell で実行
wsl --unregister Ubuntu
# 削除確認
wsl --list --verbose
WSL 機能の完全無効化(Claude Code 専用かつ今後も使用予定がない場合のみ)
# WSL 機能を無効化
dism.exe /online /disable-feature /featurename:Microsoft-Windows-Subsystem-Linux
dism.exe /online /disable-feature /featurename:VirtualMachinePlatform
実行後は再起動が必要です。
5. WSL を残す場合の対応
WSL を他の用途で使用している場合は、以下の対応で十分です:
- Windows 版 Claude Code の動作確認
- VS Code のターミナル設定変更(後述)
- WSL 環境はそのまま残す
これにより、WSL 環境を保持しながら、Windows ネイティブの Claude Code を使用できます。
VS Code のターミナル設定変更
VS Code のデフォルトターミナルが WSL に設定されている場合、以下のエラーが発生します:
ターミナル プロセス "C:\Windows\System32\wsl.exe '-d', 'Ubuntu'" が終了コード -1 で終了しました。
解決方法
- VS Code で
Ctrl + Shift + P
を押す - 「Terminal: Select Default Profile」を選択
- 「PowerShell」を選択
または、設定ファイルを直接編集:
{
"terminal.integrated.defaultProfile.windows": "PowerShell"
}
PowerShell、コマンドプロンプト、ターミナルの違い
簡単な例え
テレビとチャンネルの関係で理解できます:
- ターミナル = テレビ本体(文字でコンピューターと話すための画面)
- コマンドプロンプト = NHK(基本的な機能のみ)
- PowerShell = 民放テレビ(新しくて便利な機能)
- Windows Terminal = 最新のスマートテレビ(複数チャンネル対応)
歴史的経緯
- 1980年代:コマンドプロンプト - Windows 初期から存在
- 2000年代:PowerShell - より高機能なシェルとして登場
- 2010年代:Windows Terminal - 現代的なターミナルアプリ
工夫したポイント・苦労した点
段階的な移行
一度に WSL 環境を削除せず、Windows 版の動作確認後に削除することで、トラブル時のロールバックを可能にしました。
WSL 環境の保護
WSL を他の用途で使用している開発者が誤って削除しないよう、明確な注意喚起と条件分岐を設けました。Claude Code 専用の場合のみ削除を推奨しています。
最新機能の注意点
Windows ネイティブサポートは実装されたばかりの機能のため、環境によっては問題が発生する可能性があります。トラブルシューティング手順を含めることで、読者が安全に移行できるよう配慮しました。
VS Code 設定の考慮
多くの開発者が VS Code を使用しているため、ターミナル設定の変更手順も含めました。
分かりやすい説明
PowerShell とコマンドプロンプトの違いを、テレビとチャンネルの例えで説明することで、技術初心者にも理解しやすくしました。
まとめ
Claude Code の Windows ネイティブサポートにより、以下のメリットが得られます:
- 起動速度の向上 - 3段階から1段階に短縮
- システムリソースの節約 - WSL 環境が不要
- シンプルな環境 - トラブルシューティングが簡単
- VS Code との連携 - ターミナル統合がスムーズ
移行パターン別の対応
Claude Code 専用で WSL を使用していた場合:
- WSL 環境を削除してリソースを節約
WSL を他の用途でも使用している場合:
- WSL 環境を残しつつ、Windows ネイティブの Claude Code を使用
どちらの場合も、移行作業は比較的簡単で、既存の開発環境に大きな影響を与えることなく実行できます。WSL 環境から Windows ネイティブ環境への移行を検討している方は、ぜひ試してみてください。