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Civic TechAdvent Calendar 2016

Day 9

データヘルスにとかについて思うこと

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みなさん、はじめまして。
とある研究機関でコーディネーターをしているヤクシジといいます。

最近、仕事柄、健康やらライフサイエンスやら、ビッグデータやら、ウェアラブルやら、いろいろお話を聞くようになりました。将来的には、マイナンバーになるのか、医療IDになるのかわかりませんが、なにかユニークな番号が割り振られ、医療データ、健康診断、やらが繋がっていくというお話でもあります。
研究サイドでも、それは良いことだ、とポジティブに受け取っているし、いろいろな角度から検証できるし、ウェアラブルなんか使えれば、時間軸を随分伸ばすことができ、これまでわからなかったことがわかるようになるのではないか、と期待されています。実際、いろんなデータを取って、みんなで共有できるようにしよう、なんて話をしていたりします。

いろんな人がこんなのできたらいいなー、と思うわけです。
http://www.chicagohealthatlas.org

会津もありますよね。
http://www.midika-iot.jp/wp-content/uploads/2016/11/④会津若松スマートウェルネスシティIoTヘルスケアプラットフォーム事業.pdf
(某社ががっつり噛んでるから進んでるのかな?)

とはいえ、これまでのやり方を変えないと実現しないのではないか?と思い始め、ひとまず投げかけをさせてもらおう、と思った次第です。

すでに「やってるよー。」とかあるんだろうな、とは思いつつ、ではありますが、ご教示いただければありがたく。

なぜ難しいのか?

まず、一番大きいのは、「医療」に関わる部分だから、かもしれません。
医療というのは、人の健康、もっと言えば生き死にに関わります。
ここ数日でDeNAのキュレーションメディアwelqが大きく問題になっていますね。コピペの適当な記事だったということが問題ではありますが、それが健康に関わる内容だったことが、さらに問題を悪くしていると思います。
中途半端なこと(あるいは事実誤認、裏取りできていないなど)書いてんじゃねぇよ、と。
健康に関わることだからこそ、その正確さが担保されていることが求められます。かつてそんなTV番組でもありました。
「科学的に正しい」ということが求められます。そのため、おいそれと門外漢が手出しをすることができず、一部の専門家のみが発言できる閉じられた領域になります。

これが、次のハードルを生むことになります。

科学的に検証しようとするが故に…。

科学的に検証するためには、コントロールされた系の中でしか語ることができません。集められた集団の中の統計でしかモノを語れません。この集団を集めること自体が大変で、目的を設定して、個人情報保護、倫理審査など様々なステップを踏み、ようやく実施されます。さらにその研究の中でしか情報は共有されません。これは、ある意味当然ですが、そのプロジェクトが終了したら、データは塩漬けになります。

プロジェクトも、目的を明確にしますので、それ以外の目的には使用できません。
つまり、後から別の人が解析する機会はほどんどありません。塩漬けです。

ただ、個人情報の取り扱いについては、かなり緩和されるようですから、この辺りの状況は変わるかもしれません。

合理的に進めるが故に生じるハードル

また、特に大型プロジェクトになると、企業が相乗りします。つまり、明確に事業に資するものを持って帰ることを目的とした集団が加わります。そうすると、権利の配分が必要になります。これ自体は正しいあり方ですが、データを共同で集めて共有する、という観点に立つと大きなハードルになります。

さらに、上のような状況に加え、研究者は自分の研究が進むことを、企業は自社の利益になることを主眼に考えますし、行政はそんな全体取りまとめつつ個人情報など含め全方位のバランスを取る必要があるため、身動きが取れなくなります。特に、何か問題が起こった際どうするんだ?ということを考えただけで固まります。

一つ一つは合理的な考え方です。とはいえ、将来的なデータ共有という観点でいうと越えられないハードルになります。

とはいえ、なんとかできるのでは?

一方で、ウェアラブルなどからのデータはすでに各社(fitbitなど)のクラウド上にすでに蓄積されていますし、APIも公開されていますので、使おうと思えば技術的には可能な状態です。

また、データの管理や個人データの管理についても新しい技術が出てきており、検証は必要な状態ではあるものの検討できるようになってきているだろうことは、皆さんも想像できると思います。たとえば、アセンブローグのPLR http://www.assemblogue.com
や、ブロックチェーンなんかもこの部類に入るのかもしれませんね。

この辺りについては、ITやシステム系、AIやIoT領域でない研究者とっては、ちんぷんかんぷんだと思います。仕組みや枠組みを作ることには精を出すし、できるのですが、実装なんてことは考えられませんし、自分で解決することもできません。外注しようにも、要件定義をし、仕様書を書かないと入札すらかけられません。出来上がるのは一年後。デバイスやOSなどはアップデートされてたり…。
(この調達の仕組みが結構厄介です。アジャイルで…なんてどうやったら許せる仕様が書けるのやら。ご存知の方はこっそりご教示願いたい…。)

また、これらのデータお使うとどんなことがわかるのか?さっぱりわかりません。はっきり言って、解析してみないとわからない。
けど、データを集めるためには計画が必要。ということはある程度何か目鼻があるってことになりますが、そんなものはないのです。
完全に「ニワトリと卵」。
データ取ってみないとわからないけど、データを取ろうにも計画が立てられない。

あらゆる側面で難しい。

やり方を変えるしかないのでは?

そこで、やり方を変えなければ、データヘルスなんてものは実現できないのではないかと思い至るわけです。

さすがに、電子カルテなど手を出し始めるとオオゴトになりますが、ウェアラブルのアクティビティモニターや食事記録アプリ、体組成計などデータが取得できるものについては、本人の了承が得られれば、活用可能なプラットフォームは作ることが可能なのではないか?
そう思うわけです。

これを公的な資金あるいは企業の資金でやると上に述べた問題が起こり、おそらく成立しないのではないだろうか、と思います。どこか大きな企業さんがつけば、違うのでしょうが。

日本の医療費の約3割は生活習慣病と呼ばれるもの費やされます。これは日々の食事、運動でかなり低減できます。透析を10,000人減らすだけでン億削減というラフな計算を聞いたこともあります。

社会的な課題であるにもかかわらず、公的な活動としてしまうと身動きが取れなくなる、そんな矛盾を抱えている課題。

これを「データ使ってくれていいよ」というボランティア、「活用のプラットフォーム作ってやるよ」というボランティアがもしいるんだとすると、その大きな礎ができるのではないか?そう思ったわけで。

Civic tech というものに関わったこともないですし、code4のメンバーでもないのすが、さらにはコードをかけるわけでもないので偉そうなことは何も言えないのですが、Civic techってそういう課題も考えたりするのかなぁと思い、皆さんのご意見がいただければと駄文を承知で書いてみました。

「もうやってるよー」「どこどこでは、こんなことやってるよー」とか「こうすればいんじゃない?」とかとか、
「そんなのいらんやん?」とかとか
なんでも、あれば教えて下さい。

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