なに?
とあるツイートで「デザイナは無意識のうちにデザインの思考や方法論を他にも活用している」というようなものがあって。
ではエンジニアのわたしは「エンジニアリング」の力をどうやって他の分野に活用しているんだろ?と思い、ついでに「エンジニアって何?」と思ってる人の助けにもなるかなと整理してみました。
そもそもエンジニアリングとは?
エンジニアリングは基本的には「工学」のことです。 詳しくはWikipediaとか見てもらうとして、簡潔に言うと「エネルギーを、数学や科学の知見を活かして、良いことに使う」のが「工学」つまり「エンジニアリング」です。
ここでいう「数学や科学の知見」とは、科学的手法、つまり「原因と結果を記録して、分析して、その因果関係を考えること」と考えてよいと思います。大事なのは「記録」と「分析」と「考察」です。
あらためてエンジニアリングを活用するとは?
とってもシンプルです。
エンジニアリングは「エネルギーを利用して良いことに使う」ことです。
これは例えば、ガソリンを入れて車が走る、電気でライトが光る、アクセス分析で売り上げを上げる、ピストン運動を円運動に変換する、なんでも、なにかインプットを変換して役立つアウトプットに変える、ことです(これがエンジニアリングの本質です)。
言い換えると Input → Process → Output です。基本的に Input と Output は与えられるもので、Process(変換)部分を重視するのがエンジニアリングの特徴と言えると思います。
これを実現するためにエンジニアがやることもとってもシンプルです。
- まず記録すること・・・言い換えると「構成要素」、つまり、解決したい問題や未来とは?それは何から構成されているか?を見つけることです。
- それを分析する・・・こまかく言うと「分解」と「分類」をします。エンジニアもただの人間なので、あんまり複雑な問題は手に負えません。扱いやすい適切な大きさにします。
- どうやってあるべき姿にするかを設計する・・・インターネットを使う、プログラミングをする、人手に頼るなど、未来の姿に変わるためにどうするかを考えます。
- (あと最後にテストもあります←これ大事)
基本的にエンジニアがやることはこれですし、これがエンジニアリングです。
「設計」のところでITスキルや数学などを使う事が多くありますが、あるべき姿に快適さ快美性が求められるのであれば認知科学や心理学を使う事だってあります。( それは単に利用する技術や専門性の問題であって、エンジニアリングかどうか、とはあまり関係の無い話です )
あと、しつこいですが、もう一回言いたいこと。
エンジニアリングは「インプットされたエネルギーを利用して良いことに使う」です。Wikipediaの定義を見ておきます。
エネルギーや自然の利用を通じて便宜を得る技術一般。
数学と自然科学を基礎とし、ときには人文科学・社会科学の知見を用いて、公共の安全、健康、福祉のために有用な事物や快適な環境を構築することを目的とする学問。
いいでしょうか。「便宜を得る」「有用な物事や快適な環境」です。何かインプットを変換して悪いことをするのはエンジニアリングじゃないし、そんなことするのはエンジニアじゃないです。
まとめ
まとめてみるととってもシンプルは話でした。
インプットを変換して良いアウトプットを出す。
わたしが「エンジニア」として色々な分野でやっていけるのは、基本的にこの考えをしっかり持っていることが強みです。もちろんプログラミングとかのスキルもありますが、、、必要なスキルは勉強するか、他から調達すればいいだけなので、それよりはこの考え方が強みだと思ってるし、(ITスキルがあまり出てこない案件だったとしても)これがあるから自分をエンジニアと名乗ってます。
こんなの当たり前だと思ったかもしれませんが、うん、意外と当たり前のことなのです。 そう思った方は立派なエンジニアとしてぜひ世の中をより良くするためにがんばりましょう!
蛇足. とはいえ
そうはいっても…わたしの場合はそこそこ自慢できるくらいにはコンピューターの知識やプログラミングスキルがあってそれが「自信」になっているのは確かな事です。 「エンジニアリングとはこんなシンプルなことです」という逆側で、しっかりプログラミングができる、システムを構築できるといった実装力や実行力はやっぱり必要です。それがないと結局「絵に描いた餅」で世の中をよくすることが出来ないからです。口だけではエンジニアとはやっぱり呼べません。
蛇足. ややこしい話(読み飛ばして良い)
エンジニアリングのややこしいところは、問題の解決プロセスそのものもエンジニアリングだし、解決した結果もエンジニアリング、でフラクタルになっているところです。(このややこしさはエンジニアリングに限らずですが・・・)
問題解決のための人とのコミュニケーションもエンジニアリングであれば、結果できあがるECサイトも、そのECサイトの中の1モジュールもすべてがエンジニアリング的な要素を持っています。今自分がどういう視座にいるかを忘れるとややこしいことになります。