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【AWSプロフェッショナルへの道】現役エンジニアが贈るクラウド実践ガイド - 第30回 未来を拓く!マルチクラウド・ハイブリッドクラウドへの展望と学習ロードマップ

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未来を拓く!マルチクラウド・ハイブリッドクラウドへの展望と学習ロードマップ

こんにちは!現役クラウドエンジニアのAkrです。

【AWSプロフェッショナルへの道】現役クラウドエンジニアが贈る実践ガイド」の第30回をお届けします。前回はAWS認定資格のプロフェッショナル認定取得に向けた学習戦略を解説し、AWSの専門家としてのキャリアを築く道筋を示しました。これまで、私たちはAWSという一つのクラウドプラットフォームを深く掘り下げてきました。しかし、現実の世界では、AWSだけですべての課題を解決できるわけではありません。

今回は、AWSの知識をさらに広げ、より複雑なエンタープライズ要件に対応するためのテーマ、マルチクラウドハイブリッドクラウドに焦点を当てます。

「複数のクラウドをどうやって使い分けるの?」「オンプレミス環境とクラウドを連携させるにはどうすればいいの?」「AWS以外のクラウドも学ぶべき?」といった疑問を持つかもしれません。マルチクラウドやハイブリッドクラウドは、ベンダーロックインの回避、可用性の向上、コスト最適化など、多くのメリットをもたらします。本記事では、これらの概念を明確に定義し、AWSの知識を活かしつつ、他のクラウドやオンプレミス環境と連携するための学習ロードマップを提示します。


1. マルチクラウドとハイブリッドクラウドの定義とメリット

1.1. マルチクラウド (Multi-Cloud)

  • 定義: AWS、Microsoft Azure、Google Cloud Platform(GCP)など、複数のパブリッククラウドサービスを組み合わせて利用することです。
  • 主なメリット:
    • ベンダーロックインの回避: 特定のクラウドプロバイダーに依存するリスクを低減します。
    • 可用性の向上: あるクラウドで障害が発生しても、他のクラウドでサービスを継続できます。
    • 最適なサービス選択: 各クラウドの強みを活かし、特定のサービスに特化したワークロードを最適な環境で実行できます。

1.2. ハイブリッドクラウド (Hybrid Cloud)

  • 定義: パブリッククラウド(AWSなど)とオンプレミス環境を組み合わせて利用することです。
  • 主なメリット:
    • 既存資産の活用: オンプレミスにある既存のシステムやデータを活用しつつ、クラウドの柔軟性を享受できます。
    • データ主権とコンプライアンス: 機密性の高いデータはオンプレミスで管理し、それ以外のデータをクラウドで処理するといった使い分けが可能です。
    • 移行の柔軟性: 全てのシステムを一度にクラウド移行するのではなく、段階的に移行する戦略を立てられます。

2. AWSとマルチクラウド・ハイブリッドクラウドの連携サービス

AWSは、他の環境との連携を容易にするためのサービスを豊富に提供しています。これらのサービスを理解することが、AWSの知識を拡張する第一歩です。

2.1. ハイブリッドクラウド連携サービス

  • AWS Direct Connect:

    • オンプレミスのデータセンターとAWSのVPCを専用回線で直接接続するサービスです。
    • 安定した低遅延のネットワーク接続を実現し、大量のデータを安全に転送できます。
  • AWS Storage Gateway:

    • オンプレミスのストレージをAWSクラウドに拡張するサービスです。
    • オンプレミスからAWSのS3やEBSにバックアップを取得したり、ファイル共有を行ったりできます。
  • AWS Outposts:

    • AWSのハードウェアとサービスを、顧客のオンプレミス環境にデプロイするフルマネージドサービスです。
    • オンプレミスでAWSのサービスをネイティブに実行できます。

2.2. マルチクラウド連携サービス

  • AWS Well-Architected Framework:

    • AWSに特化したフレームワークですが、その概念(運用上の優秀性、セキュリティ、信頼性など)は他のクラウドにも応用できます。
    • どのクラウドを利用する場合でも、このフレームワークに基づいて設計することで、堅牢なシステムを構築できます。
  • Kubernetes:

    • コンテナオーケストレーションのデファクトスタンダードです。
    • AWS(EKS)、Azure(AKS)、GCP(GKE)のいずれでも利用でき、コンテナ化したアプリケーションを複数のクラウドで共通の環境として実行できます。

3. AWSエンジニアのための学習ロードマップ

AWSの知識をベースに、マルチクラウド・ハイブリッドクラウドの専門家となるための学習ロードマップを提示します。

ステップ1:AWSの基礎を固める

  • これまでの学習で培った、AWSのコアサービス(EC2, S3, VPCなど)とベストプラクティス(IAM, Well-Architected)の知識を完璧にしましょう。

ステップ2:ネットワークの深掘り

  • ハイブリッドクラウド・マルチクラウドの根幹をなすのがネットワークです。
  • AWS Direct ConnectAWS VPNVPCピアリング、そしてTransit Gatewayの概念と設定方法を深く理解しましょう。
  • オンプレミスや他クラウドとの接続を設計する上で、ネットワークの知識は不可欠です。

ステップ3:コンテナ技術とCI/CDの学習

  • マルチクラウドでのアプリケーションデプロイに不可欠なのが、コンテナ技術(Docker, Kubernetes)とCI/CDです。
  • Dockerでアプリケーションをコンテナ化し、Kubernetesを使って複数のクラウドで一貫したデプロイ環境を構築するスキルを身につけましょう。
  • GitHub ActionsJenkinsなど、特定のクラウドに依存しないCI/CDツールを学習することも有効です。

ステップ4:他クラウドの基礎学習

  • AWSの知識があるなら、他クラウドの学習は比較的容易です。それぞれのクラウドの主要サービスがAWSのどのサービスに相当するかを対応付けて理解しましょう。
    • AWS EC2 -> Azure VM / GCP Compute Engine
    • AWS S3 -> Azure Blob Storage / GCP Cloud Storage
    • AWS RDS -> Azure SQL Database / GCP Cloud SQL
  • 特に、他クラウドの認定資格(例: Azure Administrator Associate, GCP Associate Cloud Engineer)に挑戦することで、体系的な知識を効率よく習得できます。

4. まとめ

「AWSプロフェッショナルへの道」は今回で完結となります。全30回にわたり、AWSの基礎から応用、そしてセキュリティ、コスト最適化、データ活用、AI/ML、そして未来の展望まで、幅広いトピックを網羅的に学んできました。

  • マルチクラウドは複数のパブリッククラウドを、ハイブリッドクラウドはパブリッククラウドとオンプレミスを連携させる戦略です。
  • AWSには、Direct ConnectOutpostsといった、ハイブリッドクラウドを容易にするサービスがあります。
  • AWSの知識は、ネットワーク、コンテナ技術、他クラウドの基礎学習というステップを踏むことで、マルチクラウド・ハイブリッドクラウドの専門家へとつながります。

このガイドで得た知識と経験は、あなたのクラウドエンジニアとしてのキャリアを強力に後押ししてくれるはずです。これからも、常に新しい技術に挑戦し、学び続ける姿勢を大切にしてください。


全30回、長きにわたりお付き合いいただき、本当にありがとうございました。
この連載が、あなたのクラウドキャリアの礎となったことを願っています。

これからも、クラウドの世界を一緒に楽しみましょう!
もしこの記事が役に立ったと感じたら、ぜひ「いいね」👍をお願いします!

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