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27日目: AI/ML開発におけるCI/CD(MLOps)の概要

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27日目: AI/ML開発におけるCI/CD(MLOps)の概要

はじめに:CI/CDからMLOpsへ

皆さん、こんにちは!👋 昨日は、コンテナ時代の新しいCI/CDトレンド「GitOps」について学びました。CI/CDの概念は、ソフトウェア開発の世界で広く応用され、その範囲はインフラ管理やデプロイメントの枠を超えています。

今日、私たちはAI/ML開発という、より特殊な分野にCI/CDの考え方を適用する「MLOps(Machine Learning Operations)」について解説します。従来のソフトウェア開発とML開発では、開発サイクルや成果物が大きく異なります。この違いを理解し、ML特有の課題を解決するためのMLOpsパイプラインの構築方法を見ていきましょう。


1. MLOpsとは何か?

MLOpsは、DevOpsの原則(継続的インテグレーション、継続的デリバリー、継続的デプロイメント)を機械学習(ML)のワークフローに適用する文化と実践です。従来のCI/CDがアプリケーションコードのビルドとデプロイを自動化するのに対し、MLOpsはモデルの学習、評価、デプロイ、そして再学習という、より複雑なプロセスを自動化・管理することを目指します。

従来のCI/CDとMLOpsの主な違い

項目 従来のCI/CD MLOps
成果物 アプリケーションの実行ファイル(バイナリ、Dockerイメージなど) MLモデルのファイル、モデルのバージョン情報
パイプラインのトリガー ソースコードの変更 ソースコード、データモデルパラメータの変更
テスト 機能テスト、結合テスト モデルの精度テスト、バイアステスト、ドリフトテスト
デプロイメント アプリケーションのリリース モデルのデプロイ(APIとして、またはバッチ処理として)
運用 アプリケーションのモニタリング モデルの精度監視、データドリフト監視

この表が示すように、MLOpsはアプリケーションコードだけでなく、データモデルという新しい要素を管理する必要があります。


2. MLOpsパイプラインの主要なステップ

MLOpsパイプラインは、以下の主要なステップで構成されます。

  1. データの準備とバージョン管理 (Data Versioning):
    MLモデルの性能は、使用するデータに大きく依存します。そのため、データセットの変更もCI/CDパイプラインのトリガーになります。MLOpsでは、データセットをバージョン管理し、どのモデルがどのデータで学習されたかを追跡することが重要です。

  2. モデルの学習とトレーニング (Model Training):
    新しいデータが準備されたり、モデルのアルゴリズムが変更されたりすると、パイプラインが自動的にモデルの再学習をトリガーします。このステップでは、学習プロセスを自動化し、異なるハイパーパラメータでの実験を効率的に実行します。

  3. モデルの評価と検証 (Model Evaluation):
    学習が完了したモデルは、自動的に評価され、その精度、パフォーマンス、そして公平性(バイアス)が検証されます。このステップで、モデルが事前に設定されたしきい値を満たさない場合、パイプラインは失敗します。

  4. モデルの登録とバージョン管理 (Model Registry):
    検証に成功したモデルは、モデルレジストリに登録され、一意のバージョン番号が割り当てられます。これにより、どのモデルがいつ作成されたかを一元管理できます。

  5. モデルのデプロイメント (Model Deployment):
    レジストリに登録されたモデルは、APIエンドポイントとして、またはバッチ処理として本番環境にデプロイされます。このステップでは、ブルー/グリーンデプロイのような安全な戦略が適用されます。

  6. モデルの監視と再学習 (Monitoring & Retraining):
    デプロイされたモデルは、その予測精度が時間とともに低下しないか(モデルドリフト)を継続的に監視されます。精度が低下した場合、パイプラインが自動的に再学習をトリガーし、新しいモデルをデプロイします。


3. AWSを使ったMLOpsパイプラインの構築

AWSは、MLOpsを構築するための多くのサービスを提供しています。

  • AWS SageMaker: MLモデルの開発、学習、デプロイ、そして監視を一元的に行うためのフルマネージドサービスです。
    • SageMaker Pipelines: MLOpsパイプラインを構築するための専用サービスです。データの前処理、学習、モデル評価、条件付きデプロイメントといった一連のワークフローをコードで定義できます。
  • Amazon ECR: Dockerイメージの代わりに、MLモデルのバージョンを管理するレジストリとしても利用できます。
  • AWS CodeFamily: これまで学んだCodeCommit、CodeBuild、CodePipelineをMLOpsにも活用できます。

シンプルなMLOpsパイプラインの例

  1. CodeCommit: モデルの学習コードや、パイプラインの定義ファイルを管理します。
  2. CodePipeline: CodeCommitへの変更をトリガーに、パイプラインを実行します。
  3. CodeBuild: buildspec.ymlでSageMaker SDKのコマンドを実行し、モデルの学習やデプロイをトリガーします。
    • aws sagemaker create-training-job
    • aws sagemaker create-endpoint
  4. SageMaker: 実際にモデルの学習や推論エンドポイントのホスティングを行います。

まとめ:MLOpsはAIの価値を最大化する

本日は、AI/ML開発におけるCI/CD「MLOps」の概要について学びました。

  • MLOpsの目的: モデルの学習、評価、デプロイ、監視といったML特有のライフサイクルを自動化し、管理する。
  • ワークフロー: データの準備からモデルの監視・再学習まで、ML開発の全プロセスをパイプラインとして捉えることが重要です。
  • AWSサービス: AWS SageMakerが、MLOpsパイプラインを構築するための中心的な役割を果たすサービスであることを確認しました。

MLOpsは、単にモデルをデプロイするだけでなく、モデルのパフォーマンスを継続的に維持し、ビジネス価値を最大化するための不可欠なプラクティスです。グローバルなAI企業のような、AIをコアビジネスとする組織では、MLOpsはもはやDevOpsと同じくらい重要な概念となっています。

次回は、CI/CDパイプラインの運用において非常に重要な「コスト最適化」について解説します。お楽しみに!

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