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30日間で理解する GCP for AWSエンジニア - 実践ブログシリーズ - 6日目: EC2とCompute Engine:インスタンスの起動から課金モデルまで

Last updated at Posted at 2025-08-26

【AWS経験者向け】EC2とCompute Engine:インスタンスの起動から課金モデルまで徹底比較

はじめに:AWS EC2の知識でGCP Compute Engineを攻略する

皆さん、こんにちは!「30日間でGCPをマスターするAWSエンジニアの挑戦」シリーズ、6日目へようこそ。

AWSにおける仮想サーバーサービス、**EC2(Elastic Compute Cloud)**は、クラウドコンピューティングの代名詞とも言える存在です。インスタンスタイプを選び、キーペアを設定し、セキュリティグループで通信を制御する一連の流れは、多くのエンジニアにとってお馴染みでしょう。

GCPにも同様の役割を持つサービス、Compute Engineがあります。しかし、EC2に慣れたエンジニアがCompute Engineを触ると、以下のような違いに戸惑うことがあります:

  • 「インスタンスタイプを自由にカスタマイズできる?」
  • 「課金が秒単位で、しかも自動で割引される?」
  • 「セキュリティグループの代わりにファイアウォールルール?」

今日の記事では、AWS EC2の知識を前提に、GCP Compute Engineの以下のポイントを徹底的に比較します:

  • インスタンスタイプとカスタムマシンタイプ:なぜGCPはCPUとメモリを個別に設定できるのか?
  • 課金モデルと料金の最適化:GCPのユニークな課金モデルを理解する
  • 運用管理機能:認証、セキュリティ、スケーリングの違いを学ぶ

この記事を読めば、GCPでの仮想サーバーの設計と運用が明確になり、よりコスト効率の高いシステムを構築できるようになります。

インスタンスタイプの根本的な違い

AWS EC2のアプローチ:定型パッケージ

EC2は、CPU、メモリ、ネットワーク性能が固定されたインスタンスタイプから選択します。

例:
- t3.micro:1 vCPU, 1GB RAM(汎用)
- c5.large:2 vCPU, 4GB RAM(コンピューティング最適化)
- r5.xlarge:4 vCPU, 32GB RAM(メモリ最適化)

メリット

  • 料金が予測しやすい
  • 用途別に最適化された豊富な選択肢
  • 実績とコミュニティの知見が豊富

デメリット

  • リソースの過不足が発生しやすい
  • 中間的なスペックが欲しい場合に無駄が生じる

GCP Compute Engineのアプローチ:柔軟なカスタマイズ

Compute Engineの最大の特徴は、CPUとメモリを個別に設定できる「カスタムマシンタイプ」 です。

例:
- カスタム:2 vCPU, 8GB RAM
- カスタム:1 vCPU, 6.5GB RAM
- 事前定義済み:n1-standard-4(4 vCPU, 15GB RAM)

メリット

  • ワークロードに最適化したリソース配分が可能
  • リソースの無駄を最小限に抑制
  • コスト最適化がしやすい

デメリット

  • 設定の自由度が高い分、設計の判断が必要
  • 性能特性の把握に時間がかかる場合がある

実際のコスト差の例

同じワークロード(2 vCPU、8GB RAMが必要)を想定:

AWS EC2

  • t3.large(2 vCPU, 8GB)を使用
  • 東京リージョン:約$0.0944/時間

GCP Compute Engine

  • カスタム(2 vCPU, 8GB)を使用
  • 東京リージョン:約$0.073/時間(継続利用割引前)

この例では、GCPの方が約23%安価になります。

課金モデルの革新的な違い

AWS EC2の課金体系

1. オンデマンドインスタンス
   - Linux:1秒単位課金
   - Windows:1時間単位課金

2. リザーブドインスタンス
   - 1年/3年の確約で最大75%割引
   - 事前購入が必要

3. Savings Plans
   - 柔軟な確約利用プランで割引
   - 事前購入が必要

GCP Compute Engineの課金体系

1. 秒単位課金
   - 全OSで1秒単位課金(最小1分)
   
2. 継続利用割引(自動適用)
   - 月の25%以上利用で自動割引
   - 最大30%の割引
   - 設定不要

3. 確約利用割引
   - 1年/3年の確約で最大57%割引
   - AWSのリザーブドインスタンス相当

継続利用割引の魅力

GCPの継続利用割引は、特に画期的です:

例:月744時間のうち
- 186時間以上(25%):割引開始
- 372時間以上(50%):20%割引
- 744時間(100%):30%割引

AWS vs GCPの運用負荷

  • AWS:割引を受けるには事前にリザーブドインスタンスやSavings Plansの購入が必要
  • GCP:使用するだけで自動的に割引が適用される

運用管理機能の比較

認証とアクセス制御

項目 AWS EC2 GCP Compute Engine
SSH認証 キーペアの作成・管理 IAM連携によるSSHキーの自動配布
権限管理 IAM + キーペアの組み合わせ IAMロールとサービスアカウントの統合管理
メリット シンプルで理解しやすい より細かい権限制御が可能

セキュリティ制御

項目 AWS EC2 GCP Compute Engine
通信制御 セキュリティグループ(インスタンス単位) ファイアウォールルール(VPCネットワーク単位)
適用方法 インスタンスに直接アタッチ タグやサービスアカウントで対象を指定
管理単位 インスタンス毎に個別設定 ネットワーク全体で統一管理

オートスケーリング

項目 AWS EC2 GCP Compute Engine
サービス名 Auto Scaling Group マネージドインスタンスグループ
基本機能 CPU、メモリ等のメトリクス監視 同様のメトリクス監視
特徴 ELBとの統合が容易 Load Balancerとの自動統合

実践ハンズオン:カスタムVMの作成

GCPコンソールで、EC2にはないカスタムVMを作成してみましょう。

手順

  1. GCPコンソールにアクセス

    Compute Engine → VMインスタンス
    
  2. インスタンス作成の開始

    「インスタンスを作成」をクリック
    
  3. 基本設定

    名前:custom-vm-demo
    リージョン:asia-northeast1(東京)
    ゾーン:asia-northeast1-a
    
  4. カスタムマシンタイプの設定

    マシンファミリー:「カスタム」を選択
    CPU数:2(スライダーで調整)
    メモリ:6GB(スライダーで調整)
    
  5. その他の設定

    ブートディスク:Debian GNU/Linux 11
    ファイアウォール:HTTPトラフィックを許可
    
  6. 作成実行

    「作成」をクリック
    

作成後の確認ポイント

  • 料金の確認:右側のペインで月額料金の見積もりが表示される
  • 継続利用割引:使用時間に応じて自動的に割引が適用される
  • カスタマイズの柔軟性:CPUとメモリの比率を自由に調整できる

パフォーマンス比較のポイント

ネットワーク性能

AWS EC2:
- インスタンスタイプによってネットワーク性能が決定
- 拡張ネットワーキング(SR-IOV、ENA)をサポート

GCP Compute Engine:
- ティア1ネットワークによる高品質な接続
- プリエンプティブルインスタンスでも同じネットワーク性能

ディスクI/O

AWS EC2:
- EBS(gp2, gp3, io1, io2)の選択
- インスタンスストレージ(SSD)も利用可能

GCP Compute Engine:
- Persistent Disk(HDD、SSD)
- Local SSD(最大375GB×24個)

選択指針:どちらを使うべきか

AWS EC2を選ぶべきケース

  • 既存のAWS環境との統合が重要
  • 豊富なインスタンスタイプから最適なものを選びたい
  • 実績のあるソリューションを求める
  • WindowsやSQL Serverライセンスを活用したい

GCP Compute Engineを選ぶべきケース

  • コスト最適化を重視する
  • リソースを細かくカスタマイズしたい
  • 運用の手間を減らしたい(自動割引など)
  • Kubernetesとの連携を重視する

まとめ:EC2とCompute Engine、それぞれの強み

比較項目 AWS EC2 GCP Compute Engine
インスタンスタイプ 豊富な固定タイプから選択 カスタムマシンタイプで柔軟設定
課金モデル 秒単位、要事前購入割引 秒単位、継続利用割引自動適用
セキュリティ セキュリティグループ(インスタンス単位) ファイアウォールルール(VPC単位)
強み 豊富なエコシステムと実績 柔軟性と自動的なコスト最適化
適用場面 多様なワークロードに対応 コスト効率重視のワークロード

主要な学び

  1. GCPのカスタムマシンタイプにより、リソースの無駄を最小限に抑えられる
  2. 継続利用割引の自動適用により、運用負荷を軽減しながらコストを最適化できる
  3. ファイアウォールルールによるVPC単位のセキュリティ管理で、より統一的な制御が可能

どちらも優れたサービスですが、GCP Compute Engineは特にコスト効率と運用の簡素化に強みを発揮します。


これで1週間の基礎編が完了しました!次回は、これまでの学習内容を総括し、AWSとGCPそれぞれの得意なことや設計思想について深掘りしていきます。

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シリーズ記事一覧

  • [【1日目】はじめの一歩!AWSエンジニアがGCPで最初にやるべきこと]
  • [【2日目】GCPのIAMはAWSとどう違う?「プリンシパル」と「ロール」の理解]
  • [【3日目】VPCとVPCネットワーク:GCPのネットワーク設計思想を理解する]
  • [【4日目】S3とCloud Storage:オブジェクトストレージを徹底比較]
  • [【5日目】RDSとCloud SQL:マネージドデータベースの運用管理の違い]
  • [【6日目】EC2とCompute Engine:インスタンスの起動から課金モデルまで](この記事)
  • [【7日目】1週間のまとめ:AWSとGCP、それぞれの得意なことと設計思想]
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