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徹底比較! AWS vs Azure 〜30の観点から考える最適なクラウド選び〜 - Day3: コンテナサービス:AWS ECS/EKS vs Azure AKS

Last updated at Posted at 2025-08-29

Day3: コンテナサービス徹底比較:AWS ECS/EKS vs Azure AKS/ACI

皆さん、こんにちは。エンジニアのAkrです。

「徹底比較!AWS vs Azure」シリーズ、Day3へようこそ。

今回は、モダンアプリケーション開発に欠かせないコンテナサービスに焦点を当てます。マイクロサービスアーキテクチャやクラウドネイティブな開発において、コンテナ技術は重要な基盤技術となっています。

AWSではAmazon ECSAmazon EKS、Azureでは**Azure Kubernetes Service(AKS)Azure Container Instances(ACI)**が主要なサービスです。

コンテナサービスの役割と位置づけ

コンテナサービスとは

コンテナサービスは、アプリケーションとその依存関係を一つのパッケージにまとめた「コンテナ」を実行・管理するプラットフォームです。これにより以下のメリットを提供します:

  • 環境の統一性:開発・テスト・本番環境の差異を解消
  • スケーラビリティ:需要に応じた自動スケーリング
  • リソース効率:仮想マシンより軽量で高密度実行
  • マイクロサービス対応:小さな独立したサービスの管理

初心者必見:知っておきたいコンテナ用語集

コンテナサービスを理解するには、いくつかの重要な用語を知っておく必要があります。ここでは、実際のサービス選定や運用で頻出する用語を分かりやすく解説します。

基本概念

🐳 コンテナ(Container)
アプリケーションとその実行に必要なファイル(ライブラリ、設定ファイルなど)をひとまとめにしたパッケージ。「引越し用のダンボール箱」のようなもので、どこに持っていっても中身が変わらない。

📦 コンテナイメージ(Container Image)
コンテナの「設計図」や「テンプレート」。DockerHubなどに保存されており、このイメージからコンテナを作成する。

🎯 オーケストレーション(Orchestration)
複数のコンテナを協調させて動かす仕組み。「オーケストラの指揮者」のように、各コンテナに適切な役割を与えて全体を管理する。

Kubernetes関連用語

🎛️ コントロールプレーン(Control Plane)
Kubernetesクラスター全体を管理する「司令塔」。以下の重要な役割を担います:

  • どのコンテナをどこで動かすかの決定
  • 障害時の自動復旧
  • スケーリングの制御
  • APIの提供

※AWSでは有料($72/月)、Azureでは無料で提供

👷 ワーカーノード(Worker Node)
実際にコンテナが動作するサーバー(仮想マシン)。「工場の作業員」のような存在で、コントロールプレーンからの指示を受けてコンテナを実行する。

🏠 Pod(ポッド)
Kubernetesの最小実行単位。1つ以上のコンテナをまとめたグループ。通常は1つのPodに1つのコンテナが入る。

🚀 Deployment(デプロイメント)
アプリケーションの「展開設定書」。「このアプリを3個のPodで動かして、更新時は段階的に」といった指示を記述。

🔗 Service(サービス)
複数のPodに対する「入口」を提供。ロードバランサーのような役割で、外部からのアクセスを適切なPodに振り分ける。

AWS固有の用語

⚡ Fargate
「サーバーレスコンテナ」実行環境。サーバーの管理を一切せずにコンテナを実行できる。「ホテル」のようなもので、部屋(コンテナ)だけ借りて、清掃や設備管理はすべてお任せ。

📋 タスク定義(Task Definition)
ECSでコンテナの設定を記述したもの。「レシピ」のような存在で、どのイメージを使って、どれくらいのCPU・メモリで動かすかを定義。

🎯 サービス(ECS Service)
指定した数のタスクを常に動かし続ける仕組み。1つのタスクが停止しても、自動的に新しいタスクを起動して数を保つ。

Azure固有の用語

☁️ Azure Container Instances(ACI)
「必要な時だけコンテナを動かす」シンプルなサービス。オーケストレーションは不要で、単発のタスクや一時的な処理に最適。

🔄 Virtual Kubelet
AKSからACIにコンテナをバースト(一時的に拡張)できる仕組み。需要が急増した時に、追加のサーバー準備なしでコンテナを増やせる。

運用関連用語

📊 HPA(Horizontal Pod Autoscaler)
CPU使用率などに基づいて、Podの数を自動的に増減する機能。「忙しくなったら人手を増やす」ような自動化。

📈 VPA(Vertical Pod Autoscaler)
Podに割り当てるCPU・メモリを自動調整する機能。「作業量に応じて机のサイズを変える」イメージ。

🔍 Ingress(イングレス)
外部からクラスター内のサービスへのアクセスを制御する「門番」。HTTPSの終端やパスベースのルーティングを担当。

💾 PV/PVC(Persistent Volume/Persistent Volume Claim)
コンテナが削除されても残り続けるストレージ。PVが「実際の倉庫」、PVCが「倉庫の利用申請書」。

よく混同される用語の整理

用語 意味 例え
コンテナ 実行中のアプリケーション 動いているダンボール箱
イメージ コンテナの設計図 ダンボール箱の設計図
Pod コンテナのグループ 関連するダンボール箱をまとめたパレット
ノード Podが動くサーバー 倉庫(パレットが置かれる場所)
クラスター ノードの集合 倉庫群全体

これらの用語を理解しておくと、技術ドキュメントやエラーメッセージの意味が分かりやすくなり、チーム内でのコミュニケーションもスムーズになります。

各クラウドのアプローチ

AWSの戦略:選択肢の多様性

  • ECS:AWS独自のシンプルなオーケストレーション
  • EKS:マネージドKubernetes
  • Fargate:サーバーレスコンテナ実行環境

Azureの戦略:Kubernetes中心

  • AKS:マネージドKubernetes
  • ACI:シンプルなコンテナ実行
  • Service Fabric:Microsoft独自のマイクロサービス基盤

サービス詳細比較

基本的なサービス構成

サービス タイプ 特徴 最適な用途
AWS ECS 独自オーケストレーション シンプル、AWS統合 AWS中心の環境
AWS EKS マネージドKubernetes 標準Kubernetes マルチクラウド、既存K8s
Azure AKS マネージドKubernetes 無料コントロールプレーン コスト重視、MS環境
Azure ACI シンプル実行環境 サーバーレス、従量課金 単発タスク、バースト

機能・運用面の比較

項目 AWS ECS AWS EKS Azure AKS Azure ACI
学習コスト 最低
柔軟性
AWS統合 最高 - -
Azure統合 - - 最高
コミュニティ 限定的 活発 活発 限定的
移植性

実行環境の詳細

AWS Fargate:サーバーレスコンテナ

Fargateは、AWSの革新的なサーバーレスコンテナ実行環境です:

特徴

  • EC2インスタンスの管理不要
  • コンテナレベルでのリソース指定
  • 自動スケーリングとパッチ管理

対応サービス

  • ECS on Fargate
  • EKS on Fargate

料金モデル

料金 = vCPU使用料 + メモリ使用料 + ストレージ使用料
例:0.25vCPU + 0.5GB = 約$0.04956/時間

Azure Container Instances(ACI)

Azureのシンプルなコンテナ実行サービス:

特徴

  • 数秒での起動
  • 秒単位の課金
  • AKSからのバースティング対応

料金モデル

料金 = vCPU使用料 + メモリ使用料
例:1vCPU + 1GB = 約$0.0464/時間

料金体系の詳細比較

Kubernetesサービスの料金比較

コスト要素 AWS EKS Azure AKS
コントロールプレーン $0.10/時間
($72/月)
無料
ワーカーノード EC2料金 VM料金
ネットワーク 標準料金 標準料金
ストレージ EBS料金 Disk料金

年間コスト試算例

小規模環境(3ワーカーノード)

AWS EKS:
- コントロールプレーン: $72/月
- EC2 t3.medium × 3: $100/月
- 合計: $172/月($2,064/年)

Azure AKS:
- コントロールプレーン: $0/月
- VM Standard_B2s × 3: $90/月
- 合計: $90/月($1,080/年)

差額: $984/年(AKSが有利)

サービス選択の指針

AWS ECSを選ぶべきケース

シンプルなコンテナ運用を重視
AWS他サービスとの深い統合が必要
Kubernetes学習コストを避けたい
開発チームのスキルレベルが初級〜中級

具体例

  • Webアプリケーションの簡単なデプロイ
  • バッチ処理の定期実行
  • マイクロサービスの小規模運用

AWS EKSを選ぶべきケース

Kubernetesエコシステムを活用したい
マルチクラウド戦略を検討
複雑なオーケストレーションが必要
既存Kubernetesクラスターの移行

具体例

  • 大規模マイクロサービス基盤
  • AI/MLワークロードの実行
  • CI/CDパイプラインとの統合

Azure AKSを選ぶべきケース

Kubernetesでコストを抑えたい
Microsoft製品との統合が重要
Azure中心の環境
開発・テスト環境を頻繁に作成/削除

具体例

  • .NETアプリケーションのモダン化
  • Azure DevOpsとの連携
  • Active Directoryとの統合

Azure ACIを選ぶべきケース

シンプルなタスク実行
イベント駆動処理
バースト対応
サーバー管理を完全に排除したい

具体例

  • 画像変換バッチ
  • スクレイピング処理
  • CI/CDエージェント

実践的な運用比較

デプロイの複雑さ

AWS ECS(Fargate)

# タスク定義例
family: my-app
requiresCompatibilities:
  - FARGATE
cpu: 256
memory: 512
containerDefinitions:
  - name: web
    image: nginx:latest
    portMappings:
      - containerPort: 80

Kubernetes(EKS/AKS)

# デプロイメント例
apiVersion: apps/v1
kind: Deployment
metadata:
  name: nginx-deployment
spec:
  replicas: 3
  selector:
    matchLabels:
      app: nginx
  template:
    metadata:
      labels:
        app: nginx
    spec:
      containers:
      - name: nginx
        image: nginx:latest
        ports:
        - containerPort: 80

監視・運用

項目 AWS Azure
ログ管理 CloudWatch Logs Azure Monitor Logs
メトリクス CloudWatch Metrics Azure Monitor Metrics
トレーシング X-Ray Application Insights
アラート CloudWatch Alarms Azure Alerts

まとめ:戦略的な選択指針

コスト重視の選択

長期運用予定Azure AKS(コントロールプレーン無料)
従量課金重視AWS Fargate または Azure ACI

技術戦略重視の選択

AWS生態系活用AWS ECS/EKS
Microsoft生態系活用Azure AKS
ベンダーニュートラルKubernetes(EKS/AKS)

チームスキル重視の選択

Kubernetes経験ありEKS/AKS
シンプル重視ECS/ACI
学習投資可能Kubernetes系


次回予告

Day4では、サーバーレスコンピューティングに焦点を当て、AWS LambdaとAzure Functionsを詳細比較します。

イベント駆動アーキテクチャの実現手段として重要なサーバーレス技術について、実行環境、料金体系、開発体験の違いを深掘りします。


コンテナサービスの選択は、技術的な要件だけでなく、チームのスキルレベルや運用戦略も考慮して決定することが重要です。

この記事が皆さんのサービス選定の参考になれば幸いです。「いいね」と「ストック」をお願いします!

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