AWS Rekognition と Cloud Vision API の比較【2025年版】
はじめに
画像認識サービスの代表格であるAWS RekognitionとGoogle Cloud Vision APIについて、実際の開発現場で重要となる観点から徹底比較します。技術的な特徴から料金体系、実装の容易さまで、プロジェクト選定に役立つ情報をまとめました。
サービス概要
AWS Rekognition
AWSが提供するフルマネージド画像・動画分析サービス。AWSエコシステムとの高い親和性が特徴。
Google Cloud Vision API
Googleの機械学習技術を活用した画像分析サービス。高い認識精度と多機能性が強み。
機能比較
機能 | AWS Rekognition | Google Cloud Vision API |
---|---|---|
物体検出 | ✅ 80以上のカテゴリー | ✅ 1000以上のカテゴリー |
顔検出・分析 | ✅ 年齢・感情・属性 | ✅ 顔の向き・感情 |
有名人認識 | ✅ 数万人対応 | ❌ 非対応 |
テキスト検出(OCR) | ✅ 基本的なOCR | ✅ 高精度OCR |
ランドマーク認識 | ❌ 非対応 | ✅ 世界的ランドマーク |
不適切コンテンツ検出 | ✅ 4段階レベル | ✅ 5段階レベル |
動画分析 | ✅ リアルタイム対応 | ❌ 静止画のみ |
バッチ処理 | ✅ S3連携 | ❌ 単発リクエストのみ |
料金比較(2024年現在)
AWS Rekognition
- Image API: 最初の100万枚 $1.00/1000枚
- Face API: 最初の100万枚 $1.00/1000枚
- Video API: $0.10/分
- Free Tier: 月5,000枚(最初の12ヶ月)
Google Cloud Vision API
- Label Detection: $1.50/1000枚
- Face Detection: $1.50/1000枚
- OCR: $1.50/1000枚
- Safe Search: $1.50/1000枚
- Free Tier: 月1,000枚(永続)
コスト例(月10万枚処理の場合)
- AWS Rekognition: 約$100
- Google Cloud Vision: 約$150
実装例
AWS Rekognition(Python)
import boto3
# クライアント作成
rekognition = boto3.client('rekognition', region_name='us-east-1')
# S3から画像を分析
response = rekognition.detect_labels(
Image={
'S3Object': {
'Bucket': 'my-bucket',
'Name': 'image.jpg'
}
},
MaxLabels=10,
MinConfidence=80
)
for label in response['Labels']:
print(f"{label['Name']}: {label['Confidence']:.2f}%")
Google Cloud Vision API(Python)
from google.cloud import vision
# クライアント作成
client = vision.ImageAnnotatorClient()
# ローカル画像を分析
with open('image.jpg', 'rb') as image_file:
content = image_file.read()
image = vision.Image(content=content)
response = client.label_detection(image=image)
for label in response.label_annotations:
print(f"{label.description}: {label.score:.2f}")
パフォーマンス比較
処理速度(平均)
- AWS Rekognition: 200-500ms/画像
- Google Cloud Vision: 300-600ms/画像
認識精度(主観的評価)
- 物体検出: Google > AWS
- 顔認識: AWS ≈ Google
- OCR: Google > AWS
- リアルタイム処理: AWS > Google
それぞれの強み・弱み
AWS Rekognition
✅ 強み
- AWSサービスとのシームレスな連携
- 動画・ストリーミング分析の充実
- 有名人認識機能
- コストパフォーマンス
- 豊富なSDKサポート
❌ 弱み
- 物体認識の種類が限定的
- OCR精度がやや劣る
- AWS環境外での利用時の複雑さ
Google Cloud Vision API
✅ 強み
- 業界最高レベルの認識精度
- 1000以上の物体カテゴリー
- 多言語OCR対応
- シンプルなREST API
- 詳細な属性情報
❌ 弱み
- 動画分析非対応
- 料金がやや高額
- リアルタイム処理の制約
ユースケース別推奨
AWS Rekognitionが適している場面
- 既存AWS環境: S3、Lambda等との連携が必要
- 動画分析: 監視カメラ、ライブストリーム分析
- コスト重視: 大量画像の定期処理
- 有名人検出: メディア・エンタメ系アプリ
Google Cloud Vision APIが適している場面
- 高精度要求: 医療・製造業等の品質管理
- 多言語OCR: 国際的なドキュメント処理
- 研究開発: プロトタイプ・実験での利用
- 複雑な画像: 低品質・複雑なシーンの分析
導入時の考慮点
技術的考慮事項
- 既存インフラ: 使用中のクラウドプラットフォーム
- 認証方式: IAM vs サービスアカウント
- データ保存場所: プライバシー・コンプライアンス要件
- API制限: レート制限・同時接続数
運用面の考慮事項
- 学習コスト: チームのスキルレベル
- サポート体制: ドキュメント・コミュニティの充実度
- 将来性: 機能追加・アップデート頻度
まとめ
項目 | AWS Rekognition | Google Cloud Vision API |
---|---|---|
総合評価 | ⭐⭐⭐⭐ | ⭐⭐⭐⭐⭐ |
コスト | ⭐⭐⭐⭐⭐ | ⭐⭐⭐ |
精度 | ⭐⭐⭐⭐ | ⭐⭐⭐⭐⭐ |
機能性 | ⭐⭐⭐⭐ | ⭐⭐⭐⭐ |
開発効率 | ⭐⭐⭐ | ⭐⭐⭐⭐⭐ |
選択の指針
- AWS環境 + コスト重視 → AWS Rekognition
- 精度重視 + プラットフォーム非依存 → Google Cloud Vision API
どちらも優秀なサービスですが、プロジェクトの要件と既存環境を総合的に考慮して選択することが重要です。まずは無料枠での検証から始めることをお勧めします。
参考リンク