はじめに
企業の決算短信は大量の情報が詰まっており、読み解くのに時間がかかります。
本記事では NotebookLM の「音声要約(Audio Overview)」機能を使い、短時間で要点を抽出し、投資判断に役立つ視点まで含めた分析フローをご紹介します。
目次
- 背景
- NotebookLMの音声要約とは
- 手順概要
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実践:音声要約の実行
- 4.1 決算短信PDFを読み込む
- 4.2 Audio Overviewを起動
- 4.3 プロンプトを設定
- 実行結果例と解説
- まとめ
背景
- 決算短信には「売上高」「営業利益」「経常利益」「純利益」をはじめ、
事業セグメントや業績変動要因、今後の見通しなど重要情報が多い。 - 投資家・ビジネスパーソンは「定量データの解釈」と「投資価値判断」を同時に行いたい。
- 本手法では、notebook lmのAIホストに的確な指示(プロンプト)を与え、
音声要約から投資判断に必要な要素まで一気通貫で取得します。
NotebookLMの音声要約とは
- PDFやドキュメントを読み込ませると、
AIが読み上げ用の原稿を自動生成 → 音声にしてくれる機能。 - テキスト要約よりも聞き流しがしやすく、
会議や移動中のキャッチアップにも有効。 - カスタマイズ画面で「AIホストのフォーカス」を細かく指定可能。
手順概要
- 決算短信PDF(URL)をNotebookLMにアップロード
- メニューから Audio Overview → Customise を選択
- 投資家向けプロンプトを貼り付け
- 「Generate」で音声要約を作成
- 生成された要約スクリプトを確認・活用
実践:音声要約の実行
決算短信PDFを読み込む
- NotebookLMを開き、画面左の「Sources」エリアにPDFをドラッグ & ドロップ
- 「Select all sources」にチェックを入れる
- 例として以下のPDFを読み込ませています
Audio Overviewを起動
- 右上メニューから Studio → Audio Overview をクリック
- 「Deep Dive conversation」「Customize」ボタンが表示されるので Customize を選択
プロンプトを設定
以下のプロンプトを入力します。
日本語プロンプト(投資判断の視点あり)
決算短信の内容について、 売上高・営業利益・経常利益・純利益などの主要な財務指標にフォーカスし、 前年同期比の増減要因や今後の見通しを中心に解説してください。 あわせて、成長性・収益性・財務の安定性・事業の将来性といった観点から、 この会社に投資する価値があるかどうかについても触れてください。 投資家やビジネスパーソン向けの要約を意識してください。
実行結果例と解説
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要約スクリプト取得
- AIが自動生成した「読み上げ用原稿」がテキストで出力される
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音声ファイルのダウンロード
- 生成された音声を再生・ダウンロードし、社内資料やプレゼンに流用可能
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分析ポイント
- 定量分析:売上・利益の増減要因
- 定性分析:事業セグメントごとの成長ドライバー
- 投資判断:資本効率や業界ポジション、将来リスクの評価
まとめ
- NotebookLMの音声要約を使えば、膨大な決算短信を短時間で「聞き流し」ながら重要情報をキャッチアップ可能。
- プロンプトで「投資判断の軸」を明示することで、
要点+投資価値判断まで含めたレポートが一度に得られます。 - 本手法をテンプレート化しておけば、他社決算や業界レポートでも同様のフローで効率的に分析できます。
以上が NotebookLMの音声要約を使った決算短信分析法 のご紹介です。
ぜひ自社の決算分析にお役立てください!