App Store Connect の製品ページに「Supports 〇〇」として表示されるアクセシビリティラベルは、ユーザーがダウンロード前に機能対応状況を把握しやすくする重要な情報です。本記事では全9種類のラベルについて、サポート表示条件とテスト・検証方法を整理しました。

将来的には新規アプリ提出やアップデート時の必須項目となる予定です。

1. VoiceOver

項目	内容
サポート表示条件	- すべての操作要素（ボタン、アイコン、フォームコントロールなど）に適切な `accessibilityLabel` と説明を設定 - イメージには代替テキスト、装飾用画像は無視設定
テスト／検証方法	1. 各プラットフォーム（iOS・macOS・tvOS など）で VoiceOver をオンにし、タップ／スワイプ／キーボードが同等動作 2. Accessibility Inspector で `traits`／ラベルを確認

2. Voice Control

項目	内容
サポート表示条件	- “Show Numbers”／“Show Names” のコマンドで要素に番号／ラベルが表示され、音声操作が実行可能 - カスタムアクションや隠し UI もコマンド化対応
テスト／検証方法	1. 各プラットフォームで Voice Control を有効にし、「Tap <番号>」「Click <ラベル>」で動作検証 2. “Show actions for <番号>” でアクション一覧を確認

項目	内容
サポート表示条件	- システム設定または独自設定で文字サイズを最低200%以上（watchOSは140%以上）まで拡大可能 - Dynamic Type や独自フォント切り替えを実装
テスト／検証方法	1. アクセシビリティ用フォントサイズを最大（iOS:300%／watchOS:150%）に設定し、レイアウト崩れや切り捨てを確認 2. Small～XXXL 各サイズで UI をチェック

項目	内容
サポート表示条件	- システムのライト／ダークモード切り替え（`UIUserInterfaceStyle`）を即時反映 - `UIColor.system…` 系ダイナミックカラーやアセットバリアント活用
テスト／検証方法	1. システム外観を切り替えて全画面・モーダル・ポップオーバーを確認 2. テンプレートイメージ（`alwaysTemplate`）でアイコンの着色を検証

項目	内容
サポート表示条件	- 色だけに頼らず、形状／パターン／テキストラベルなど別の視覚手がかりを併用 - `accessibilityLabel` にステータス情報を含める
テスト／検証方法	1. システム設定「色だけに頼らない区別」をオンにし、色分け要素が形状／テキストでも識別可能か確認 2. チャートは凡例＋パターンで区別検証

項目	内容
サポート表示条件	- 通常テキストはコントラスト比4.5:1以上、大きなテキストは3:1以上 - アイコンなどグラフィカル要素も3:1以上を維持
テスト／検証方法	1. Accessibility Inspector のコントラスト測定機能で比率チェック 2. 「Increase Contrast」設定をオンにし、半透明やぼかしの抑制を確認

項目	内容
サポート表示条件	- システム「動きを減らす（Reduce Motion）」設定を検知し、回転／パララックス／スケーリング等を停止または代替アニメーション化
テスト／検証方法	1. 設定オン時に全アニメーション（画面遷移、カルーセル自動再生など）が停止またはフェードに置換されるか確認 2. `UIAccessibility.isReduceMotionEnabled` の活用を検証

項目	内容
サポート表示条件	- 動画（アニメーション含む）や純音声コンテンツに、主要言語＋代替言語の字幕を提供 - システム「字幕／SDH」設定に自動追従
テスト／検証方法	1. デバイス設定「字幕／SDH」をオンにし、動画プレーヤーが自動で字幕を表示するか確認 2. ゲーム内カットシーンなどでも同期字幕が動作するか検証

項目	内容
サポート表示条件	- プリレコーディング動画に、ビジュアル説明をナレーション化したオーディオトラックを同梱 - `AVPlayerItem` の descriptive トラックを選択可能に実装
テスト／検証方法	1. システム設定「オーディオ・ディスクリプション」をオンにし、動画再生時に説明トラックが切り替わるか確認 2. HLS/DASH マニフェストに `ROLE="descriptive"` が定義されているか点検

以上のチェックをパスすると、App Store Connect の製品ページで各「Supports …」ラベルを表示できるようになります。
アプリ更新ごとに再評価を行い、継続的なアクセシビリティ向上を目指しましょう！