郵便番号データと聞くと、郵便番号検索としてECサイトなどで住所入力の補助に使われる場面を思い浮かべる方が多いと思います。
郵便番号検索を実装したときにKEN_ALL.CSVを使って大変だった記憶が蘇ってくるという方も中にはいるはずです。
郵便番号地図
この記事で扱うのは、そのようないわゆる郵便番号データではありません。
郵便番号の地図、郵便番号のポリゴンといったデータの話です。
郵便番号地図はポリゴンなので、基本的には地図に表示して使うようなデータです。
QGISを使ってOpenStreetMapに郵便番号のポリゴンを重ねてみました。瀬戸内海の島々も郵便番号が細かく分かれているのが見て取れます。
郵便番号のポリゴンは郵便番号エリアデータを使用しました。
郵便番号地図を使って何ができるか?
郵便番号地図に馴染みがあるという方は少ないと思います。
そのため、まずは郵便番号地図のデータを使ってどんなことができるかユースケースを紹介していきます。
以下にあげた他にも使い方があると思います。こんなのもあるよという方はコメントいただけると嬉しいです。
ユースケース1 眺めて楽しむ
地図にポリゴンを表示して眺めるのは楽しいですね。これだけでじゅうぶん楽しめます。
ユースケース2 顧客データと紐付けて顧客の可視化を行う
顧客データに郵便番号がある場合や来店アンケートなどで収集した郵便番号がある場合にどこから来店している人が多いのか地図でグラフィカルに表示して確認することができます。
詳細な住所データがない場合や住所データはあっても整備されていない場合、郵便番号を起点に使用したい場合などに有効です。
ユースケース3 DMなどの販売促進施策のレスポンス分析
DMやタウンプラスなどで販促を行い、その結果の分析や更なる販促施策の立案などを行うことができます。
ユースケース4 Web広告のエリア選定
Web広告によっては郵便番号を指定して広告を配信することが可能です。
郵便番号地図データを使用することで、広告配信希望者が地図を見ながらインタラクティブに配信エリアを指定することができます。
ユースケース5 人口や世帯、年収データなどを絡めて
上記ユースケースでは主に郵便番号地図のポリゴンを使う例を紹介してきました。
ポリゴンデータだけではなく郵便番号ごとの人口や世帯、年収などのデータを組み合わせて使用することもできます。
こういったデータと合わせて使用することで、ただ地図で見るだけではない分析が可能になります。
こちらは世帯年収400~500万円の世帯数比率に応じて郵便番号エリアを色塗りした例です。
郵便番号地図の入手方法
郵便番号地図はKEN_ALL.CSVと違ってパブリックなデータではありません。
地図データを扱っている会社から購入するか、こちらのサイトで公開されている上5桁の郵便番号のポリゴンデータをダウンロードするなどして入手できます。
郵便番号地図の形式
- シェープファイル
- GeoJSON
- ベクトルタイル
などの形式のファイルだったりWeb APIで取得することになると思います。
最後に
アクセスマップ以外に地図を使ったプロダクトの企画や開発をするケースはそんなに多くないですし、さらに郵便番号地図が必要になるようなケースも少ないと思います。
万が一、要件を満たすのに郵便番号地図が必要な場合にこの記事を思い出していただければ幸いです。