LBMA Japan Advent Calender 2021 の記事です。
最近、ジオ広告配信管理プラットフォームのプロトタイプを作ってみたのでそちらを紹介したいと思います。
作ってみたといっても私が実際に作ったのではなく別のチームが作ったのですが、この機会に代わりに紹介させていただきます。
プロトタイプでやってみたことを紹介していきますので具体的なコード例は出てきません。
はじめに
ジオ広告について
タイトルではジオ広告と書きましたが、ジオターゲティング広告といいます。
スマートフォンの位置情報(デバイスロケーション情報)をもとに、スマホのアプリ面に広告を配信するサービスです。
ユーザーの実際の行動に基づいたターゲティングができるため、特定地域でのマーケティング施策・プロモーションに向いています。
また、新聞折込みやポスティング、DMといった紙媒体の補完として注目されています。
課題と経緯
地図を使ったジオ広告配信管理プラットフォームのプロトタイプを作ってみた経緯を説明します。
大手のポスティング事業者では自社のウェブサイトで発注者が自身で地図を使って配布エリアの作成および発注を行うシステムが登場してきました。
マップマーケティングでは、従来のポスティングのような紙媒体に加えてスマートフォン向けのジオターゲティング広告に関しても同様な仕組みが作れないかと考え、広告代理店の方が地図上で広告配信地域の特性や属性に加えて、広告在庫や表示回数、配信金額を確認しながら広告の計画を行うシステムを構想していました。
やってみたこと
実際に以下の機能を持つWebアプリケーションを作ってみました。
- 配信エリアを地図に表示して可視化
- 郵便番号エリアを使った広告配信エリアの作成
- 町丁目を使った広告配信エリアの作成
- 表示回数や配信金額などをタイムリーに表示
郵便番号エリアを使った広告配信エリアの作成
ジオ広告の配信事業者様で郵便番号エリア単位で広告を配信しているケースを想定しました。
顧客の来店頻度の高いエリアに向けてリピートを促す広告を配信したり、顧客が少ないエリアへの新規顧客獲得を目的とした広告を配信したりするなどが考えられます。
笹塚周辺で半径1kmを指定して郵便番号のエリアを表示した例です。
郵便番号のエリアのポリゴンはTerraMap APIから取得したものを使用しています。
町丁目を使った広告配信エリアの作成
ジオ広告の配信事業者様で町丁目単位で広告を配信しているケースを想定しました。
町丁目とは〇〇1丁目や〇〇2丁目といった行政の区画のことです。
笹塚周辺で半径1kmを指定して町丁目を表示した例です。
町丁目のポリゴンはTerraMap APIから取得したものを使用しています。
TerraMap APIについて
とつぜんTerraMap APIというワードが出てきましたが、ご存知ない方がほとんどだと思いますので、簡単に紹介します。
TerraMap APIは、エリアマーケティングデータ(統計データ、ポリゴン、住所)を自社で用意せずに自社システムに組み込みたい方向けの地図システム開発支援Web APIです。
町丁目や郵便番号エリアなどのデータを使用できて、さらにそれらのデータが毎年更新されることが特徴です。
TerraMap APIで取得したポリゴンや統計データ、住所を使うことで、地図にポリゴンを描いたり、 地図を使った統計データの見える化やエリアに特化した分析ができます。
TerraMap API
表示回数や配信金額などをタイムリーに表示
ジオ広告の配信事業者様の広告在庫データとエリアを紐付けることで端末数や広告の表示回数などを表示し、広告を配信したいエリアを判断することができます。
広告在庫データはダミーを用意しました。
人口や世帯数などのデータも表示することで、さらに最適な配信エリアを見つけることができます。
おわりに
エリアのポリゴンに加えて広告表示回数や料金などを地図上に表示することで、ユーザーにとってどこにどれくらい広告が表示されるのかがわかりやすくなります。
ジオ広告配信管理プラットフォームのプロトタイプとして作ってみましたが、課題と経緯にもあるように、ジオターゲティング広告以外にもポスティングをはじめとした特定のエリアを対象とした広告プラットフォームとしても使用することができます。