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イロレーティングについての雑記

Last updated at Posted at 2019-08-29

対戦ゲームにおけるプレイヤーの強さを測る方法「イロレーティング」に関する雑記です

続き→ イロレーティングにおける分布関数の選択

賭博だと見なせる

レート1900のアリスとレート1700のボブが対決すると、レート差200なのでアリスの勝率は75%。K=10とすると、アリスが勝てばレートが2.5上がってボブのレートが2.5下がる。ボブが勝てばレートが7.5上がってアリスのレートが7.5下がる。この現象を理解する同等の記述はこう:

勝負前にアリスは参加費7.5 を、ボブは参加費2.5 を払う。すると合計10の懸賞金になる。勝負に勝った方がこの10(=K)を獲得できる。

この描像は英語版の wikipedia からの着想:

each game the player can be said to have put an ante of K times their expected score for the game into a pot, the opposing player does likewise, and the winner collects the full pot of value K

分布を探せ

前章の描像を使うと「懸賞金の分担をレートに基づいてどう公平に決めるか?」という課題がある(注:答えを前借りして値を提示したけど・・)。公平さは期待値計算をすればよいだけで、また、レートそのものは前節の方法で統計的に収束するので、上記の課題は「レートから勝率をどう算出すべきなのか?」に帰着する。要は 二人のレートを入力として片方の勝率を出す関数を知りたい。より正確には、(レートの補正が足し算/引き算なので)レート差を入力として勝率を出すような関数=分布が知りたい。

Eloの提唱では正規分布を仮定したが、これは仮定に過ぎず、具体的な関数形は 対象となる対戦ゲームの特性に依存する。したがって実際にEloレーティングシステムを運用してその妥当性を判断するしかない。実際チェスでは正規分布よりもロジスティック分布の方がより良い説明を与えるとされる。英語版Wikipediaより引用:

The first mathematical concern addressed by the USCF was the use of the normal distribution. They found that this did not accurately represent the actual results achieved, particularly by the lower rated players. Instead they switched to a logistic distribution model, which the USCF found provided a better fit for the actual results achieved.

正規分布にせよロジスティック分布にせよ、パラメトリックな分布関数を仮定すれば「レートが200離れてたら勝率は0.75で、平均プレイヤーはレート1500」などの境界条件(≒仕様)を定めれば分布関数は一意にきまるので、厳密な数式でレートやレートの変化を記述できる。

将棋の本質をEloで測れるか?

分布関数が「対象となる対戦ゲーム」によって特徴づけられているとするならば、逆の見方をすれば、チェス・将棋・テニス・相撲などなどにおける分布関数の違いを見出すことができるならば、それは対戦ゲームにおける将棋の特徴づけの一つになりうるのではないだろうか?直観的には将棋は2人ポーカーよりも運の要素が少ないので分布関数の尖度が大きくなるのでは?など。

参考文献

自分なりの理解です。Wikipediaの 日本語版英語版碁のレーティング は読みました。実際のレーティングとして 棋士ランキング将棋棋士レーティングランキング を見ました。

さいごに

コメント・アドバイス等歓迎です。

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