表題のとおり単純なことなのですが、CloudFormation 初心者が一般的なプログラム言語の感覚で使うと、細かいところで引っ掛かりがちでした。以下はその中の1つです。
変更前
スタック内で定義したパラメータを Sub 関数で結合して、Name プロパティに設定していました。
www.${Environment}.${DnsDomain}
は「www.dev.mydomain.com」のようになります。
Parameters:
Environment:
Type: String
DnsDomain:
Type: String
Resources:
DnsRecordSet1:
Type: AWS::Route53::RecordSet
Properties:
Name: !Sub www.${Environment}.${DnsDomain}
変更後
Environment と DnsDomain の定義を他のスタックに移動したので、ImportValue で取得することにしました。公式のサンプルと同様に、インポートするための共有名も Sub 関数でパラメータと結合して作っています。
-
${Environment}
→{'Fn::ImportValue': !Sub '${PjCode}-environment'}
-
${DnsDomain}
→{'Fn::ImportValue': !Sub '${PjCode}-dns-domain'}
参考: 公式ドキュメント「 組み込み関数リファレンス » Fn::ImportValue」
不正解
以下のようにパラメータと置き換えただけでは使えません。
Properties:
Name: !Sub www.{'Fn::ImportValue': !Sub '${PjCode}-environment'}.{'Fn::ImportValue': !Sub '${PjCode}-dns-domain'}
公式ドキュメントを読む
公式ドキュメントの「組み込み関数リファレンス » Fn::Sub」を見ると、実行時に取得する値(以下の Var1Value、Var2Value )を Sub 関数のパラメータに含むことができると書かれています。
!Sub
- String
- { Var1Name: Var1Value, Var2Name: Var2Value }
String
には、実行時に取得する値と置き換えるプレースホルダを "${VarName}" のように置くことができます。
以下の関数がサポートされていると書かれているので、ImportValue は問題なく使えます。
Fn::Base64
Fn::FindInMap
Fn::GetAtt
Fn::GetAZs
Fn::If
Fn::ImportValue
Fn::Join
Fn::Select
Ref
正解
こうなります
Properties:
Name: !Sub
- www.${Environment}.${DnsDomain}
- Environment: {'Fn::ImportValue': !Sub '${PjCode}-environment'}
DnsDomain: {'Fn::ImportValue': !Sub '${PjCode}-dns-domain'}
!Sub
に続く配列の最初の要素は、プレースホルダを含むテンプレートです。配列の 2 番目の要素は辞書で、プレースホルダと置き換える「キー: 値」の組を必要なだけ格納します。
うっかり「DnsDomain」の前にも「-」を付けてしまうと、「DnsDomain」が配列の 3 番目の要素になってしまうので不正解になります。
Properties:
Name: !Sub
- www.${Environment}.${DnsDomain}
- Environment: {'Fn::ImportValue': !Sub '${PjCode}-environment'}
- DnsDomain: {'Fn::ImportValue': !Sub '${PjCode}-dns-domain'}
より複雑な例 (CloudWatch Dashboard)
プレースホルダを含むテンプレート文字列が複数行になったり、スタック内で定義した Parameters や Mappings から FindInMap 関数で取り出した値を使用する場合も、考え方は同じです。
以下の例では、他のスタックで構成した 2 つの EC2 インスタンスのメモリ使用率を折れ線グラフで表示するダッシュボードを構成します。
インスタンス ID は別のスタックで生成された値をインポートしますが、インスタンスタイプ("t2.micro" など)はスタック内の Parameters で、イメージ (AMI) ID はスタック内の Mappings から、現在のリージョンに対応する値を取り出すことにします。
AWSTemplateFormatVersion: '2010-09-09'
Parameters:
PjCode:
Type: String
Ec2InstanceType1:
Type: String
Ec2InstanceType2:
Type: String
Mappings:
Resion2Ami:
ap-northeast-1:
hvm: ami-00d101850e971728d
Resources:
CloudWatchDashboard:
Type: "AWS::CloudWatch::Dashboard"
Properties:
DashboardName: !Sub '${PjCode}-dashboard'
DashboardBody: !Sub
- |
{
"widgets": [
{
"type": "metric",
"x": 0,
"y": 0,
"width": 6,
"height": 6,
"properties": {
"view": "timeSeries",
"stacked": false,
"metrics": [
[
"CWAgent",
"mem_used_percent",
"InstanceId",
"${Ec2Instance1}",
"ImageId",
"${Ec2ImageId}",
"InstanceType",
"${Ec2InstanceType1}"
],
[
"...",
"${Ec2Instance2}",
".",
"${Ec2ImageId}",
".",
"${Ec2InstanceType2}"
]
],
"region": "${AWS::Region}"
}
}
]
}
- Ec2Instance1: {'Fn::ImportValue': !Sub '${PjCode}-ec2-1'}
Ec2Instance2: {'Fn::ImportValue': !Sub '${PjCode}-ec2-2'}
Ec2ImageId: !FindInMap [ Resion2Ami, !Ref "AWS::Region", hvm ]
- スタック内で定義した Parameters 値は、単純にテンプレート内に
${Ec2InstanceType1}
のように埋め込みます - ImportValue して Sub 関数で結合した値は、上の例と同様に配列の2番目の要素内にハッシュで定義します
- Mapping から FindInMap 関数で取り出した値も同様です
参考: amazon cloudformation - Using Fn::ImportValue in Dashboard Cloudwatch - Stack Overflow