■記事内容
電験3種を受験、合格したので今後受ける人へのアドバイス用にまとめておく。
〇前提
・会場筆記試験
・2024現在の年2回(上期、下期)受験
・最近ネット上で推奨されている過去問まんま覚えるのではなく、あくまで正攻法の学習を前提としてる。
〇テキスト
・テキスト: 進捗が把握しやすい科目個別のもの。(これだけシリーズ、完全マスターシリーズなど)
・過去問: 電気書院『過去問マスタ 理論の20年分』のシリーズ(単元ごとに問題をまとめてあるので)
■スケジュール
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上期『理論』『電力』
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※5月の申し込みから開始していては充分な学習ができないおそれ
① 1~3月 理論を単元ごとに、テキスト → 過去問の順に学ぶ。(1日あたり1~2時間目安)
② 4~6月 電力も同様に単元ごとに、テキスト → 過去問の順に学ぶ。
③ 7月 過去問をそれぞれ反復。このとき、正解不正解関係なく理解できていない箇所をピックアップ。それぞれ1単元まで捨てる。
④ 8月 過去問をもう1度反復。論説で覚えられない箇所やどうしても無理な問題は付箋をしておき、直前の悪あがきの時間に見返す。
⑤ 試験日 問題を持って帰れるので、マークシートに解答した番号はメモしておく。
⑥ 試験後 次の日に解答が出るので、通知が来る前にすぐに自己採点。数週間も通知を待つと次回への時間ロスになる。
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下期『機械』『法規』
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※上期で理論、電力に合格した前提
⑦ 8~10月(上期試験後すぐ) 機械の学習を単元ごとに、テキスト → 過去問の順に学ぶ。
⑧ 11~12月 法規の学習。法規はテキストをあまり使わず、過去問の反復でパタン認識的に覚える。
⑨ 1~2月 過去問をそれぞれ反復し続ける。それぞれ苦手箇所をピックアップしながら行う。
⑩ 3月 苦手箇所を中心に過去問を反復する。論説で覚えられない箇所やどうしても無理な問題は付箋をしておき、直前の悪あがきの時間に見返す。
⑪ 試験日 直前まで過去問の付箋箇所を見返しておく。
■学習全般
・「1日何ページ」と決めるのは浅はか。理解しているかが大事なので、余裕を持ってスケジュールを立てていく。
ただ、スケジュール管理は必要なので、1週間で1単元として3~10日でブレながら進んでいくとか、そんな感じが理想。
・自分自身が理解できているかを把握すること。その手段が問題を解くこと。
なので、テキストの単元ごとに対応する過去問を一通り解くのを推奨。最初は解けなくてもよい。
・A問題とB問題があり、本番では7割がA問題。なので、過去問の難しいB問題は飛ばしてもよい。(本番までには人取りやるべき)
■理論の学習Tips
・直流回路でテブナンは難しいので、シンプルな重ね合わせがよい。(計算量は増えるが)
・交流回路は他の科目を考えると一番大切なので最も重視する。
・三相は線間と相の違いが面倒なら、相電圧、相電流に揃えて考えるところから始める。
・静電気や磁気はその方向などを都度作図し、誤魔化さずにやると理解できる。
■電力の学習Tips
・発電所や電線路は画像を検索しながら、イメージと共に覚えることを推奨する。また、近くの変電所や鉄塔などを眺めて学んだものを比較してもいい。少しでも親近感のようなものを感じること。
・計算はエネルギーに関わるものなので、難しくないが単位の揃え方は自分の中で統一したやり方にするとよい。
・パーセントインピーダンスは導出過程も意識して、しっかり理解しておくと機械や法規につながる。
■機械の学習Tips
・等価回路図やベクトル図は都度作図しながら解く。公式暗記では、理論でせっかく回路の解き方を身に着けたので、それを活かす。
・機械4機(直流機、誘導機、同期機、変圧器)と呼ばれる単元を重視する。この4機は似ているので内容がゴチャると収拾が付かなくなる。なので、電機子反作用などの論説系の丁寧に理解しながらやりすぎなくらいで進める。
・その他(照明や加熱等)は比較的簡単な傾向だが、馴染みのないものは時間をかけなければならない。難易度の差はこれらの単元への予備知識で変わってくる。
■法規の学習Tips
・B問題は電力に近い内容なので、電力を正しく学んでいれば難しくはない。計算が面倒なものも多いが。
・条文を読むのは普通の人は覚えられない。論説はパターン認識で解けるようにしていくしかない。同じ問題を時間を空けずに反復することを心掛ける。
過去問の単元ごとに反復がベストか。
・論説は電気知識が正しく身についていると、選択肢を絞り込みやすい。なので、最後に行うのが適している科目と考える。
■おすすめすること
気持ちの持ち方について、勉強時におすすめすること。
同時受験して惨敗した人を見て思ったことを、今後の自戒の意味を込めて。
その1)挑戦者の気持ちで
年齢を重ねて立場が上がると、自身過剰になりがち。
特に、後出しじゃんけんばかりして無難に生きているのがモットーな人ほど危険。
その2)自分が理解できているか?を問うこと
自分が内容を理解できたかを把握すれば自ずとゴールに進むことができる。
理解できたかは問題を解けるか? 間違えたのなら解説を読め分かる。
その3)いいわけをしない
自分のことは自分がよく分かっている。それを客観視して自制すること。
自分への怒りに嘘をつくことは“逃げる”という行動に繋がってしまう。
『範囲が広い』『勉強時間が無かった』などの言い訳でなく、次は『早めに準備しよう』『自分の実力を踏まえて1科目ずつ受験しよう』など、次に向かった反省をするべき。