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[新人プログラマ向け]易しさを求める人のためのSQL解説

Last updated at Posted at 2021-04-11

はじめに

まずはじめに、あなたは、SQL得意ですか??
いいえと答えたあなたは、ぜひこのまま読み進めてください。確実に力になれるはずです。
自分も入社後につまづいたことの一つにSQLがあります。生のSQLを触らなくても、Railsの開発中にSQLの知識が乏しいためにつまづいた。。なんてこともあります。
エンジニアにおいて、SQLの基礎知識は必須のものだと思うので、皆さんの力になれると幸いです!
paiza.IOというサイトですぐにSQLを書けるので、試しながら記事を閲覧するのもいいかもしれないです!

SQLとは

RDBMS(リレーショナルデータベースマネジメントシステム)をコントロールするための言語のことです。
その中でも、どのRDBMSにも使える標準SQLと、RDBMSごと特有のSQLがあります。

特徴

SQLでは、主に以下のことが可能です。

  • データ操作
    • 表のデータの登録・修正・削除・検索、複数の表の結合など
  • データ定義
    • データベースのデータ構造の定義など
  • データ制御
    • データベースへのアクセス制御など

SELECT文

基本形

テーブルからデータを抽出、取得するために用いる命令文のこと。


# SELECT​ カラム名 ​FROM​ テーブル名;

SELECT name FROM users;
#=> usersテーブルから、nameカラムを取得

WHERE

特定の条件を満たすレコード(行)のみを取得する命令文のこと。


# SELECT​ カラム名 ​FROM​ テーブル名 ​WHERE ​条件式;

SELECT name FROM users WHERE age >= 20;
#=> usersテーブルから、年齢が20歳以上のnameカラムを取得

SELECT name FROM users WHERE age >= 20 AND id <= 10;
#=> usersテーブルから、年齢が20歳以上かつidが10以下のnameカラムを取得

SELECT name FROM users WHERE age >= 20 OR id <= 10;
#=> usersテーブルから、年齢が20歳以上、またはidが10以下のnameカラムを取得

COUNT

レコードの数を数えて表示する命令文のこと。


SELECT ​​COUNT(*) FROM テーブル名;

SELECT ​​COUNT(*) FROM users WHERE age >= 50;
#=> usersテーブルの50歳以上の人数を取得

SELECT ​​COUNT(*) AS '高齢者' FROM users WHERE age >= 65;
#=> usersテーブルの65歳以上の人数を「高齢者」という名前で取得

ORDER BY

並べ替えて表示させたい場合に用いる命令文のこと。
※デフォルトでは昇順(小さいものから大きいものの順)で取得される


# SELECT​ カラム名 ​FROM​ テーブル名 ​ORDER ​​BY​ 並べ替えの基準となるカラム名;

SELECT name, age FROM users ORDER ​​BY age DESC;
#=> usersテーブルの名前と年齢を年齢の高い順に取得

GROUP BY

テーブルをいくつかのグループに切り分けて扱う命令文のこと。
※集約キー...テーブルをどのように切り分けるかを指定するカラム


# SELECT​ カラム名 ​FROM​ テーブル名 ​GROUP ​​BY​ 集約キー;

SELECT category_id, COUNT(*) FROM products GROUP ​​BY category_id;
#=> カテゴリ(​category_id)ごとの商品数をカウント

SELECT category_id, COUNT(*) FROM products WHERE price <= 1000 ​​GROUP ​​BY category_id;
#=> 値段が1000円以下の商品の中でカテゴリごとにグループ分けして商品数をカウント

HAVING

グループ化したテーブルに対して条件を指定する命令文のこと。


# SELECT ​カラム名 ​FROM ​テーブル名 GROUP ​​BY ​集約キー ​HAVING​ グループの値に対する条件式;

SELECT category_id, COUNT(*) ​​FROM products GROUP ​​BY category_id HAVING​​ COUNT(*) = 2;
#=> カテゴリごとの商品数をカウントして、2個だったカテゴリだけを取得

JOIN

複数テーブルの結合を行う命令文のこと。
JOINにはいくつかの種類があります。

INNER JOIN

指定した関連性のある要素を軸にして、組み合わせてくれる命令文のこと。


# SELECT​ カラム名 ​FROM​ テーブル名​1 INNER​​ JOIN ​テーブル名​2 ​​ON​ 結合の条件;

SELECT * FROM products INNER ​​JOIN categories ON categories.id = products.category_id;
#=> productsテーブルのcategory_idとcategoriesテーブルのidを紐づけて結合

OUTER JOIN

内部結合 + αの情報を表示する命令文のこと。
「LEFT OUTER JOIN」「RIGHT OUTER JOIN」「FULL OUTER JOIN」という3種類があります。

LEFT OUTER JOIN

LEFTとは左側、つまりFROMで指定した側のテーブルを指します。このテーブル側を軸に情報を表示する命令文のこと。


# SELECT​ カラム名 ​FROM​ テーブル名​1 LEFT OUTER JOIN ​テーブル名​2 ​​ON​ 結合条件;

SELECT * FROM team LEFT OUTER JOIN users ON team.team_id = users.team_id;
#=> teamテーブルのteam_idとusersテーブルのteam_idを紐づけて結合

RIGHT OUTER JOIN

右側の表の内容をすべて抽出し,左側の表の内容は左側の表の内容と一致するもののみ抽出する命令文のこと。


# SELECT カラム名 FROM テーブル名1 RIGHT OUTER JOIN テーブル名2 ON 結合条件;

SELECT * FROM team RIGHT OUTER JOIN users ON team.team_id = users.team_id;
#=> teamテーブルのteam_idとusersテーブルのteam_idを紐づけて結合

FULL OUTER JOIN

2つのテーブルそれぞれに一致しないレコードも抽出結果に含めて抽出する命令文のこと。


# SELECT カラム名 FROM テーブル名1 FULL OUTER JOIN テーブル名2 ON 結合条件;

SELECT * FROM team FULL OUTER JOIN users ON team.team_id = users.team_id;
#=> teamテーブルのteam_idとusersテーブルのteam_idを紐づけて結合

LIKE

文字列の​部分一致検索をする命令文のこと。


SELECT ​​name, price FROM products WHERE​​ name ​​LIKE​​ '%シャツ';
#=> 「シャツ」を含む名前の値段を取得する

BETWEEN

範囲検索​(上限と下限の値を設定した検索)を行う命令文のこと。


SELECT​​ name, price FROM products WHERE price BETWEEN ​​500 ​​AND ​​2000;
#=> 値段が500円から2000円までの商品名を取得

IN

ORで複数の条件式をつなぐ必要がある場合にすっきりと書くことが可能。


SELECT​​ name, price FROM products WHERE price IN(1000, 2000, 3000);
#=> 値段が100円、2300円、9800円の商品の名前と値段を取得

SELECT​​ name, price FROM products WHERE price NOT IN(​​1000, 2000, 3000);
#=> 値段が100円、2300円、9800円の商品以外の名前と値段を取得

ビュー

よく使う​SELECT文を保存​して、使い回すことのできる機能のこと。
ビューは一度書いたら削除するまで保存されます。
データ容量を節約できたり、データベースの変更に強いことが特徴です。
※ビューの定義には​ORDER BYを使うことはできない​ので注意が必要。


# CREATE​​ VIEW​ ビュー名 (カラム名​1​, カラム名​2​, ...) AS SELECT​文;

# ビューの定義部分
CREATE ​​VIEW ProductCount (category, product_count) AS SELECT​​ category, COUNT(*) FROM products GROUP ​​BY​​ category;
# ビューを参照
SELECT ​​category, product_count FROM ProductCount;

ビューを削除する際は以下のようにする。


# DROP ​​VIEW ​ビュー名;

DROP​​ VIEW ProductCount;

サブクエリ

ビュー定義のSELECT文を、FROM句に直接書き込んだもの。


SELECT ​​category, product_count FROM (SELECT​​ category, COUNT(*) FROM products GROUP ​​BY​​ category) AS ProductCount;

スカラサブクエリ

取得する値が単一の値になるサブクエリのこと。スカラ値を記入できる箇所ならどこでも​スカラサブクエリを書くことが出来ます。


SELECT ​​name, price FROM products WHERE price >= (SELECT​​ AVG(price) FROM products);
#=> 値段の平均値よりも高い商品名と値段を表示

CASE

条件分岐を記述する命令文のこと。CASE式には単​純CASE式​と​検索CASE式​がある。

 
# CASE WHEN​ 条件式 ​THEN​ 値(式)
#      ​WHEN​ 条件式 ​THEN​ 値(式)
#      ELSE 値(式)
#      END

SELECT name,
CASE​​ WHEN price >= 3000 ​​THEN price * 0.7
     WHEN price >= 1000 ​​THEN price * 0.6
     ELSE price 
     END AS ​​'セール価格"'
FROM products;
#=> セール価格を表示(1000円以上は4割引き、3000円以上は3割引き)

INSERT文

基本形

テーブルにレコードを追加するのに用いる命令文のこと。
※指定しなかったカラムにはNULLが入ります。


# INSERT ​​INTO​ テーブル名(カラム名​1​, カラム名​2​, ...) VALUES​(値​1​, 値​2​, ...);

INSERT​​ INTO users(id, name, age) VALUES(11, "吉田", 23​​);
#=> usersテーブルにid=11、name='吉田'、age=23のレコードを追加

UPDATE文

テーブル中にあるデータの値を更新する命令文のこと。


# UPDATE​ テーブル名 ​SET​ カラムと値の指定;

UPDATE users SET age = 25 ​​WHERE ​​id= 1;
#=> idが1のユーザーの年齢を25に更新

DELETE文

テーブル中にあるレコードを削除する命令文のこと。


# DELETE ​​FROM​ テーブル名;

DELETE ​​FROM users WHERE​​ id= 10;
#=> idが10のユーザーを削除

まとめ(注意点)

  • 命令文の終わりには ; (セミコロン)を忘れずにつけること
  • 単語の間は半角スペースか改行で区切ること
  • 命令文は慣例的に大文字で記述すること
  • 文字列や日付を書く際には​シングル(ダブル)クォーテーション​で囲うこと
  • WHEREの後に条件式を複数個書く場合はANDやORでつなげること
  • SELECT句には、「定数」「集約キー」「集約関数」のいずれかしか書くことが出来ない
  • HAVING句には、「定数」「集約キー」「集約関数」のいずれかしか書くことが出来ない
  • BETWEENを使うと上限と下限の値が含まれることに気を付ける
  • よく使うSELECT文はビューとして定義しておく
  • サブクエリの後ろには、必ず「​AS​ サブクエリ名​」と別名をつけること
  • サブクエリは内側から順番に実行されていく
  • SELECT → FROM → JOIN → WHERE → GROUP BY → HAVING → ORDER BYの順でSQL文を書く

終わりに

ここまでいろいろなSQLの知識を紹介してきましたが、あくまで基礎知識です。
ここからさらに発展的な使い方などもあるので、基礎を押さえた人は挑戦してみましょう!

参考知識

比較演算子


# aがbより大きい
a > b

# bがaより大きい
a < b

# aはb以上
a >= b

# bはa以上
a <= b

# aとbは等しい
a = b

# aとbは等しくない
a <> b

集約関数


# SUM(合計を求めるカラム名)
SELECT ​​SUM(age) FROM users WHERE age >= 50;
#=> usersテーブルの年齢が50以上の数の合計を取得

# AVG(平均値を求めるカラム名)
SELECT ​​AGE(age) FROM users WHERE age >= 50;
#=> usersテーブルの年齢が50以上の平均を取得

# MAX(最大値を求めるカラム名)
SELECT ​​MAX(age) FROM users WHERE age >= 50;
#=> usersテーブルの年齢が50以上の最大値を取得

# MIN(最小値を求めるカラム名)
SELECT ​​MIN(age) FROM users WHERE age >= 50;
#=> usersテーブルの年齢が50以上の最小値を取得

部分一致


# 前方一致​...文字列の​最初​に指定した文字が含まれている
<検索する文字>%

# 中間一致​...文字列の​どこか​に指定した文字が含まれている
%<検索する文字>%

# 後方一致​...文字列の​末尾​に指定した文字が含まれている
%<検索する文字>
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