前回のお話
TrueNASのインストールを終えて固定IPをアサインしたところまで。
SW Version: TrueNAS-12.0-U8
HW: ヒューレット・パッカード ProLiant MicroServer N54L
参考URL(Youtube)
https://www.youtube.com/watch?v=iMHa35fA_9k
手順
①最初にPOOLを作る
②作ったPOOLの下にTimeMachine用のデータセットを作る
③ユーザのGROUPを1つ作成(home)
④TimeMachineでバックアップするユーザのアカウントを作る
⑤データセットTimeMachineの下に④で作ったユーザ用のデータセットを作る
⑥Sambaサービスの起動
⑦Sharing(共有)の作成と設定
⑧各Mac用データセットのパーミッションの設定
⑨Time Machineからの確認
①最初にPOOLを作る
まっさらの状態のTrueNASでは最初にPOOLを作る必要があります。
Storage Poolというのは仮想デバイスVDEVで構成されたデータ格納領域で、VDEVを構成する物理デバイス(例えばHDD)の種類や個数によってできることがいろいろ選べるようです。
上の図の例ですと、USBポートに刺さったHDD1つしかないのでStripeというオプションしかありませんが、2つHDDを選んでVDEVを構成すると、Mirrorという方式をとることができます。
メニューバーのStorage→Poolsの画面でAddボタンを押して、名前を決めて(「Pool0」にした)物理ディスクを選択(「ada1」と「ada2」の2つのディスクを選択)
「Stripeはやめた方がいい」というメッセージが出てくるのでMirrorを選択しました。
②作ったPOOLの下にTimeMachine用のデータセットを作る
今度はできたPool0の行の一番右にある・・・をクリックして出てきたメニューの中から「Add Dataset」を選択、その下にデータセットをTimemachineとして作ります
③ユーザグループを作成
Menu -> Accounts -> Groups
「home」というユーザグループを作りました。(画面ではhome2になっています)
④TimeMachineでバックアップするユーザのアカウントを作る
Menu -> Accounts -> Users
各マックPCユーザごとにユーザアカウントを作成します。
Directory and PermissionsのところはまだDirectoryがないのでそのままですが、とくに問題はないみたいです。
⑤データセットTimeMachineの下に④で作ったユーザ用のデータセットを作る
作り方は②と同じです。
名前は④で作ったユーザアカウントと同じにしておくとわかりやすいかもしれません。
それ以外はデフォルトでよいのですが、最後のShare TypeはSMBに変更します。
⑥Sambaサービスの起動
Services
次にメニューのServicesからSambaのサービスを起動します。
AppleはMac OS 11 Big SurですでにTimemachineをAFPからSambaに移行しているのでAFPサービスは起動する必要ないですね。自動スタートのチェックボックスがONになっていることも確認。
編集するために鉛筆アイコンをクリックして、さらにAdvance Optionを開き、「Enable Apple SMB2/3 Protocol Extention」がONになっていることを確認。
⑦Sharing(共有)の作成と設定
Sharing -> SMB
PathはすでにDatasetで作成した場所を指定します。
Purposeは初期値は「Default Share Parameters」ですが、これを「No Presets」に変更して、以下の2つのオプションをセットします。
「Time Machine」と「Use Apple-style Charactar Encoding」をONにします。
Saveを押すとSMBサービスをリスタートしてよいか?と聞かれてYESでOK.
⑧QuotaとPermissionを設定
さて、このままだと、各MacのTime Machineが使ってよいディスクに制限がないので、すべての容量を使い切ってしまう恐れがあります。これを制限するために各Mac用のデータセットにQuotaをセットすることができます。
Storage -> Pools -> Edit Dataset
Advance Optionの中にある「Quota for dataset」に上限値をセットします。(例では100GiB)
Storage -> Pools -> Edit ACL
今度は各Mac用に作ったDatasetのアクセス権を設置します。
Storage -> Pools -> Edit ACL
Userを選んで「Apply User」のチェックボックスをONにします。
その後、「SELECT AN ACL PRESET」ボタンを押して、現れたダイアログボックスの中で「Default ACL Options」をプルダウンメニューから「RISTRICTED」を選択してCONTINUEボタンを押します。
その後、元の画面に戻ったらOwner@のアクセス権(Permissions)がFull Controlになっていることを確認して、「SAVE」ボタンを押します。
これですべての設定は終わりました。
Macのファインダーから
ネットワーク -> TrueNASのサーバ -> 自分の共有フォルター
が見えれば、ただしく設定できているということになります。(書き込みができるかも試してみましょう)
⑨Time Machineからの確認
Macの設定でTime Machineの項目に入ってTrueNASの共有フォルダがディスクとして選択できれば完成です。
最後に
結構ステップが多くて、YouTubeのガイドに従って設定できたとしても、自分でもう一度できるかと???なので備忘録として記録しておく価値はあるなと思いました。ただ、一旦設定してしまえば勝手にバックアップしてくれるだけでなく、昔のファイルや以前のバージョンにアクセスできるので便利ですね。
まだTrueNAS Coreにアップグレードして5日ですが、安定して稼働しているように見えます。
エラーが出ても5インチHDDを入れ替えながらミラーリングで運用すれば、10年前の古いサーバーの活用方法としてはかなり実用的な部類なのではと思います。
おしまい