概要
日本ディープラーニング協会主催 もくもく会 #1にメンターとして参加した中で、G検定取得者として共有できたノウハウをQiita記事としてもまとめておきます。
G検定2018#2時点でのノウハウなので、少し古い情報ですが少しでもG検定を目指す方々の助けとなり、JDLAの発展に貢献できたら嬉しいです。
本題
まずは本題から、私が受験して感じた出題範囲や私自身が勉強した方法、おすすめの勉強法と対策をまとめました。
私自身についての紹介や受験時の背景などは後半に記載いたしましたので、ご興味がある方は最後までご確認ください。
出題範囲
もくもく会の中で出題範囲が分からず、どのテキストから勉強して良いか分からないといった声を聞いたので、G検定2018#2で受験した感触からの出題範囲をまとめてみました。
①「G検定公式テキスト」1の本文:40%
公式テキスト内で説明されている内容をある程度理解していれば、大体4割程度の試験範囲に回答できたのではないかという感触です。問題の出題傾向から記載内容を暗記するような勉強方法ではなく、簡単で良いので概念レベルでの理解をする必要があると感じました。
②「G検定公式テキスト」1のキーワード:20%
①との違いですが、公式テキスト内では説明はなく名称のみが記載されているキーワードや、本文や索引には記載が無いが例題内の設問にのみ出てくるキーワードが多く存在します。
そういったキーワードのみの部分でも試験では設問として出題されるため、公式テキスト内に出てきた文言で機械学習やディープラーンニングに関係するキーワードは、後述するAI白書やGoogle検索等で概要は理解する必要がるかと思います。
私は最終的に単語帳のようなキーワードの一覧を作り、キーワードの概要や特徴などを大体2行ぐらいで記載できる程度で調べました。
例として、最適化手法の説明で歴代の手法としてRMSPropやAdamなどがほぼ名前だけが記載されていますが、各手法がどんな特徴や改善がされた手法なのかを問われるような問題が出題されます。
③「AI白書2019」2でのみ記載されている内容:20%
私の受験タイミングでは2017版でしたが、G検定の範囲を網羅しているのはAI白書の内容だった認識です。
AI白書の内容を完全に理解すればG検定は確実に受かると思いますが、G検定に必要な範囲の3倍ぐらいは内容があるため、G検定取得のためにAI白書を読み込むのはオススメしません。
実際に私は1度通しで読み流した程度で、演習問題や②の調査の中で辞書的な形で確認した程度です。②を深ぼっていく中で自然とAI白書に該当する部分も学べるため、AI白書は諦めるのも1つの手段かと思います。
④時事問題:20%
おすすめのサイトなどは特にありません。公式テキストに記載されている手法やモデルなどの最新情報や、②の調査を行う中で自然と取得できる内容で、ある程度の時事問題に対応可能かと思います。
AIに影響のある法の改正や一般のニュースで取り挙げられるような大きなニュースは2、3年分はチェックが必要かと思います。
私自身が勉強した方法
私は10月22日に発売された公式テキストを見てから受験を決めたので、11月24日の試験日まで丁度1ヶ月(4週間)しかなかったので、完全に公式テキストを中心で勉強を行いました。
一週目
公式テキストを2割ほど読んでから、微分や確率などの数学の基礎的な知識が足りないと感じ、本当に基礎的な部分だけ勉強を行いましたが、理系出身の方や微分積分を理解されていれば不要かと思います。その後に公式テキストを1周した後に松尾本の「人工知能は人間を超えるか」3にも興味を持ち、松尾本を読み終えたぐらいで一週目が終わりました。
二週目
ひたすら公式テキストを読み返して大体3周ぐらいは回したと思います。各章ごとに演習問題があるので、演習問題で理解不足を感じた部分は戻って何度も読み返しました。
最終的には公式テキスト内の緑色で協調されている部分だけを飛ばし読みするぐらいで、各章の内容が理解できるぐらいまで読み込みました。
三周目
JDLAのページにある例題や、E資格の認定スクール等で無料提供されていた演習問題等を解いてみました。ここで、公式テキストに記載されている内容だけでは試験範囲を網羅できていないと気付き、AI白書を1回流し読みすることと、②のキーワードの調査を行いました。
四週目
②のキーワードの調査を中心に、演習問題で間違えた範囲を補強する形で学習を行いました。試験3日前ぐらいから時事問題の調査を並行して、公式テキストに記載されているキーワードをエクセルに単語帳的としてまとめる作業をして試験当日を迎えた形になります。
最終的には、公式テキストの索引を見て各単語の意味が分かるぐらいまで、公式テキストの読み込みと②の調査を行いました。
おすすめの勉強法
すでに機械学習やディープラーンニングの知識がある程度ある方は不要かと思いますが、G検定で初めてAIの勉強をされる方は松尾本の「人工知能は人間を超えるか」3を一度読まれてから、公式テキストやAI白書に取り掛かった方が、理解がしやすいかと思います。
まずは公式テキストの内容理解と、②の調査を徹底的に行うことが重要だと思います。その上で昨年出版された「G検定 ジェネラリスト問題集」4をやり込むことで、公式テキスト範囲外の内容もある程度網羅できるので合格範囲内は十分網羅できるのではないかと思います。(問題集は私が受験した時点では出版されておらず、もくもく会でざっくりと拝見させて頂いた程度ですが、昨年のG検定合格者の方も役立ったと仰られていました。)
おすすめの対策
試験中にGoogle検索等は可能ですが、1問を30秒ペースで回答する必要があるため基本的には検索しながらの回答だと時間が圧倒的に足りません。
伝わりにくいかもしれませんが、勉強は意味や概念の理解に集中し暗記系はすべて、②の勉強と合わせて自作した単語帳に集約させるように対策しました。例を挙げると、正則化の手法としてラッソ回帰とリッジ回帰がありますが、どちらがL1/L2正則化に対する手法なのかなどは覚えずに単語帳を検索することで対応しました。
試験の5割ほどは何も見ずに回答し3割程度は単語帳を検索、残り2割は完全に勘で回答した記憶です。
おまけ
ここまで読んで頂いてありがとうございます。
今更ですが、私の自己紹介とG検定やE資格を取得しようと思った背景などを簡単にご紹介させていた頂きます。
自己紹介
文系出身の元SEで現QAとしてソフトウェア開発に携わっております。
G検定2018#2、E資格2019#2を取得しております。
渋谷、新宿を中心にもくもく会やセミナー等に参加しています。G検定やE資格などもくもく会の参加、開催をもっと行いたいと思っているので、ご興味がある方はぜひご連絡を頂けると嬉しいです。
背景
自動化を中心とした業務改善等が得意分野なので、自動化の未来を見据えて機械学習やディープラーンニングに興味を持ちG検定の受験を決めました。
プログラミング経験は豊富ですが機械学習関連は全くの無知でした。高校から文系のため数1までしか勉強していなかったので、実は微分をG検定の受験で初めて勉強したぐらいです。
G検定の合格に調子を乗り、E資格の受験も勢いで決めてしまいましたが、約1年間は機械学習とディープラーニング漬けの毎日となり、正直大変な思いをしましたが振り返れば集中して勉強したことが結果的に良かったのかと思います。
(2020年10月追記)
資格取得から間が空いてしまいましたが、データサイエンティストとして転職しデータ分析や機械学習に携わることができるようになりました!
最後に
改めて最後までお読み頂きありがとうございます。
軽い気持ちで書き始めたら、思った以上の文量となってしまい、、、朝活の3時間程度でまとめた文書なので、稚拙かつ纏まりが無い文書で申し訳ございません。
1年以上前の受験経験を今さらまとめた形ですが、自分自身の記憶を掘り起こす良い機会となってとても勉強になりました。
少しでもG検定受験者の方々のご確率向上と、JDLAの発展に貢献できたら嬉しいです。
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https://www.amazon.co.jp/深層学習教科書-ディープラーニング-G検定-ジェネラリスト-公式テキスト/dp/4798157554 ↩ ↩2
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https://www.amazon.co.jp/AI白書-2019-独立行政法人情報処理推進機構-AI白書編集委員会/dp/4049110148 ↩
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https://www.amazon.co.jp/人工知能は人間を超えるか-ディープラーニングの先にあるもの-角川EPUB選書-松尾-豊/dp/4040800206 ↩ ↩2
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https://www.amazon.co.jp/徹底攻略-ディープラーニングG検定-ジェネラリスト問題集-スキルアップAI株式会社-明松/dp/4295005665 ↩