行いたい実装
Next.js 13でページ移動を検知してDialogを表示させたい
サイドバーなどが、layoutを使って実装しているため、page.tsxからpropsを渡すことができない。
前提
Next13では、App Routerの導入やgetServerSideProps関数などを代表する様々なサーバーサイド処理向け関数の廃止や非推奨化になり、今までのNext.jsによる開発方法が使えなくなっています。
(https://nextjs.org/docs/app/api-reference/functions/use-router#migrating-from-nextrouter:~:text=change%20the%20response.-,Migrating%20from,View%20the%20full%20migration%20guide.,-Examples)
Next.js 13以前は、パスの管理やページ遷移に関わるイベントの管理をnext/routerのuseRouterが行っていましたが、Next13からは、パスの管理などをnext/navigationのusePathnameやuseSearchParamsで行うようになっています。
next/routerが非推奨になってしまったんです。
このnext/navigationのusePathnameやuseSearchParamsは現在のパス名とそれに付随するクエリパラメータの値を取得するための関数で、URLの変更を検知するようなイベントを持っていないんです。
そこで、ユーザーがアプリケーション内のリンクをクリックした際に、確認ダイアログを表示する方法をここで説明していきたいと思います。
ざっくりとした流れの説明
ページ内のすべてのaタグに対して、Dialogを表示するためのクリックイベントを追加する処理を実行する。
↓
aタグの処理を止める
↓
aタグをクリックすると、クリックイベントが発動し、Dialogが表示される。
↓
DialogのクリックイベントにDialogを非表示にするイベントを付与する。または、任意の処理を組み込む。
実際のコードの説明
全体像
import { useParams, useSearchParams } from 'next/navigation'
const params = useParams()
const searchParams = useSearchParams()
const [isDialogOpen, setIsDialogOpen] = useState<boolean>(false)
const links = document.getElementsByTagName('a')
useEffect(() => {
setIsDialogOpen(false)
for (let i = 0; i < links.length; i++) {
links[i].addEventListener('click', (event: MouseEvent) =>
handleUnansweredLinkClick(event, i)
)
return () => {
for (let i = 0; i < links.length; i++) {
links[i].removeEventListener('click', (event: MouseEvent) =>
handleUnansweredLinkClick(event, i)
)
}
}
}, [pathname, searchParams])
const handleUnansweredLinkClick = (event: MouseEvent, i: number): void => {
event.preventDefault()
setIsConfirmDialogOpen(true)
}
const closeDialog () => {
setIsDialogOpen(false)
}
return (
<>
{isDialogOpen &&
{/* 表示したいdialogコンポーネント closeDialog関数を渡して閉じる機能を実装する。(closeDialogをPropsで渡す) */}
}
</>
)
こちらのコードが全てです.
細かく説明
宣言について
- useParamsとuseSearchParamsを使用してレンダリングの制御を行います。
- isDialogOpenはDialogを出すかどうかを判断するために状態管理です。
- linksは、page内のaタグの情報を全て持っています。型は、HTMLCollectionになります。
HTMLCollectionとは?(https://developer.mozilla.org/ja/docs/Web/API/HTMLCollection)
import { useParams, useSearchParams } from 'next/navigation'
const params = useParams()
const searchParams = useSearchParams()
const [isDialogOpen, setIsDialogOpen] = useState<boolean>(false)
const links = document.getElementsByTagName('a')
useEffectについて
- setIsDialogOpen(false) を呼び出して、isDialogOpen ステート変数を false に設定しています.これにより、画面遷移前にダイアログを閉じることが保証されます。
- links という変数を使用して、現在のページ内の全てのリンク要素(aタグ)を取得します。links は HTMLCollection というデータ構造で、配列のように要素にアクセスできます。
- ループを使用して、links 内の各リンク要素に対して、クリックイベントをリッスンする処理を設定しています。これは、ユーザーがこれらのリンクをクリックしたときに特定のアクションを実行できるようにするためのものです。
- return () => { ... } ブロックは、この useEffect ブロックがクリーンアップされる際に呼び出される関数を定義しています。通常、useEffect 内でリスナーを設定する場合、それらのリスナーを解除するためにこのクリーンアップ関数が使用です。この場合、for ループを使用してすべてのリンク要素のクリックリスナーを削除します。
useEffect(() => {
setIsDialogOpen(false)
for (let i = 0; i < links.length; i++) {
links[i].addEventListener('click', (event: MouseEvent) =>
handleUnansweredLinkClick(event)
)
return () => {
for (let i = 0; i < links.length; i++) {
links[i].removeEventListener('click', (event: MouseEvent) =>
handleUnansweredLinkClick(event)
)
}
}
}, [pathname, searchParams])
aタグに付与されるアクションについて
- event.preventDefault():この行は、デフォルトのブラウザのクリックアクションをキャンセルし、通常のページ遷移を防ぎます。つまり、リンクをクリックしても、通常のリンクが実行する遷移アクションは実行されません。
- setIsConfirmDialogOpen(true):この行は、Reactのステート変数である isConfirmDialogOpen の値を true に設定します。これにより、ダイアログを開くための条件が満たされます。
const handleUnansweredLinkClick = (event): void => {
event.preventDefault()
setIsConfirmDialogOpen(true)
}
表示について
- closeDialog: isDialogOpenの値をfalseにすることでDialogを非表示にします。
- closeDialogをPropsでDialogコンポーネントに渡すことでコンポーネントから制御できるようになります。
const closeDialog () => {
setIsDialogOpen(false)
}
return (
<>
{isDialogOpen &&
{/* 表示したいdialogコンポーネント closeDialog関数を渡して閉じる機能を実装する。(closeDialogをPropsで渡す) */}
}
</>
まとめ
Next.js 13では、ページの移動を検知してダイアログを表示する方法が変わりました。
useEffect フックを使用してリンクのクリックイベントを管理することでページ移動の前にDialogを表示することができます。
今回は、Next.js 13でページ移動を検知してDialogを表示させる方法をご紹介しました。