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引数と標準入力、曖昧にして使ってない?

Last updated at Posted at 2022-04-28

bashなどを使用する上で
引数と標準入力の使いわけ意識してますか?

echoやcatで渡しているのは、
引数?標準入力?

ここを理解して使っていくことで
幅が広がること間違いなしでしょう(受け売り)

【基礎】引数と標準入力

まずは単純なパターンから
catでファイル開く場合
引数で渡しても、標準入力で渡しても表示されます。

$ ls
a.txt  b.txt
# 引数
$ cat a.txt
aaaaa
# 標準入力
$ cat < a.txt
aaaaa

引数と標準入力のどちらかしか受け付けないコマンド

echoは引数しか受け付けない

よくある例として
echoは引数しか受け付けません。

$man echo
...
DESCRIPTION
       Echo the STRING(s) to standard output.
# 引数で渡すと成功
$ echo "aaa"
aaa
## 標準入力で渡すとエラー
$ echo < "aaa"
-bash: aaa: そのようなファイルやディレクトリはありません

catは引数があればファイルを引数として受け取り、引数がなければ標準入力を受け取る

catは、引数も標準入力も
ファイルを受け付けるコマンドです。

$man cat
...
DESCRIPTION
       Concatenate FILE(s), or standard input, to standard output.
# ファイルの中身が連結され表示
$ cat a.txt b.txt
aaaaa
bbbbbb

# 標準入力で渡すと、複数を渡すことができない
$ cat <a.txt <b.txt
bbbbbb

【問題】 ファイルの中身を連結して出力せよ

Q. 下記のファイルの中身を連結して出力せよ

$ ls
a.txt  b.txt

lsやcatを使用すれば実現できそうですね

下記のような場合はどのような出力になるのでしょうか

$ ls | cat 

a.txtとb.txtのそ各ファイルの中身がcatで連結されればいいなぁ
と思いますが、答えは...

#ファイル名が出力されてしまいます。
$ ls | cat 
a.txt
b.txt

詳しく見ていくと

  • パイプは標準入力として、次のコマンドにわたす
  • lsの結果は標準入力として、まとめてcatにわたす
  • catにわたされるのは文字列

このため
ファイルは連結されず、lsの結果のみが表示されてしまいました。

覚えておきたい表現

ここでbashで使える表現について覚えておきましょう。

-(ハイフン) : どこで標準入力を渡すのかを指定

パイプなどで渡された標準入力を
どこで使用するかを、指定できるのが ー(ハイフン)です。
コマンドにより、対応しているものと対応していないものがあります。

例えば
下記では渡しているb.txtを
a.txtの前に読み込むのか後に読み込むのかを指定することで
catの結果が変わっています。

$ cat b.txt |cat - a.txt
bbbbbb
aaaaa

#先程の結果と逆に。
$ cat b.txt |cat a.txt -
aaaaa
bbbbbb

$() : コマンド置換

文字列で渡されたコマンドを
コマンドとして実行させたい場合はコマンド置換$()を使用します。

バッククォートでも可能です。
よく使うやつですね。可読性が下がるので$()の方がおすすめです。

$ echo "ファイルは、$(ls)です"
ファイルは、a.txt
b.txtです

$ echo "ファイルは、`ls`です"
ファイルは、a.txt
b.txtです

問題の回答

ここまでわかれば、
lsの結果をcatでくっつけることも可能です。

echo ls | $(cat -)

lsした結果を、標準入力としてcatにわたし、
それをコマンドとして実行すれば、
それぞれのファイルの中身を連結してくれるはず!

$ echo ls | $(cat -)
a.txt  b.txt

....あらららーー?
またしても、lsの結果だけ表示されてますね。

この問題は、catにわたるのはまとまった標準入力であり
catは、複数のファイルを渡す場合は、引数として
わたさなければならない点にあります。

引数しか受け付けないコマンドに、標準入力をわたす

上記のcatのように、引数としてわたしたい場合
多くのパターンがありますがよく使うのは

  • xargs
  • sed  

xargs : 一行ずつ読み込んで実行する

渡された標準入力やファイルに対して
一行ずつコマンドを実行するコマンドです。

オプションが多いのですが最低限覚えておきたいのは

-I :後ろの文字列に標準入力を入れる+標準入力を一行ずつ処理+1プロセスずつ実行
-a :ファイルを読み込む場合必要
-P :同時プロセス数の上限。デフォルトは1
-t :実行するコマンドを標準出力する

$ ls | xargs -IXXX sh -c 'cat XXX'
aaaaa
bbbbbb

lsで渡された結果を標準入力として1行ずつ読み込み
I以下のXXX部分で読み込み、
shで実行しています。

無事、望み通りのものが出てきましたね。

sed : 置換だけではなく、コマンド実行にも使える

よく文字置換として使用されるsedですが
eオプションを使うことで一行ずつ実行することができます。

$ls | sed 's/^/cat /e'
aaaaa
bbbbbb

#これでもいけます
$ls | sed 's/^/cat /' |bash

こちらも望み通りの結果が出てきています。
改行が気になる場合は、sedなどで消せば良いでしょう。

まとめ

  • 引数や標準入力に対応しているコマンドかはmanを見れば大抵わかる
  • どこで標準入力を渡すのかを指定する-(ハイフン)
  • 文字列をコマンドとして実行させる$()(コマンド置換)
  • 引数のみ受け付けるコマンドに、標準入力を渡して実行させるならxargsやsed

この辺りを使用することで、ログ解析からの動作が非常に簡単になります。
身につけておきましょう。

awkでログの特定の列だけを抜き出してコマンド実行なども
汎用性の高い組み合わせです。

ログのIPアドレスからsshで接続し、コマンドを実行。

$ cat instance.txt
api001a.ad-service    i-XXXXXX      10.3.50.128
automation-api001a.service    i-YYYYYY      10.3.59.51  
automation-api002c.service    i-ZZZZZZ      10.3.122.207
$ awk '{print $3}' instance.txt| xargs -IXXX -P 10 sh -c 'ssh -o StrictHostKeyChecking=no XXX "pwd"'
/home/developer
/home/developer
/home/developer

これを利用して
実行したいコマンドファイルをあらかじめ作成し、ssh先で実行させたい場合も使えます。

この時、コマンドファイルを

  • 引数として渡すなら、コマンドファイルがssh先にある必要がある
  • 標準入力として渡すなら、コマンドファイルがローカルにある必要がある

などが変わるため、注意が必要です。

# 引数としてcommand.txtを読み込む。command.txtはssh先にある必要がある
awk '{print $3}' instance.txt| xargs -IXXX -P 10 sh -c 'ssh -o StrictHostKeyChecking=no XXX "sh command.txt" > output.log'

# 標準入力としてcommand.txtを読み込む。command.txtはローカルにある必要がある
awk '{print $3}' instance.txt| xargs -IXXX -P 10 sh -c 'ssh -o StrictHostKeyChecking=no XXX < command.txt > output.log'

ここまでできるようになると
一気にできることの幅が広がる気がしますね。

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