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ビギナーエンジニアがCivicTechで活動した半年間の記録

Last updated at Posted at 2020-12-04

2020年4月にCode For Japan(以下C4J)のSlackに入り、CivicTech活動をしているWebエンジニアです。

19年度新卒で入社と同時にエンジニアになったので、エンジニア歴1年半。そのうちの1/3をC4Jと関わっているということになります。

活動を始めて10月で半年が経ち、まだまだビギナーの私ではございますが、この半年間でCivicTech活動を通じて、様々な経験をさせてもらいました。

2020年のQiitaのアドベントカレンダーで、Civictech1年目 Advent Calendar 2020
というものを見つけまして、せっかくならこのアドベントカレンダーへの投稿を機に、ここまでの私のCivicTech活動を振り返りたいなぁと思ってこの記事を書いております。

また、エンジニア歴の浅い人間がどのように活動しているのか、活動を通して何を得られるのか、など、CivicTech活動にジョインしていない方の参考になればいいなぁとも思っています。

ジョインするまで

きっかけは会社の同期のSlackでした。

もともとCivicTechの活動やC4Jの存在自体は、OSSの東京都新型コロナウイルス感染症対策サイトの開発などを通して知ってはいたのですが、私がジョインして一緒に活動できるとは全く思っておらず、「やっぱり有能なエンジニアは、会社で仕事をしながら、空いた時間でこんなすげーの作っちゃうんだな~~すげ~な~~」と、完全に傍観者でした。

しかし、そんなときに会社の同期から

「自分の先輩がC4Jで新しいコロナ関係のサイトを作るらしい」
「特に報酬とかは出ないけど、PMがその先輩になるから、割と自由に開発できるし、興味ある人がいれば参加できるけどどうする?」

といった内容の連絡が、同期全体に向けて来ました。

連絡が来たのは2020年4月。ちょうど入社して1年目で、なんとかコードが書けるようになってきた頃だったので、もちろん自分の技術に自信はありません。
しかし、さすがに会社で1年間仕事をすると、入社時にあった目の前の仕事で精一杯になることは減り、先のことにも少し目が向けられるようになり、「私は今後どんなエンジニアになりたいんだろうか」ということをぼんやりと考えていました。

ただ、弊社はプロダクトを作っている会社なので、自分が参考にできるエンジニアは社内の先輩しかいません。
勿論社内のエンジニアの方もすごく参考にさせて頂いているのですが、もっと沢山のエンジニアの人と話したり、仕事をしてみたいとも思っていました。

そこに舞い込んできたC4Jへの誘い。私は新しい環境への興味と「あの東京都のコロナ対策サイトを作ったC4Jに入れんのか!」という突発的な興奮で、勧誘の連絡をしてくれた同期に「興味があるからちょっと話を聞いてみたいな~~」という連絡を入れたのでした。

よく、この頃の話を人にすると「自分の技術に対する不安とかなかった?」っていう質問をされます。

先述しましたが、当然のようにありました。
しかし、それよりも環境への興味とジョインへの興奮が大きかったのと、「どうせ報酬出ないんだし、そんな大きな責任もないやろ笑」という、超自分勝手な考えでジョインを決めました。

初PJT・初作業

本来、C4JでCivicTech活動を行う際は、C4Jのスタッフと面談をして、適正やスキルセット、本人の意志などをすり合わせながら、ジョインするPJTを決めるらしいのですが、私は入るPJTが決まっている状態でC4Jにジョインしました。
なので私のC4Jでの活動は、面談などをすっ飛ばし、コーディングから始まりました。

私が最初に入ったPJTはNPO(市民活動団体)のための新型コロナウィルス対応お役立ちサイトというサイトの開発です。
「新型コロナウイルス」NPO支援組織社会連帯(CIS)という団体での作業になります。

一番最初の作業は、HTMLの編集でした。
正直、PJTの全体感を聞いた感じでは、Vue.js、Netlifyなどほとんどが使ったことない技術だったので、最初から結構な難易度のタスクが振られるのでは無いかと心配でしたが、普段から通常業務で触れているHTMLだけでもタスクが消化できることに安堵しました。

また、この作業でWebサイトの「サイト協力者」の欄に自分の名前を追加することになるのですが、そのときに「HTMLしかいじってないのにサイト協力者に堂々と名前が入ってるのってなんか申し訳ないなぁ」という気持ちの傍ら、自分の技術が、会社でのタスク消化ではなく、社会のために初めて使われたような気がして、すごく誇らしくなったのを覚えています。

その初タスクを筆頭に、月に数回のCISのエンジニアチームのMTGでタスクが振られ、業後や土日祝日にCISの開発を行うという形で、CivicTech活動を続けていきました。
時には、かなりチャレンジングなタスクを振ってもらって、土日を使ってずっとコーディングしていたときもありましたが、SlackやGithubでチームメンバーに何回も質問を投げて、何度も助けてもらいながら開発を進めました。

また、エンジニアチームのMTG以外に、週次でCISの各チームのリーダーのMTGがありました。
そのMTGは、リーダーはできるだけ参加、メンバーは任意参加という形でした。

私はメンバーだったので、参加しなくても勿論問題ありません。
しかし、冒頭でも書いたように、新しい環境への興味でジョインしたので、できるだけリーダーMTGにも顔を出すようにしました。

各チームの現状報告で発言することはほとんどなかったものの、MTGのアイスブレイクや最後のちょっとした雑談の時間で、他社の仕事の違いやベテランエンジニアの経験の話がとても新鮮で面白かったです。

本業とCivicTechの両立

活動して半年以上経ちますが、CivicTech活動の面白い点の1つはここだと思っています。

異なる会社や業種の方々が一堂に会してPJTを遂行していくため、様々な会社のナレッジが組み合わさって成果物が出来上がっていきます。

また、逆に会社の業務にCivicTech活動で得たナレッジを活かしていくこともできます。

私の場合は先述したCISのリーダーMTGがとても会社に活きるように思えました。

基本的にCISでの活動はボランティアメンバーが行っているため、頻繁にMTGを開催したりして、長時間CISの活動に拘束することは好ましくありません。

なので、CISのMTGでは限られた時間の中での情報交換や意思決定を行います。

普段の業務は、毎日出社し、毎日長時間チームメンバーと一緒にいるため、この感覚を忘れがちですが、このスピード感のあるMTGを肌で感じた私だからこそ共有すべきだろうと思い、CISのMTGをベースに「会議の効率化」について調べ、社内共有を行いました。

image.png

ただの知識の共有ではなく、経験談の共有だったので、説得力のある共有ができたようで、会社のメンバーからはとても良い反応をもらいました。

共有後に質問に来てくれただけではなく、弊社にジョインしてもらっている派遣の方からも、「自社の会議の改善に使いたいので、資料をもらいたい」と言ってもらえたのが大変嬉しかったです。

CivicTechをきっかけに広がる活動の幅

C4Jの活動を数ヶ月続けると、C4J内でも知り合いが増えてきました。

また、CISでの作業にも慣れてきて、この頃から「自分は新参者だ」という感覚が薄れ、C4Jの一員として作業している人間だという実感が湧いてきたような気がします。

そんなときにあるSTOの方から「CivicTechの活動を発表してほしい」と声をかけてもらいました。

私よりもっと歴の長い人や、スキルのある方はいましたが、「ビギナーエンジニアでのCivicTech活動」という点においては、私しか話すことができず、それがCivicTechへのジョインを悩んでいる方への後押しになるのではないかということでの抜擢でした。

私もそのような形で、活動への貢献ができるのであれば是非やってみたいと思い、イベントへの登壇が決まりました。

実際のイベントがこちらです。

STOとはなんぞや会というタイトルになっていますが、この会で私は、STOのことではなく、自分のCivicTech活動のことや、ビギナーエンジニアでもできることは沢山あるということについて話させてもらいました。

実際に私の発表がどれほどの影響を発揮したのかは定かでは無いですが、私の発表を聞いた人から何人かはC4Jにジョインしてくれたという話を聞いて、少しは影響を出せたのかなと思っております。

またこの活動を見てくれていた知人から、C4Jとは全く別団体で、CivicTech活動や会社との両立について登壇して話す機会を頂き、そこでも等身大の自分の活動について話させて頂きました。(実際のイベント

もともとは自分のキャリアやスキルアップのことを考えて始めたCivicTech活動ですが、様々なところで自分の活動に対して価値を感じて頂き、このようなイベントに呼んでいただけるまでになりました。

私自身、この活動に対して、報酬が発生しないことは承知の上で入っていますが、知人からはたまに「報酬欲しくならない?」という質問をされます。

欲しいか欲しくないかで言われたら勿論欲しいですが、報酬が発生しないことが前提になっている活動だからこそ、「技術が好き」とか、「社会に貢献したい」というモチベーションが強いメンバーと知り合うことができましたし、共感してくれる人も増え、普通の社会人生活では経験し得ないような機会も沢山頂きました。

私自信、これらの経験やメンバーとの交流は報酬以上の価値があると思っており、私の活動の対価として、これらの経験が得られていると思うと、すごく満足感のある活動だなと思っています。

現在の活動とこれから

CISでの今後の活動は、現在方針を固めている途中ですが、おそらく、サイト構築というpull型の情報提供から、NPO団体に向けてのpush型の情報提供をしていくのかなと思います。

また、CISでの活動の他に、関西医療さんとタイアップで在宅・福祉施設向け 新型コロナウイルス情報まとめというサイトの作成をやらせてもらっています。

更に、先日は再びSTOとはなんぞや会に登壇させていただきました。

先述しましたが、この半年間で、普通では訪れないであろう経験を沢山させていただきました。

私が登壇させてもらったイベントでは、毎回クロージングとして話していますが、CivicTech活動は強いエンジニアが社会貢献をする場ではなく、ジョインしたそれぞれの人材の特徴をうまく活かしながら、社会課題を解決していく場所だということ身を持って感じています。

私も「ビギナーエンジニア」という特徴を様々なところで活かして、CivicTech活動をしてきました。
是非とも、スキル不足を感じてCivicTechへのジョインを悩んでいる方は、自分の特徴に目を向け、その特徴を活かせるような方法はないかとSTOの方に相談してみてください。

今後の私の活動としては、まず今の現状のCivicTech×会社員の両立というスタンスを崩さず、今後ともお互いの良いところを吸収しあって、どちらも盛り上げていければいいなと思っています。

また、CivicTech関連のイベントが年間で沢山行われていることを知ったので、そのイベントへの参加や、できるのであればスタッフ側も経験してみたいなと思います。

今後とも、この半年のような、自分のスキルアップにも、社会課題解決にもなるような活動を引き続き行っていければ幸せだなぁと感じた振り返りでした。

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