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【オマケ記事】超短期型タスク管理をカバーする!ステキな中長期計画法

前回までのあらすじ

先日、プロジェクトの残業を50%削減したタスク管理手法を惜しみなく公開するという記事で、私的に上手く行ったタスク管理手法を紹介した。幸いな事に概ね好評だったようだが、「中長期管理はどうしてるの?」という意見を多数見かけたので、オマケとしてちょこっと書いてみる次第。
※前記事の流れを踏まえるので、予め読んで頂いた方が理解がスムーズかも?

ちなみに、中長期計画は案件状況によって管理手法を大きく変えた方が良いと思っているので、あくまで「手法の一つ」と捉えて貰えると嬉しい。なお、期間の単位は2〜3ヶ月程度を想定する。(なので、どちらかといえば「中期」に該当する考え方がメインとなる)

タスク管理と中長期管理の守備範囲について

RPG的っぽい雑な例えを持ち出すと、「突発的にエンカウントするモンスターの対処」が前記事の領域で、「ストーリー、イベント進行の段取り」が当記事の領域と区別している。それぞれの特徴を挙げると次の通り。

前記事のタスク管理

  • 目先のタスク対応が関心事
  • 一番細かい粒度で運用
  • 変更量が多い
  • 内部メンバー向け
  • カジュアルに回せる
  • チーム全体がオーナー(とはいえ、管理側でガイドは実施する)
  • 棚卸はデイリーミーティングベース

中長期管理

  • 案件成功までの段取り、全体状況の俯瞰が関心事
  • 粒度は中〜大
  • 変更量が少ない
  • 外部ステークスホルダ向け(上司や顧客) ※ただし、内部メンバーも閲覧するよ!
  • フォーマルに回す必要がある
  • マネージャがオーナー
  • 棚卸はウィークリーミーティングベース(隔週のパターンもあるよ!)

責務の違いは色々あれど、特に大きな違いとして中長期管理は部外者とのスムーズな情報共有が解決すべき課題として含まれる。現場からすれば他愛もない課題に部外者が「どうなってるんだ」「大丈夫なのか」「ええい俺が陣頭指揮してやる!」と出しゃばって問題がよりややこしくなった経験、あるでしょう???
このような責務の違いは単一の管理手法では吸収が難しい。そこで、私が管理する案件では以下の手順で中長期計画を管理している。

1. マイルストーンを洗い出す

前記事では「アンチパターン」として記述した「○○の基本設計」「○○の要件定義」等の抽象度が強い作業を洗い出し、WBS等に書き出す。体裁は予定と実績が管理できれば何でもよし。粒度は4〜5営業日が手頃だが、大きさよりも適切にカテゴライズされていることの方が大事。ぶっちゃけ粒度がもっと大きくてもたぶん回るが、部外者から「粗い」と文句を言われるリスクが高まるのでオススメしない。

ポイントは、前記事タスクより粒度を1〜2回り大きくすることと、「外部から見た関心事」と一致しさせること。将来発生するであろう小タスク群を包み込む、抽象化された作業をイメージすると良い感じに作れる。

なお、ここで洗い出したタスクはできるだけ「マイルストーン」と呼ぶことにしている。これは後述するマイルストーンの品出しにおいて「内部的なプロセスに対して裁量を与えられているイメージを持って欲しい」という思いがあるから。ただし語彙の選択にはこだわりを持つ人もいるので、コンクリフトしそうなら使用を避ける。

前記事を読んだ人への補足

前記事で「抽象化された重いタスクは切らない」と書いてしまったがために「中規模の管理は一切不要」と多くの人に勘違いさせてしまったのだが、要するに「メンバー個人には具体的な作業単位で物事を考えるようにさせた」と言う話で、抽象化されたレベルの進捗は今でもマネージャが管理している。(混乱させて正直すまんかった…)
ちなみに、前記事における「改善前のタスク管理」は「WBSの予定日が来ると作業詳細を詳しく書いた同粒度のタスクチケットが発行される」というイメージで、それより小さな管理単位はない状況だった。今思えば完全な二重管理である。

なお、「改善前と同じ粒度の管理対象が存在しているなら、細かい管理を付け加えた分トータルの工数が増えるのでは?」と思われる方もいるかも知れないが、低位タスクの管理が適切に回ると中長期レベルの進捗課題が自然と減るので問題ない。逆に言えば低位の管理をパーフェクトに回せているなら前記事の対応は不要。とはいえ、上流が得意な企業ですら上手にマネジメントできているパターンはあまり見たことがない…。

2. デイリーミーティング等でマイルストーンを品出しする

このタイミングで作ったマイルストーンをメンバー個人にアサインしていく。
この際に各個人はマイルストーンに応じてタスクを作成するのだが、前記事の通り直前作業のみをタスクとして登録して貰い、抽象的な切り方をさせない。
例えば、「君は○○機能の要件定義を担当して欲しい。来週の火曜が期日だから、とりあえず『打ち合わせの計画を段取る』というタスクをツールに追加してみようか」とか振ってみる。マイルストーンの達成を目標に小さなタスク作成を任せていくイメージ。
後は前記事で説明したタスク運用の流れに乗せつつ、デイリーミーティングで様子を見守る。

メンバーが上手にタスクを切れず、困っているなら…

マネージャが介入し、五十六メソッドを適用しつつタスクを切る。(いわゆる「やってみせ」「させてみせ」の部分)
マイルストーン内の自己管理ができるレベルまでは教育を密に実施する。一方で「チケット管理するマン」にはならないような距離感を意識する。

介入せずとも自律的にタスク管理できているなら…

「より作業者に近い立場の意見が欲しい」として、メンバーにマイルストーン自体の管理プロセスを部分的に任せつつ、リーダーやマネージャーへのクラスチェンジを考える。この辺りは当人の希望と会社の都合次第だが、できる限り良い方向に働くように管理側で取りはからうこと。

いずれのケースにしても、メンバーに個人裁量で管理できる領域を与えつつ、少しずつ広げられるよう支援する。ただし、中には「別にチームの管理なんてやりたくないし」というメンバーもいるので、そこは当人の意思も加味する。

特に、プレイングマネージャにだけはならないように心掛ける。もうチケット管理マンはいやなんだ…

3. 週次(あるいは隔週)ベースで状況を上長や顧客に共有する

マイルストーン状況を外部のステークスホルダーに共有する。案件そのものの風向きを変える出来事があればここで拾って中長期プランに反映させていく。
なお、共有内容は前述の通り「外部から見た関心事(=彼らの職務領域と関わる事柄)」を意識する。現場ベースの些末はここでフィルタリングし、重要な意思決定に関わる議論を阻害しないように。
ただし、単なる不都合の隠蔽はより状況をややこしくするだけなのでやめること。あくまでノイズをカットする程度のイメージで!

おしまい!

後は1〜3をぐるぐる回すだけ。ちなみに半年〜1年くらいの長期計画は適当にExcelでお絵描きして共有してるよ!それを踏まえたガチな長期管理はボスの仕事さ!ヒュウ!(タイトルに合わせただけの雑な追記)