はじめに
この記事は、Qiita Advent Calendar 11日目の記事です。
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筆者について
- 現在高校2年生
- 水泳部マネージャー
- 生徒会長
- とある団体の代表
本編
生徒会での開発の経験を通して
プロフィール紹介にもある通り、僕自身中高一貫校で5年近くの生徒会経験をしています。そのなかでちょっとした開発を幾らかしたのですが、以下のようなものになります。
- 外部SNS代替えの内部SNS
- ライブラリーにおける入退室自動記録
- 備品管理記録
とても細々としたものしか作ったことありません、というか、作れません。あたりまえなのですが、生徒会というものは別に開発部でもなんでもないので、開発にかかるコストパフォーマンスを見ないといけません。
例えば、一番下の備品管理記録について見てみましょう。今回、備品管理記録記録の際に担当員1人を置く時間と、この備品管理を自動化させることができる時間の差を調べてみましょう。
- システムを自動化させた場合、 $T_1 = 120 [min]$
- 新たに担当員を配置させた場合、$T_2=60 [min] \times 4 [hour] \times 4 [day]=960[min]$
ただし、それぞれには緊急対応のための時間を考慮する必要があります。また、これは生徒というものである以上、学校でしかできない事もたくさんあります。今回は、学校での自由の時間をいう観点で見てみると、$T_1$ と $T_2$はそれぞれ次のようになります。
追加項目 | $T_1$ | $T_2$ |
---|---|---|
必要な時間 | $120 [min]$ | $960[min]$ |
自由度 | 学校での自由がかなり効く | 学校での時間が奪われて作業効率が減る |
緊急時の対応 | すぐには対応不可 | すぐに対応可能 |
人員の必要性 | 必要な人数が減る | 担当委員のシフトの作成が可能 |
物品の管理難易度 | ほとんどがログに記載される | 完全な形でかつ統一的にはログに記載されない |
このように、緊急時の対応のみ難ありという感じでしたが、これもトランシーバーの設置ですぐに対応するということで、結果的には$T_1$の方が最適であると判断して、開発を決意しました。
…という感じに、生徒というものである以上お持ち帰りができますので、それを鑑みた上でのコスパ対応ということで、若干これは社会一般的な会社とは異なるのではないでしょうか。
生徒全員が必ずしもデバイスの利用に慣れているとは限らない
こっから先は必ずしもこうというものではなく、うちの学校の例ですので、参考程度でお願いします。
これ、本当に多くの先生方や僕ら生徒会執行部の中でもきちんと理解されていない人が多いのですが、学校でデバイスの利用が進んでいるからといって生徒が一般的にきちんとデバイスの利用ができるとは限らないということを考えなければいけません。つまり、複雑にデバイスを利用して処理をするようなサービスやシステムは、学校現場では帰って仇となる可能性があります。また、子供が使うシステムという以上、上手いこと言った時はそりゃめでたい話ですが、うまくいかなかったときに想定外の対応をされるということも考えていなければいけません。例えば、今回の本校の文化祭ではシステムの利用ができなかったゆえに以下のような問題が発生しました。
- 生徒が勝手に生徒会室にあるものを持ち出す
- 一部のログが合わない
- やむを得ない緊急の判断で他の執行部員が勝手に持ち出しを許可してしまった
「トランシーバーを置いているからそれで連絡してね」といっても絶対にその通りにしないのが子供というもの、これら通常ではこんなことはしないだろうということも普通に発生してしまいます。つまり、こういう「子ども観点の思想」というものをきちんと理解しなければいけません。1(とは言いつつ、僕もまだあと1年は子供ですが…。)
先生は基本触れないと考えた方がいい
決して先生がバカとかそういう訳ではなくネイティブに触れる機会がなかったが故のことですので仕方がないことです。攻撃の意図はありませんので悪しからず。
これもあるあるなのですが、僕らが使えないけど先生は使えるだろうという発想の人も何人かいますが、これは全くもってこの考えは当てになりません。そもそも、うちのようなMacを導入しているような職場にはおそらくWindowsを今まで使ってきた人には慣れるのに相当の時間がかかりますし、普段使っていたソフト以外を利用するのは、まるで還暦を過ぎた人に今から自動二輪の免許を取りなさいと言ってるようなもんです。まあまあ無理難題ですよね。そしてここにも、先生という役職柄が故の独特な問題が発生します。
- 説明に必要以上の時間が取られ、かなりの時間がかかってしまう
- 「先生なので生徒の言うことはなんでも無視していい」という合意形成の手順をスキップする人が幾らか存在する
これらの問題が故に先ほどの生徒バージョンと同じような問題が派生するパターンがまあまあります。
全員が気持ちよく学校生活を送るために
全員がというのは先生と生徒の両方が学校生活を気持ちよく送るためには次の二つの方法があると思います。
- アナログを突き通す
- 全員がシステムやサービスを使いこなせる環境日頃から整える
さて、前者については言うまでもなく、中途半端に導入するくらいならかえって問題が発生するだけなのでやめた方がいいという意見ですね。もうひとつのほうがとんでもない労力が必要となります。例えば、以下のような取り組みが必要でしょう。
- 万人受けするシステムやサービスの提供
- デバイス依存ではない
- アクセスがある程度制限可能だが柔軟に対応することができるような仕組みづくり
ちょっと僕が考えただけでもこれだけのことがでてきます。これら全てを整えるのは生徒会の役職一年では100%にかなり近いです。また、そのスピードは技術進歩のスピードを上回らなければいけません。したがって、非常に実現は難しいですが、ただこの選択肢の先には全員がより気持ちよく学校生活を送ることができるような世界が待ち受けていると思います。今後僕の任期中で終わるかはわかりませんが、頑張って活動していきたいと思います。
最後に
今回は学校現場におけるDX(もどき)に触れてみました。まあまあ過激な内容にはなってますが、この記事が他の人のモヤモヤを解決するようなものになることを祈りたいと思います。それでは、引き続き今後のアドカレ 23 の記事をお楽しみにしてください。
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僕的な感想で言えば、これは大学がまさに日常でこの状態に陥っているのかなって思います。「大人のルールで対応しても一部の人達はまだ精神的に幼いので予想外の対応をしてくる」ということです。難しいですね。 ↩