少し前に外観検査について触れる機会があったので調査したこと等をメモ。
コードの実装例のリンクは下にあります。
細かく調査している訳ではないので、誤っている内容もあると思いますがご容赦ください。
手法
- ディープラーニング
- 教師なしの異常検知や、教師あり、反教師あり等色々ある
- 製造業の大手等に納品している会社はアルゴリズム独自実装するの当たり前くらいのレベルが結構いる印象
- ルールベース
- 最近はAIの話をよく聞くが、ルールベースもまだまだ費用対効果考えると重要
- 下で紹介しているアダコデックさんのhlacによる特徴抽出や、ゼータブリッジさんのルールベースは非常に興味深かったです
撮影環境
- 検知したい疵等の不良部位が全パターン、全箇所、安定的に撮影できる環境が必要で、それには治具の製造が必要だったり、照明やカメラの知見も必要。製品が大きかったり、多品種だったりするとこの部分でつまずくことも多い。
- AI等のソフト面と照明や治具等のハード面で別会社協業していることがよく見られる(完全単独でやるのはハードルが高そう)
- 特に製造業等、不良品を絶対に出してはならない現場では、より精緻な環境が求められる分、費用も高くなりそう
- アダコデックの井上さんのnoteの記事が何も知らない自分にとってかなり役に立ちました。本当に有難うございます。
導入までに検討すること
- 評価基準
- 費用対効果が得られる精度はどれくらいか
- 分類問題なので、例えば混同行列のそれぞれの値で必要な精度を考える
- 製造業では特に偽陽性(実際は不良品だが予測は良品)に気を付ける必要あり
- 実際の運用イメージ
- どのような運用にすれば費用対効果が得られるか
- 例えば、これまで人がやっていた検査を、いきなり全てAIに置き換えるのは難しい
- 推論時の閾値が一定以上の製品は人がチェックする等、なるべく詳細に実運用を描かないと、導入時の費用対効果がわからない
- 詳細に検討した際に、製品が多品種であったりすると、モデルを多数作る必要が出たりして、ルールベースの方が良いとか、人が検査する方が良いということになったりする
- 例えば、これまで人がやっていた検査を、いきなり全てAIに置き換えるのは難しい
- どのような運用にすれば費用対効果が得られるか
外観検査を提供している会社例
以下内容は間違っていたら申し訳ありません。ご指摘頂ければすぐ修正します。
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Preferred Networks
- 皆様ご存じ日本トップレベルの頭脳が集まっている会社
- 異常検知での外観検査を提供されており、詳しくはわかりませんが、汎用モデルを素材等により分けて独自のモデルを学習し、そのモデルを顧客に合わせてファインチューニングしているらしいです。
- 汎用モデル作成には自社所有のスーパーコンピューターで何十万枚の画像で、何万時間も学習させているとのこと(さすがレベル違う・・・)
- 150社に導入実績あり
- 価格はAIのソフト部分で月額100万円台くらい?(価格は曖昧です。確かサブスクだったはず)
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アダコデック
- OpenCVの神様、大津先生考案のHLACを使用している会社
- HLACで画像の特徴量を抽出し、その後はディープラーニングで分類?
- 計算量がディープラーニングに比べ非常に少なく、普通のPCでさくさく動く
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ゼータブリッジ
- ルールベースで検査精度を向上させており、個人的にはゼータさんのやり方が人の判別プロセスに似ている気はしています
- キーエンスでの経験が長い方が、AIに諦め、この方法なら可能性がある!と見込んで入社されたとのこと(ABHB 尖りアルゴリズム読本は楽しく拝読させて頂いてます。)
- ルールベースなので、事前の学習等は必要なし
- 検査対象の大きさ、色、形等を全てコードで書いてルールに逸脱していると検知するみたいです。重なったベーコンの枚数も数えられるとのこと。
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ブレインズテクノロジー
- Impulseというツールを提供されており、様々なアルゴリズムから自動で最適な組み合わせを選択できるらしい