この記事はキーボード #1 Advent Calendar 2022 の15日目の記事です。
昨年に続き、自作キーボード関連のアドベントカレンダーが多くあります。
もう1箇所でも立っているので、機会があれば、お読みください。
さて、昨日は、タツタニコブさんの
キーマップの試行について〜2022年版〜
についての記事でした。
7sPro(独自30%キーマップ/コンボも乗ったよ!2022)を30%キーボードとして、使用されていると聞き、同じ30%キーボードの住人(私は36キーのcool536やcool936を常用しています)としては、同好の方がいて、心強いです。そして、記事では、30%沼へのわかりやすい入り方を、昨年の40%沼に引き続き書かれています。この記事で、同好の方が増えるのを、私も歓迎します。
それでは、私の話をさせていただきます。
ElecrowやJLCPCBでは、四方が10cm以内の大きさのPCBを安価(1〜2ドル)で製造してくれます。
いざ、その大きさでは、マクロパッドは作れるが、普通のキーボード(ここでは、アルファベット26文字の入力ができるものを普通と考えます)は難しいと思っていました。
しかし、調べてみると、かぎざら屋さんのMiniAxeと言う素晴らしい36キーの分割キーボードが、この大きさの条件を満たしていることがわかりました。
そこで無謀にも、そのようなものを自分でも作れないかと設計したのが、cool640です。
PCBが100mmX100mm内の大きさで、#自作キーボード が作れるかなと思い、挑戦しました。先日はPCBが150mmX100mmで #cool650 になったので、今回は #cool640 として、二つをケーブルで繋ぐと格子配列の分割になります。新しいこととして、#promicro と #ラズパイPico に対応してみます。 pic.twitter.com/dft7Hg7RUM
— m.ki(エム キ) (@0002ozlet) February 23, 2022
後発ゆえに、pro microのみで動くのであれば、目新しさもないと思いました。 そこで、cool836picoで使用実績のある、raspberry pi Picoとpro microの両方で動くものにしようと思う設計しました。
pro micro? Raspberry Pi Pico?
— m.ki(エム キ) (@0002ozlet) March 11, 2022
お好きな方でいいですよ。
これが、#cool640 です。https://t.co/6646MPCV7N#mechanicalkeyboard #俺キー #自作キーボード pic.twitter.com/XfM6lAE8hE
イメージ的にMCU部分は、pro microがスイッチ2個分、パイピコが3個分のスペースで置けるだろうし、その間にTRRSジャック一つ分の余裕があれば、何とかなるかなと考えました。
そうなると、キー数は横5キーで、縦4キーの格子配列が適当だろうと、徐々に方針がさだまってきました。
ある夜に散歩しながら、cool640の方向性を詰めていきました。
方向性が定まれば、あとは設計です。Keyboard Layout Editerのサイトで、片手分20キーの格子配列を作りました。そして、jsonファイルを書き出して、kicadのプラグインで読み込むと、あっという間に配列されたものができました。
ちょっと仕事で休みをもらっていた時期でしたので、すぐに作業に取り掛かることができました。
10cmX10cm以内のPCBで、#自作キーボード できるかなという課題の答えの一つです。#ラズパイpico か #promicro のどちらかで動くよう配線した、#cool640 になります。二つをケーブルで繋いで分割キーボードになる予定。まずは基板届いたので、先に届いていたアクリルと仮組みしました。 pic.twitter.com/L4Bbng5rMJ
— m.ki(エム キ) (@0002ozlet) March 8, 2022
その後、それに合わせたアクリルのスイッチプレイヤーとボトムプレート、カバープレートを設計して発注しました。
cool640の目標は、私が自作キーボードを作り始めた時に、とても重宝したSU120のように、安価で誰でも好きに発注できる自作キーボードの基板にしたいと思っていました。 それゆえ、あまり頒布することがメインでなく、各自がcool640のガーバーデータを発注して、自由にcool640を作ってもらえればいいかなと思っています。
#cool640 が届いて、動作確認ができたら、データはgithub上に置いて、「ご自由に発注してどうぞ」にしたいと思っています。最初の自作の時、#SU120 によって #自作キーボード の楽しさが増したので、その形に倣えたらいいなと思っています。
— m.ki(エム キ) (@0002ozlet) February 25, 2022
それでも発注することのハードルが高いと思う人のため、boothでの頒布もしています。 値段の方は、手間賃を含むと、1枚500円になってしまいますね。
cool640を作って使ってみると、「案外、オルソスタッガードって、いいかも」と思うようになりました。 普段は、ロウスタッガードの自作キーボードを主に使っていたのですが、cool640を作り、ちょっと使っていたら、運指が慣れたようです。 cool640の良いところは、製造コストが安価なことです。 そのため、派生機種を生み出しやすかったです。
#cool640 のPCBを連結する基板(右下のもの)を使うことで、40%一体型の #自作キーボード になります。#QMK_Firmware での総当たりマトリクスを採用することで、pro micro一つで動きます。#cool640x2 となります。#ラズパイピコ による #PRK_Firmware での動作確認はそのうちに。 #raspberrypipico pic.twitter.com/5gMo1oAi4M
— m.ki(エム キ) (@0002ozlet) May 23, 2022
cool640がある程度、満足いく結果になると、根が単純なので、「他の配列でも10cm以内のPCBで作ることができるんじゃないか」と考え始めました。
そこで設計したのが、cool536です。
昨日、思いつきで設計しました。先ほど、#elecrow に発注をかけました。先週も、#cool445 と名付けたものを発注して、今週は、#cool536 となる #100mmX100mm以内のPCB で作る #自作キーボード です。カラムスタッガードに挑戦です。夏休みを満喫できそうです。 pic.twitter.com/3cqAOGAGIp
— m.ki(エム キ) (@0002ozlet) July 17, 2022
カラムスタッガードに挑戦したため、配置場所の関係上、パイピコを載せるのが難しいと思い、pro microだけで、リバーシブルの基板となりました。
パイピコを外した分、空いたスペースに何か入れようと思った結果、現在のような、ロータリーエンコーダーが2個または、OLEDディスプレイ、追加基板を使ってPIM447trackballを追加できるような使用となりました。
Title:動いた! ボールが動いたよ! ○○えもん!
— m.ki(エム キ) (@0002ozlet) October 2, 2022
Keyboard:cool536 with trackball & knob
Keyswich: JWK JWICK フルナイロンT1タクタイルスイッチ
Keycap:白玉キーキャップ(へちょあまの工房@たねやつ支店)#俺キー #cool536 #KEEB_PD #KEEB_PD_R116 #自作キーボード #PIM447 pic.twitter.com/8qRGhjvJqs
ちょうど、cool536設計のちょっと前に、cool650にロータリーエンコーダーを載せたり、cool640にロータリーエンコーダーを載せたりと、私の中でロータリーエンコーダー祭りが開かれていました。
Title:New keyboard2
— m.ki(エム キ) (@0002ozlet) April 24, 2022
keyboard:cool650R
keycaps:NP PBT Keycaps
keyswitch:Invry x DROP Holy Panda#KEEB_PD #KEEB_PD_R93 #俺キー #自作キーボード #cool650 #cool650R pic.twitter.com/PxCwXcv8Am
GW最終日、前からの課題だった #cool640 の総当たりマトリクスの実験用配線(赤基板)と、ロータリエンコーダを5つ付けた #cool640R5 (紫基板)のハンダ付を終えました。ファームウェアは、次の週末の宿題です。前者は「工夫次第でpro micro一つで動くかも」と思ったものです。#自作キーボード pic.twitter.com/DAl291r6Ho
— m.ki(エム キ) (@0002ozlet) May 5, 2022
結局、ピン数の関係で、cool640のロータリーエンコーダーは難しいとわかり、諦めました。 cool650はロータリーエンコーダーも装着可の基板になりました。
ずっと仕事場でメインで使っているキーボードは、cool943Sという2年前にSU120で最初作って、その後、kicadで設計した40%分割キーボードです。
cool943Sは令和3年1月からSU120版を最初に、4月から自作PCB版を職場用で使っています。11ヶ月ですね。#自作キーボード #cool943S https://t.co/AVPrCr6xVL pic.twitter.com/epyWPKkHXT
— m.ki(エム キ) (@0002ozlet) November 21, 2021
長いこと、ロウスタッガードから離れられませんでした。
それが、10cm以内PCBで作る自作キーボードを目指した結果、「cool640でオルソスタッガードもいけるかも」と思うようになり、遂にcool536で「カラムスタッガードもいいかな」という境地に達しました。
最近、よく使っているのは、左右両方にPIM447trackballをつけたcool536です。
左右それぞれのconfig.hに#define MASTER_LEFTと#define MASTER_RIGHTと変えたファームウェアを入れた #cool536 です。ケーブルを繋いだ側のトラックボールが操作できます。#自作キーボード pic.twitter.com/ljtG2gHtbn
— m.ki(エム キ) (@0002ozlet) November 23, 2022
両方のボールを同時に動かすことができると面白いのですが、私の知識、技術ではよくわかりません。
自作ーボードでここまで、色々と(遊ぶことが)できたのは、n年目の初心者である私にとって、界隈の先人たちが残してくれた知識や技術のおかげです。
ありがとうございます。
これからもお世話になります。
まとまりませんが、このへんで。
明日は、素晴らしい自作キーボードを多く設計されているyfukuさんの「Chocな何か」です。とても楽しみです。
この記事は、cool536とMacBookPro、iPad Proで書きました。