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今年作った自作キーボードについて

Last updated at Posted at 2022-12-18

この記事は、自作キーボードのカレンダー19日目の記事になります。前回の記事は、
algさんの「RP2040で動作するキーボードファームウェアについて(2022年12月版)」でした。
私も一時期、RP2040対応の自作キーボードをいくつか設計したので、今回のまとめ記事を読むと、なんとなくわかったつもりだった部分やよくわかっていなかった部分を補うことができて、とても有益でした。ありがとうございました。

さて、この記事では、私(m.ki)が今年設計し、まあ、使えるようになった自作キーボードを紹介します。 

昨年末から年初にかけて、設計、完成したものは、cool650です。 

cool650は、15cmx10cm以内のPCBで作ること、ポゴピンでくっ付けて使う時は、TRRSケーブルが不要となること、そして、poker互換ケースに収納できることを課題として、設計しました。色々、詰め込んだので、大変でした。私の思う以上に、気になった方が多くいて、「ああ、オルソスタッガードって、人気あるんだな」と思いました。boothで頒布していますので、興味のある方はどうぞ。

次が、cool959です。
昨年秋から放置していたものを完成させました。 
boothでの頒布はしていませんが、9月の遊舎工房のフリマで頒布しました。といっても、一台も売れませんでした。

アリス配列、分割、数字行と、自分が欲しいと思った機能を全て入れてみた結果、「でかい、持ち歩きに向かない」となり、事実上、お蔵入りになりました。使うと、それなりに便利なのですが、30%や40%のキーボードを常用していると、60%のキーボードは大きく感じますね。 

ここまでの2台は、昨年設計したものを完成したものでした。 

cool936は、今年になってから構想し、設計したものになります。 
これは入手したQAZレイアウト用のキーキャップDSS Micoroに合わせる形で設計したものです。 
設計したキーボードに合うキーキャップでなく、 
キーキャップに合うキーボードを作ったということになります。 

cool936は、分割するロウスタッガードのキーボードへの提案として、合体時に、TとY、GとH、BとNの間が空いていても問題ないのではないか、そもそも分割を使うのだから、くっついている必要はないのではないかと考えました。 
そして、アクリル積層のケースの美しさは前からやってみたいと思っていました。cool950Sで、アクリル積層によるケースを試した時、PCB部分も積層に加えると、打鍵したときの力が逃げ場を失い、指に力が帰ってくると悪癖があるとわかりました。
個人の見解ですが、スイッチプレートと中間プレート、PCB、中間プレート、ボトムプレートのように積層で設計する方の自作キーボードをTwitterなどで見かけると、「あのキーボードは撫でうちでもしない限り、打鍵した力が指に帰ってきて、痛いんじゃないのかな」と思っています。
cool936では、PCBを一回り小さい外形にすることで、アクリル積層ケースの中に置き、前述のような打鍵時に感じる痛みが生じないようにしています。 
もっと良くしたいならば、ガスケットマウントにすればいいのでしょうね。
とても綺麗なキーボードになったので、自分としては最高傑作と思っています。 
ただし、キーレイアウトは万人向けでない、36キーしかないので、なんとも言えません。 

cool936では、左右の最上段のキー数を同数にして、バランスを取ったつもりが、ケースでは右側の方やや小さくなりました。 
その点を改善して、左右のケースを同じ大きさにしようとしたのが、cool939です。 

ちょうど、遊舎工房が春のキーボード祭りで、アクリルのレーザー加工半額セールだったので、それに合わせて発注しました。cool936もそうですが、アクリル積層をすると、押し出し材を選ばないと、交差の関係で、積層に隙間が生まれてしまいます。同時期に発注した別の会社では、押し出し材ではなかったようで、実用に耐えられませんでした。 

ケースのバランスを揃えると、キーレイアウトのバランスがそろわず、どちらが最適解か、わからなくなりました。 

2月下旬から3月末にかけて、長期休暇をもらいました。 
そのとき、設計したのが、cool640になります。 
詳細は、もう一つの自作キーボードアドベントカレンダーに記事を書きました。 

さらに、cool640をいじって、cool640x2という一体型の40%キーボードを作りました。 

長期休暇中に、他の方の設計した自作キーボードのテスターをやらせてもらう機会がありました。他の方の設計を見るのは、とても勉強になりました。
yohe氏、その節はありがとうございました。

夏になり、ちょっと時間的余裕ができて、cool640を活かしつつ、発展系を考えました。 
cool445です。 

仕事の関係で、年に3回ほど、テンキーを常用することがあります。
そういうときは、テンキーを付け足して、普段は外して40%キーボードとして使えるかなと、思いました。 
ただ、すでに分割キーボードに慣れた体には、cool445の使い勝手が悪かったです。 
お蔵入りしています。 
一応、boothにあります。 

cool445と同時期に思いついて発注したのが、cool536です。 

あまり期待しなかったのですが、拡張性を持たせたら、面白いキーボードになりました。 
最初はロータリーエンコーダーが使えて、初めてのOLEDディスプレイが付くので楽しいかなと思っていました。 

ちょうど、夏休みで、PIMONORIが安売りセールをしたので、PIM447trackballが40%引きで購入できたので、それをつけてみようと試行錯誤しました。

片手分のトラックボールでは飽き足らず、両方に取り付けるに至りました。 

今、一番使っているのは、cool536と思います。手元にトラックボールがあるのは、やはり便利ですね。

秋ごろ、Seeed XIAOを使ったキーボードコンテストがありました。それに合わせて、いくつか試作品を作りました。最終的に出品したのは、cool753rpでした。

詳細は、ここに載っています。 

今年最初に完成したcool650に数字行を加えたものとして、cool664を設計しました。 

私が設計した中で、一番キー数の多いキーボードになりました。 
boothで頒布したことろ、思ったより早くなくなったので、「私の嗜好と、世の中の自作キーボード好きが求めているものは、全く混じらないんだな」と思いました。 
こちらも、追加の在庫を、boothにおいてあります。

ここまで読んでくださった方、もう少しだけお付き合いください。 

AZ-COREやAZTOOLといった、QMK_Firmwareとは違ったアプローチでの自作キーボードに興味がありました。ただ、予算的な問題もあり、なかなか踏み出せませんでした。
ありがたいことに、cool650やcool664がちょっと売れたことで、お金が入ったので、AZ-COREやその他諸々を購入して、AZ-CORE対応のcool536azcoreを設計しました。 

そして、懲りずに両方に、AZ1UBALLをつけてみました。その際、パレットシステムさんが、「左右同時ならば、アドレスを変えますか」と提案してくれました。本当にありがとうございました。知らずに、購入していたら、大変でした。多分、改変する環境構築は、私の知識、技量を超えているので、不安しかありません。

無事に動きました。 
ツイートを見てくださった方からも、温かいメッセージをもらい、とても嬉しかったです。

そして、待望のアクリルが届いたので、早速装着しました。 

アクリルにはちょっとした工夫をしました。 

サムクラスタ部分と他の部分のスイッチプレートは別々にしていました。これで、大きく4パターンのキースイッチ選択ができます。 
1 全てchocにした薄型。 
2 全てcherryMXにしたもの。キースイッチやキーキャップの選択肢が多くなります。 
3 サムクラスタはchoc、他はcherryMXとして、親指付近の運指範囲にゆとりも持たせる。 
4 3の逆だが、効果はないと思う。逆チルトにもならないだろう。 

このほかにも、cool536でできた拡張性をくわえた、cool640の改良版となるcool644が控えています。

基板以外はcool640の部品(スイッチプレート、カバープレート、ボトムプレート)が使えます。カバープレートは拡張版に合わせて、別のものも使えるようにしました。この写真の後、配線ミスがわかったので、完成は来年になってからかなと思います。

n年目の初心者ですが、先人の知識により、設計するたびに新しい何かを付け加えることができています。 
私にとってのエンドゲームは、思い付かなくなった時に、達することができるのかもしれません。
ここまで読んでくださって、ありがとうございます。

次の記事はYuta Okuzonoさんの「Nuphy Air75のMODについて書こうかな…」になります。 
お楽しみに。 

この文章はcool536とMacBookProで書きました。

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