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スライサー(FDM式3Dプリンタ向け)の作成 其の12(ラフトモデル)

Last updated at Posted at 2017-01-15

1.はじめに

 ターゲットモデル(出力対象となるモデル)以外にも、スライサに必要な要素として、サポート/ラフト/スカート(ブリム)があります。
 ここでは、ラフトについての説明です。
 ラフトについては、其の5の2項を参照下さい。

 私は、普段利用しているSimplify3Dの生成するラフトが好きです。(あまり利用はしてませんが)
 ラフトの構造はSimplify3Dの生成するラフトを参考にしてます。

2.ラフトの構造

 Simplify3Dのラフトを調べたところ下図のような構造になっています。

キャプチャ0.JPG

高さ 間隔 角度 速度 補足
1,2 NW*1.250 (0.500) NW*2.0 (0.80) NW/0.175 (2.286) 90度 (X軸並行) DS*0.25 (6.25) base/外周有り
NW*0.940 (0.376) NW*1.6 (0.64) NW/0.512 (1.280) 0度 (Y軸並行) DS*0.50 (12.5) base
4~ NW*0.555 (0.222) NW*1.0 (0.40) NW/0.850 (0.470) -75度 DS*0.50 (12.5)
  • NW:ノズル径。()内数値はNW=0.4[mm]時の値
  • DS:基本速度。()内数値はDS=25[mm/s]時の値
  • 補足にbaseとあるものは、この部分だけ無しにすることがパラメータによりできる部分です。

 1,2層は、ゆっくりと間隔の広い太い線で出力し、3層で少し細くなり角度を90度変えています。
 4層以降は細い線でさらに角度を変えて密集させています。

 第1,2層についてはSimplify3Dでは輪郭となるループが存在しますが、本ソフトでは省略しました。(スカート/ブリムで代用できるので)

キャプチャ1.JPG

第1/2層
キャプチャ2.JPG
第3層
キャプチャ3.JPG
第4層
キャプチャ4.JPG

3.ラフトモデルの生成

  1. ターゲットモデルの第1層をスライスし、閉領域を求める。
  2. 閉領域をパラメータに従い拡大する。
  3. 閉領域をポリゴン化する。
  4. 平面ポリゴンからパラメータに従い、垂直方向(下)へ掃引した形状になるように立体化(モデル)する。
  • ラフトはこの後、上へ移動させます。

  • ラフトを生成する場合、ターケットモデルはラフトの高さ+オフセット(パラメータ)分、上方へ移動させます。

  • 任意のラフトモデルは3に相当するSTLファイルとする。
    指定されたラフトモデルの面の法線を整列(上向きへ)する。
    上記の1~3は実施しない。
    上記の4は同様に実施。

  • 1で求めた閉領域は、ターゲットモデルの接地面形状(平面)となる。

  • 2の閉領域の拡大は、そのXのアルゴリズムでパラメータを負数にしたもので行う。

  • 3については其の14 閉領域からのポリゴン化アルゴリズムを参照下さい。

  • 4については其の15 平面ポリゴンの立体化アルゴリズムを参照下さい。

4.ラフトモデルのスライス

 本ソフトでは、全層について、其の9 インフィルアルゴリズムのみで生成します。

5.おまけ

 ユーザ指定形状のラフト。
キャプチャ5.JPG

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