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Terraform for さくらのクラウド スタートガイド(第2回)

Last updated at Posted at 2016-05-24

2017/05追記

当記事の情報はすでに古くなっています。
新しい記事を投稿していますのでこれからTerraform for さくらのクラウドを利用される方はこちらを参照ください。

Terraform for さくらのクラウド スタートガイド(全5回)

こちらの記事は一応残しておきます。

連載目次

第1回:導入編

  • 概要
  • セットアップ
  • 実践 Step1:サーバー1台構成

第2回:実践編(当記事)

  • 実践 Step2:構成/設定の変更
    • リソースの追加
    • リソースの変更
    • count構文
    • output機能

第3回:実践編2

  • 実践 Step3:プロビジョニング
    • プロビジョニング接続設定
    • fileプロビジョニング
    • remote-execプロビジョニング
    • さくらのクラウドDNSリソースの利用

第4回:応用編

  • 実践 Step4:Web/DB 2-Tier構成
    • MySQLの利用
    • スイッチによるプライベートネットワークの構築
    • パケットフィルタ/シンプル管理:Slack通知の利用

第5回:応用編2

  • 実践 Step5:東京/石狩 マルチゾーン構成
    • 東京と石狩でマルチゾーン構成
    • GSLBによるゾーン間HA構成
    • MySQL レプリケーション + PHP(mysqlnd_ms)によるDBのクラスタリング
    • null_resourcetemplate_fileなどの特殊なリソース
    • tfファイルのリファクタリングとモジュール化

連載第2回です。
前回を読んでから当記事を読むことをお勧めいたします。

第2回サンプルコード / 第1回との差分表示


実践 step2: 構成/設定の変更

前回は以下のような構成でした。

前回の構成

servers.png

この構成に対し以下の変更を行ってみましょう。

  • SSH公開鍵をアップロードし、SSH認証で使う
  • SSHでは公開鍵認証のみ利用可能とする(パスワード、チャレンジ/レスポンス方式不可)
  • 同様の構成のサーバーを1台追加

今回変更後の構成

servers02.png

色が付いている部分が追加されるリソースです。

準備

SSH公開鍵を準備します。既にキーペアをお持ちの場合はそれを使っても良いですが、
今回は新たに生成したキーペアを利用します。

以下コマンドで、カレントディレクトリにid_rsaid_rsa.pubが生成されます。
途中パスフレーズを聞かれますが、何も入力せずEnterでOKです。
注:本番運用の際はパスフレーズの設定やキーの保管などに十分注意して運用ください。

$ ssh-keygen -C "" -f ./id_rsa
Generating public/private rsa key pair.
Enter passphrase (empty for no passphrase):  #何も入力せずEnter
Enter same passphrase again:                 #何も入力せずEnter

定義ファイルへの追記/編集

まずは定義ファイル(tfファイル)に追加/変更したい内容を記載していきましょう。
前回の定義ファイルは以下の通りでした。

sakura.tf(前回の内容)
provider "sakuracloud" {
    token = "[ACCESS_TOKEN]"
    secret = "[ACCESS_TOKEN_SECRET]"
}

resource "sakuracloud_disk" "disk"{
    name = "disk01"
    source_archive_name = "CentOS 7.2 64bit"
    password = "YourPassword"
}

resource "sakuracloud_server" "server" {
    name = "server01"
    disks = ["${sakuracloud_disk.disk.id}"]    
}

ここにリソースの追加/変更を記載していきます。

SSH公開鍵の登録

SSH公開鍵は以下のように記載します。

sakura.tf(SSH公開鍵の定義)
resource "sakuracloud_ssh_key" "mykey" {
    name = "mykey"
    public_key = "${file("./id_rsa.pub")}"
}

ポイントは"${file("./id_rsa.pub")}"の部分です。
tfファイルではterraform組み込みの関数を利用することができます。
${}の内側に呼び出したい関数を記載することで利用可能です。
今回はファイルから文字列を取得するfile関数を利用しています。

利用可能な関数の一覧はTerraformドキュメントを参照ください。

SSHで公開鍵認証のみ利用する

ディスクの定義を以下のようにすることでSSHで公開鍵認証のみを利用するように変更することができます。

sakura.tf(SSH公開鍵認証のみ許可する)
resource "sakuracloud_disk" "disk" {
    name = "disk01"
    source_archive_name = "CentOS 7.2 64bit"
    ssh_key_ids = ["${sakuracloud_ssh_key.mykey.id}"]
    disable_pw_auth = true
#    パスワード設定はコメントアウトまたは削除する
#    password = "YourPassword"
}

同様の構成のサーバを追加する(count構文の利用)

単純にserver01disk01の定義をコピーしてserver02disk02というのを追加しても良いのですが、terraformにはcountという、同じ構成のリソースを複数定義する機能があります。
今回はこれを使ってみましょう。DRYだね!DRYだよ!
(詳細はこちらのTerraformドキュメントに記載されています)

まずは単純にコピーした場合は以下のようになります。

sakura.tf(悪い例:コピペで作ったもの)
resource "sakuracloud_disk" "disk01" {
    name = "disk01"
    source_archive_name = "CentOS 7.2 64bit"
    ssh_key_ids = ["${sakuracloud_ssh_key.mykey.id}"]
    disable_pw_auth = true
}
resource "sakuracloud_server" "server01" {
    name = "server01"
    disks = ["${sakuracloud_disk.disk01.id}"]    
}

# コピペで以下を作成
resource "sakuracloud_disk" "disk02" {
    name = "disk02"
    source_archive_name = "CentOS 7.2 64bit"
    ssh_key_ids = ["${sakuracloud_ssh_key.mykey.id}"]
    disable_pw_auth = true
}
resource "sakuracloud_server" "server02" {
    name = "server02"
    disks = ["${sakuracloud_disk.disk02.id}"]    
}

countを使うと以下のように書けます。

sakura.tf(countを使う場合)
resource "sakuracloud_disk" "disk" {
    name = "${format("disk%02d" , count.index+1)}"
    source_archive_name = "CentOS 7.2 64bit"
    ssh_key_ids = ["${sakuracloud_ssh_key.mykey.id}"]
    disable_pw_auth = true
    count = 2
}
resource "sakuracloud_server" "server" {
    name = "${format("server%02d" , count.index+1)}"
    disks = ["${element(sakuracloud_disk.disk.*.id,count.index)}"]
    count = 2
}

${}構文と関数で実現します。以下の変数、関数を利用してます。
count.index : 0開始のインデックス
format : 書式設定した文字列を返す関数
element : 与えられた配列から指定の位置インデックスの要素を返す

すっきりした上に、今後台数を増やす場合もcountを変更すればいいですね!
なお、さくらのクラウドでは1ゾーンあたりサーバー20台まで作れます。
それ以上作る場合はゾーンを分けましょう。

定義ファイル(tfファイル)全体

tfファイル全体は以下のようになっているはずです。

sakura.tf(変更後)
provider "sakuracloud" {
    token = "[ACCESS_TOKEN]"
    secret = "[ACCESS_TOKEN_SECRET]"
}

resource "sakuracloud_disk" "disk" {
    name = "${format("disk%02d" , count.index+1)}"
    source_archive_name = "CentOS 7.2 64bit"
    ssh_key_ids = ["${sakuracloud_ssh_key.mykey.id}"]
    disable_pw_auth = true
    count = 2
}

resource "sakuracloud_server" "server" {
    name = "${format("server%02d" , count.index+1)}"
    disks = ["${element(sakuracloud_disk.disk.*.id,count.index)}"]
    count = 2
}

resource "sakuracloud_ssh_key" "mykey" {
    name = "mykey"
    public_key = "${file("./id_rsa.pub")}"
}

terraform planで確認

ではterraform planを実行してみましょう。
以下のようになるはずです。

qiita01.png

前回作成したサーバとディスクについては変更、それ以外のリソースは追加という扱いになっています。
これはterraform.tfstateという状態ファイルと現在のサーバの状態を
terraformが確認、差分を判定してくれているからです。

ではこれでインフラ構築してみましょう。

terraform applyで反映

terraform applyを実行しましょう。
上手くいきましたね?

確認

ではSSHでつないで確認してみましょう。
まずはサーバーのグローバルIPを確認します。
前回と同じくterraform showを使います。

グローバルIP確認
$ terraform show 

#関連部分だけ抜粋

sakuracloud_server.server.0: # 前回作ったサーバー
  base_nw_ipaddress = 153.120.91.9

sakuracloud_server.server.1: # 今回作ったサーバー
  base_nw_ipaddress = 153.120.92.251

では前回作ったサーバーへ向けてSSH接続してみましょう。

SSH接続(パスワード認証)
$ ssh root@[前回作ったサーバーのグローバルIP]
Permission denied (publickey). #公開鍵認証しかダメ

エラーになりました。
これはパスワード認証しようとしたからですね。今度は公開鍵認証するために秘密鍵を指定してみます。

SSH接続(公開鍵認証)
$ ssh root@[前回作ったサーバーのグローバルIP] -i ./id_rsa
# ログイン成功するはず!

つながりましたね?
同様に今回作ったサーバーにも繋がるはずです。

応用:Outputの追加

さて、グローバルIPの確認に毎回terraform showするのも面倒です。
TerraformのOutput機能を使って、この辺を楽にしてみましょう。

Outputとは

その名の通り、Terraformからの出力を定義するものです。
主にterraform showで確認できる値を出力するのに利用します。

定義ファイル(tfファイル)に以下のように記載してみましょう。

sakura.tf(Output定義)
output "global_ip" {
    value = "${join("\n" , formatlist("%s : %s" , sakuracloud_server.server.*.name , sakuracloud_server.server.*.base_nw_ipaddress))}"
}

outputを利用するには以下のコマンドを実行します。

$ terraform output [定義したoutputの名前]

今回はglobal_ipという名前で定義しましたのでterraform output global_ipを実行します。

$ terraform output global_ip

server01 : 153.120.91.9
server02 : 153.120.92.251

これで確認が楽になりました。

まとめ

今回は

  • リソースの追加(SSH公開鍵、サーバーとディスク)
  • リソースの変更(SSH公開鍵認証以外の無効化)
  • count構文の利用
  • output機能の利用

を行いました。実際の作業は前回と同じく

  • 定義ファイル(tfファイル)を作って
  • terraform planで確認して
  • terraform applyでインフラ構築実施

という流れでしたね。Terraformでのインフラ管理はこのサイクルを回していくということです。
定義ファイルは単純なテキストファイルな上、キーペアなどの必要なファイルも
手元に置いておけますので、バージョン管理システムと組み合わせればPullRequest駆動の
インフラ調達なんていうのもできちゃいますね :bangbang:

さて、次回は作ったインフラ、特にサーバーに対してのプロビジョニングを行ってみます。
chefansibleシェルコマンドなどで作ったサーバーをセットアップできる機能です。
お楽しみに :bangbang:

次回:実践 Step3:プロビジョニング

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