昨今、様々なSaaSが提供され、企業において複数のSaaSを活用することが一般化しています。しかし、社員数の増加や多岐にわたるサービスの導入により、SaaS管理が煩雑化していることはないでしょうか。SaaSを適切に管理することは、効率的な業務遂行や費用の見直し、さらにはセキュリティリスクを軽減する上で非常に重要です。
そこで今回は、SaaS管理ツールとは何か、その選び方のポイントやおすすめのサービスについて詳しくご紹介します。企業が効果的にSaaSを活用するための手助けとなる情報をお届けします。
SaaS管理ツールとは
SaaS管理ツールとは、企業が導入する複数のSaaS(Software as a Service)を、一元管理するためのツールです。クラウド上でホスティングされ、ユーザーはインターネット経由でアクセスすることができます。SaaS管理ツールは、企業が様々なSaaSプロダクトを適切に利用し、業務効率を向上させる手助けをします。
SaaS管理ツールは主に、ユーザー管理、リソース管理、データ分析、セキュリティ対策などの機能を持っています。また、APIやインテグレーション機能を用いて、他のプラットフォームやツールとの連携も可能です。複数のSaaSサービスを一つのインターフェースから操作できることで、業務がよりスムーズに進行するでしょう。
現在、様々なSaaS管理ツールが市場に存在します。本記事ではこれらのツールの中からおすすめの7選を紹介し、選び方のポイントについても解説します。
SaaS管理ツールの選び方
1. 目的に合った機能を持つツールを選ぶ
SaaS管理ツールを選ぶ際、まず考慮すべきは自身の業務に必要な機能です。まずは、自分たちがどのような業務を行っているのか、どのようなプロセスを効率化したいのかを明確にしましょう。
例えば、ユーザー管理に特化した機能を求めるのか、データ分析やコスト管理のための機能を重点的に探しているのか、具体的なニーズを洗い出しましょう。また、APIやインテグレーション機能が必要かどうかも検討するポイントです。これにより、複数のSaaSツールとの連携がスムーズになり、業務がより効果的に運営できるようになります。
2. コストパフォーマンスを評価する
SaaS管理ツールには無料プランから高額なサブスクリプションまで、様々な価格帯があります。予算に応じた選定が求められますが、単に安価なだけではなく、機能とのバランスを考慮しましょう。
例えば、初期投資が高くても長期的に見て業務の効率化やコスト削減が見込めるツールであれば、結果的にはお得になることがあります。また、無料トライアルを提供しているSaaS管理ツールもあるため、実際に使用してみて、自社に合うかどうかを判断すると良いでしょう。コストは大切ですが、最終的には効果的に業務をサポートできるツールを選ぶことがポイントとなります。
3. サポート体制を確認する
最後に、サポート体制の充実具合も重要な選択基準の一つです。新しいツールを導入する際には、使い方やトラブルシューティングで困ることも少なくありません。そのため、しっかりとしたサポート体制が整っているSaaS管理ツールを選ぶことが望ましいです。
具体的には、オンラインヘルプやFAQ、チャットサポートなどが利用できるかどうかです。ユーザーコミュニティやフォーラムもあると、使い方に関する情報や活用例などを得やすくなります。導入後のストレスを軽減するためにも、サポートが充実しているかはしっかりと事前に調査しておくべきです。これにより、導入してからも安心して活用を続けることができるでしょう。
SaaS管理ツールの比較
1. マネーフォワード Admina
マネーフォワード Adminaは、SaaSからITデバイスまで、様々なサービスを一元管理できるツールです。連携できるSaaSは300以上。デバイス管理に最適な項目が用意され、在庫管理など、デバイス全体を一覧にできます。
数あるSaaSの契約管理機能もあり、登録された契約情報を一覧表示して、リマインダーを設定することもできます。また、「SOC2 Type2 報告書」を受領しているなど、セキュリティ対策もされているため、安心して使用できます。
料金
- スタートアップ無料プラン:無料
- 51ID 以上の企業:¥300/月(1IDあたり)
- 300ID 以上の企業:お問い合わせ
詳細は公式ページでご確認ください。
2. Josys
出典:Josys
Josys(ジョーシス)は、企業が持つ多様なSaaSアプリケーションを一元管理できるツールです。すべてのSaaSを一目で確認でき、効率的な管理が可能になります。未承認のアプリや不適切なユーザー、過剰な権限などを把握して、対処することも可能。
活用していなかったり未割当のライセンスを特定して、SaaSコストの最適化ができます。700社以上への導入実績があり、従業員数は11〜50人の企業もあれば、1,000〜10,000人の企業もあり、幅広い規模の企業で活用できます。
料金
詳細は公式ページよりお問い合わせください。
3. Bundle
出典:Bundle
Bundleは、freeeが提供するSaaS管理ツールで、IT企業や大手企業に多数活用されています。BundleではSaaSアカウントの棚卸しや自動発行・削除、セキュリティリスクの感知などが、オールインワンで提供されています。
SaaS以外にも、社内外へ共有したままのファイルを可視化して閲覧権限削除をできたり、備品や端末などの資産管理台帳機能を備えていたりするため、社内のツールやファイル管理にも活用できます。
料金
詳細は公式ページでご確認ください。
4. デクセコ
出典:デクセコ
デクセコは、SaaSアカウント管理の効率化と、費用対効果の最大化を目的としたSaaS管理ツールです。SaaSの契約やアカウントの管理から、PCやスマートフォンなどのIT資産まで管理できます。
デクセコを活用すればSaaSを手動で管理する必要がなくなり、さらに各ユーザーのSaaS利用状況を把握できます。そうすることで、新ツール導入や、使用されていないSaaSの継続判断がしやすくなります。また、企業が使用許可をしていないIT機器やツールなどを把握できるため、セキュリティリスクの管理にも役立ちます。
料金
1ヵ月の無料トライアルあり。 料金の詳細は公式ページよりお問い合わせください。
5. ITboard
出典:ITboard
ITboardは、ソフトバンクのグループ会社であるアイティクラウド株式会社が提供するSaaS管理ツールです。SaaSサービスの利用状況や費用をダッシュボードで可視化でき、全社や組織別、製品別に分析可能です。SAML認証を導入し、ユーザー自身が簡単に登録できます。
ITboardでは、従業員が許可なしに使用しているSaaSを把握したり、すでに使用していないアカウントを特定したりして、情報漏洩のリスクを減らすことができます。また、適正利用を促進することで、過剰費用の支払いを防いだり、契約の見直しを行ったりできます。複数あるSaaSの管理に役立ちます。
料金
- スタンダードプラン
- プレミアムプラン
機能や接続可能サービス数によって変わります。 詳細は公式ページでご確認ください。
6. ワスレナイ
出典:ワスレナイ
ワスレナイは、株式会社SHIFTが提供する、SaaSやIT資産を一元管理できるツールです。導入社数は1,600社を突破、ユーザー数は40万を突破しています。社内で利用しているSaaSの数やアカウント数、費用や契約更新時期など、SaaSに関する契約情報を集約するため、効率的な管理を実現できます。
また、無許可で使用されているソフトウェアを検知して、削除もしくは承認を提供することで、セキュリティ強化につなげられます。
料金
詳細は公式ページでご確認ください。
7. OPTiM サスマネ
出典:OPTiM サスマネ
OPTiM サスマネは、企業が保有するSaaSサービスを一元管理できるプラットフォームです。業務における様々なプロセスを効率よく回すことができます。コスト管理やサービスの利用状況をリアルタイムで確認することができ、適切な意思決定をサポートします。
さらに、多様なインテグレーションAPIを提供しているため、他のシステムとの連携も容易です。企業のニーズに合わせたカスタマイズも可能で、フレキシブルに対応できる点も魅力です。
料金
詳細は公式ページでご確認ください。
まとめ
近年、SaaS管理ツールは業務効率を向上させるための重要な手段として注目されています。特に、リモートワークの普及やデジタル化の進展により、その必要性が高まっています。この記事では、SaaS管理ツールの基本的な概念や選び方、またおすすめのツール7選について詳しく解説してきました。最適なSaaS管理ツールの選定に役立ててください。
よくある質問
Q. SaaS管理ツールにはどのような機能がありますか?
SaaS管理ツールには、ユーザー管理、リソース管理、データ分析、セキュリティ対策などの機能があり、複数のSaaSサービスを効果的に管理できるようになります。また、APIを用いた他ツールとの連携や、モニタリング機能を通じて業務状況をリアルタイムで把握することも可能です。
Q. どのようにして最適なSaaS管理ツールを選べばよいですか?
まず自社の業務のニーズを明確にし、それに合った機能を持つツールを探すことが重要です。また、コストパフォーマンスやサポート体制の有無を確認することも大切です。これにより、業務に最も適したツールを見つけることができます。
Q. SaaS管理ツールには無料プランはありますか?
無料プランやトライアルプランを提供しているSaaS管理ツールもあります。これを利用して、実際に使い勝手を確認できるため、自社に合ったツールかどうかを判断する良い機会となります。