ネットワークの安定性を確保するためには、適切な「ネットワーク監視ツール」が欠かせません。しかし、ツールの選定は多くの選択肢があるため、エンジニアには悩みの種です。
本記事では、ネットワーク監視ツールの機能や選び方を詳しく解説し、特におすすめのツールをピックアップして比較します。フリーソフト、WindowsやMacに対応したものなど、読者のニーズに合った監視ツールの選定に役立つ情報を提供いたします。ぜひ参考にして、効果的なネットワーク監視を実現してください。
ネットワーク監視ツールとは
「ネットワーク監視ツール」とは、ネットワークの健康状態やパフォーマンスを継続的にチェックし、問題を早期に発見するためのソフトウェアやシステムです。これらのツールはデータトラフィックのモニタリング、サーバーやデバイスの可視化、アラート通知など、様々な機能を備えています。活用することで障害検知が迅速に行なわれ、システムのダウンタイムを最小限に抑えることが可能です。
多くの企業がテレワーク環境を取り入れた現在、ネットワークの可視性がますます重要になっています。また、市場にはフリーソフトから商用ツールまで多様な選択肢があり、WindowsやMacに対応したものも揃っています。本記事では、ネットワーク監視ツールの選び方やおすすめを紹介し、各ツールの特徴と利点を詳解します。
ネットワーク監視ツールの選び方
1. 機能の充実度
ネットワーク監視ツールを選ぶ際に最も重視すべきポイントの一つが、提供される機能の充実度です。機能には、トラフィックの可視化、リアルタイムでの監視、障害検知、アラート設定、ログ分析などが含まれます。これらの機能は、ネットワークの状態を把握し、問題が発生した際に迅速に対応するために不可欠です。
特に、トラフィック監視機能は、通常の使用状況を理解した上で、不正アクセスやボトルネックの早期発見に繋がります。また、ログ分析機能は、過去のデータを参照し、トラブルの根本原因を探るのに役立ちます。まずは、必要な機能をリストアップし、自社のニーズに合致するツールを探してみましょう。
2. ユーザーインターフェース(UI)
ネットワーク監視ツールの選定において、UIも重要な要素です。特に、エンジニアが忙しい業務の中でネットワークの状態を素早く把握できるようにするためには、一目で状況がわかるダッシュボードや視覚的なグラフなどが重要です。特に、ログイン後すぐに主要情報が確認できる設計が望ましいでしょう。ツールの使い勝手は、エンジニアの生産性に大きな影響を与えるため、デモ版や試用版を利用して実際の操作感を確認することをおすすめします。
3. サポート体制とコミュニティ
選んだネットワーク監視ツールのサポート体制も重要です。導入後のトラブルシューティングや使用方法についてのサポートが充実しているかどうか、オンラインマニュアルやFAQが整備されているかを確認しましょう。
また、ユーザーコミュニティやフォーラムが存在する場合、他のユーザーからのフィードバックやノウハウを得るチャンスも広がります。特に新しい機能やバグ修正が行われた場合、ユーザー同士での情報交換が非常に役立つことがあります。一定のサポートが受けられるかどうか、事前に確認することが、安心してツールを使用できるポイントになります。
ネットワーク監視ツールの比較
1. Datadog
出典:Datadog
Datadogは、多様なITインフラを一元的に監視できる先進的なツールです。数ある事象を関連付けて分析でき、可観測性を高められます。特にクラウドサービスやコンテナ環境において、その真価を発揮します。インフラストラクチャやアプリケーションパフォーマンスの監視、ログ管理を統合もしくは自動化することで、テクノロジースタック全体をリアルタイムかつ一元的に監視できるようになります。
Datadogの強みは、様々な統合機能にあります。数百種類のメーカーやサービスと連携できるため、自社のニーズに合わせた運用が可能です。さらに、カスタマイズ性も高く、チームの要件に応じてダッシュボードやアラートを設定することができます。
料金
- Free:$0(最小価格)
- Pro:$18.75(最小価格)/月
- Enterprise:$28.75(最小価格)/月
詳細は公式ページでご確認ください。
https://www.datadoghq.com/ja/pricing/?product=infrastructure-monitoring#products
2. New Relic
出展:New Relic
New Relicを活用すると、開発者はAPIのパフォーマンスをリアルタイムで監視し、エラーの発生状況やレスポンスタイムを詳細に分析できます。ボトルネックや障害を迅速に特定し、最適化のためのデータに基づいた意思決定が可能になります。
また、New Relicは、様々なプログラミング言語やフレームワークに対応しています。さらに、ダッシュボードやアラート機能が充実しており、チーム全体で迅速に対応できる体制を整えることができます。
料金
公式ページでご確認ください。
https://newrelic.com/jp/pricing
3. Splunk
出展:Splunk
Splunkは、データ分析と可視化に特化した強力なツールです。様々なソースからリアルタイムでデータを収集し、意味のある情報に変換することで、企業のITインフラストラクチャやアプリケーションの健全性を監視します。使いやすいダッシュボードやビジュアライゼーション機能を提供し、運用チームが迅速に問題を特定し、適切な対策を講じる助けとなります。
スケーラビリティもSplunkの強みです。また、機械学習機能を搭載しているため、異常検知や予測分析も実施でき、IT運用の効率化を図ります。さらに、セキュリティ分析やシステム監査など、セキュリティ領域でも広く利用されています。多彩なアプリケーションと統合できるAPIも提供されており、企業のニーズに合わせたカスタマイズが容易で、ビジネスの成長を支える強力なツールとなっています。
料金
公式ページでご確認ください。
https://www.splunk.com/ja_jp/products/pricing.html
4. Site24x7
出典:Site24x7
Site24x7は、SaaS型のネットワーク監視ツールで、サーバーやウェブサイト、アプリケーションのパフォーマンスを監視するための機能を提供します。全世界100以上の監視ロケーションと、プライベートネットワーク内から、Webアプリケーションとインターネットサービスの稼働時間や詳しいパフォーマンスを取得できます。
このツールでは、リアルタイムでトラフィックを検出し、多様なレポート生成が可能。可視化されたダッシュボードでは、監視中のリソースのパフォーマンスを一目で把握できます。また、モバイルデバイスからもアクセス可能なため、外出先でもネットワーク状態をチェックすることができます。
料金
非従量課金のため、請求額の変動はありません。
クラウド監視、サーバー監視、アプリケーション性能監視(APM)などによって、様々なプランが用意されています。
詳細は公式ページでご確認ください。
https://www.site24x7.jp/pricing.html
5. Mackerel
出典:Mackerel
Mackerelは、株式会社はてなが提供する可観測性プラットフォームで、特にサーバーやインフラの監視に強みを持ちます。導入は、サーバーに監視エージェントをインストールするだけと、簡単。SlackやMicrosoft Teamsなど、様々なコミュニケーションと連携できるため、チームで活用する際にも便利です。
また、プラグインを用いれば、様々な環境に対応できます。プラグインはOSSで公開されています。独自に拡張することも可能。サポートに関しては、テクニカルサポート、導入・活用支援、充実のドキュメントなどがあるため、このようなツールに不慣れな方でも安心して使い始められます。
料金
詳細は公式ページでご確認ください。
https://ja.mackerel.io/pricing
6. Zabbix
出典:Zabbix
Zabbixは、オープンソースのネットワーク監視ツールで、サーバー、ネットワーク機器、アプリケーションのパフォーマンスをリアルタイムで監視するための強力なソリューションです。世界中で300,000以上インストールされており、グローバルブランドにも信頼されています。
ダッシュボードはカスタマイズ可能で、視覚的にデータを表示する機能があり、トラフィックの可視化やシステムの状態を一目で確認できます。Zabbixは、エンタープライズ環境にも対応できるスケーラビリティを持ちながら、無償で利用できる点が大きな魅力です。
料金
無料(オープンソース)
7. パトロールクラリス
出典:パトロールクラリス
パトロールクラリスは、株式会社コムスクエアが提供するサーバ監視・ネットワーク統合監視ソリューションで、4,000社以上の情報システム部門を支えています。エージェントのインストール作業やバージョンアップなどの対応が不要で、稼働しているシステムを停止させることなく導入できます。また、複数製品でカバーすることもあるサーバ監視とネットワーク監視を一元化できる点も魅力です。
このツールは、日本のビジネス環境に合わせた機能が豊富で、ユーザーサポートが充実しています。また、柔軟なライセンス体系が用意されており、導入コストを抑えつつ、必要な機能を効率よく利用できます。パトロールクラリスの導入により、IT管理のリスクを軽減し、業務の継続性を支えます。
料金
詳細は公式ページでご確認ください。
https://patrolclarice.jp/licence
8. LogicMonitor
出典:LogicMonitor
LogicMonitorはクラウドベースの監視プラットフォームで、サーバー、ネットワーク、クラウドサービス一体の監視を行います。導入企業数は2,000社以上の実績を持つ、アメリカトップクラスのSaaS型IT統合監視サービスです。また、エージェントレスのため、監視対象のデバイスごとにエージェントをインストールする必要はなく、導入が簡単で、すぐに利用開始できます。
監視テンプレートが豊富で、かつUIが直感的であるため、運用チームは容易にダッシュボードを設定でき、常時監視が行いやすいのが特徴です。また、高度なアラート機能により、問題が発生した際に即座に適切な対応ができます。LogicMonitorはスケーラビリティが高く、様々なビジネスニーズに対応できます。
料金
詳細は公式ページでご確認ください。
https://logicmonitor.saaspresto.jp/
9. PRTG Network Monitor
PRTG Network Monitorは、ネットワークのトラフィックやリソースを包括的に監視するためのツールです。SNMPやWMIといった様々なプロトコルに対応しており、詳細なメトリクスデータを収集します。特に、グラフ化されたデータは視覚的に理解しやすく、ネットワーク状態の把握を簡単にします。
このツールの利点は、ユーザーが必要なセンサーを自由に追加できる点にあります。これにより、特定のニーズに応じた設定が可能で、柔軟に運用できます。また、アラート機能も充実しており、異常を即座に検知し、通知を受け取ることができるので、迅速な対処が可能になります。PRTGは使いやすいインターフェースを持ち、初心者でも扱いやすい設計です。
料金
- PRTG 500:$2,149/年
- PRTG1000:$3,899/年
その他のプランもあり。詳細は公式ページでご確認ください。
https://www.paessler.com/pricing
まとめ
ネットワーク監視ツールは、企業のITインフラの健全性を維持するために欠かせない存在です。特に、サーバーやネットワーク機器のパフォーマンスをリアルタイムで把握することは、業務の継続性に影響を与えます。多くの選択肢がある中で、自社のニーズに最適なツールを見つけることが重要です。
選び方のポイントとしては、機能の充実度、ユーザーインターフェース、サポート体制が挙げられ、それに応じた比較情報やランキングも提供しています。これらの情報を参考にして、自社に最も適した監視ツールを見つけ出し、効果的なネットワーク管理を実現しましょう。
よくある質問
Q. ネットワーク監視ツールとは何ですか?
ネットワーク監視ツールは、ネットワークの健康状態やパフォーマンスを継続的にチェックし、問題を早期に発見するためのソフトウェアです。データトラフィックのモニタリング、サーバーやデバイスの可視化、アラート通知機能を備えており、障害検知が迅速に行われます。
Q. ネットワーク監視ツールを選ぶ際のポイントは?
機能の充実度、ユーザーインターフェースの使いやすさ、サポート体制の確認が重要です。自社のニーズに合った機能を提供するツールを選ぶことが、効率的な監視を実現します。
Q. どのように監視データを分析するのですか?
ほとんどのネットワーク監視ツールは、収集したデータを視覚化する機能を備えています。これにより、トラフィックの傾向を把握し、異常があった場合でも迅速に対応できます。プラットフォームによっては、詳細なレポートを作成するオプションも提供されています。