議事録作成ツールとは
議事録作成ツールとは、会議や打ち合わせなどで発生する内容を効率よく記録し、共有・管理するためのツールです。手作業での議事録作成では時間や手間がかかりますが、議事録作成ツールを利用すれば、そのプロセスを簡略化できます。
議事録作成ツールの多くは、ZoomやGoogle Meetなどの外部サービスと連携して使用します。ZoomやGoogle Meetにも文字起こし機能はついていますが、議事録作成ツールを使えば見出しや要約機能を用いてより分かりやすく出力したり、業種や企業ごとに使われる単語を設定して、文字起こしの精度を高められたりします。これらの機能によって、会議が終わり次第スムーズに議事録を作成できるでしょう。
「令和5年度 テレワーク人口実態調査」(出典:総務省)によると、雇用型就業者で過去にテレワークをしたことがある人のうち、1週間に1日以上テレワークを実施する人の割合は、令和5年度時点で70%を超えています。テレワークでは対面でのコミュニケーションが減少し、オンラインでの会議ややり取りが主流になるため、情報の共有や意思決定の過程を明確に記録する必要性が高まります。議事録作成ツールは会議の内容を正確に伝えて参加者間での理解を深めるために、重要な役割を担うでしょう。
出典:総務省
多くの議事録作成ツールは音声を自動で文字起こしする機能を備えており、会議中の発言内容をリアルタイムでテキスト化します。また、クラウド連携機能により、作成した議事録を即座にチームメンバーと共有できる場合も多いです。議事録作成をツールに任せることで、会議に集中しやすくなり、発言やディスカッションの活性化にも繋がるでしょう。
このように、議事録作成ツールは会議の生産性向上や情報共有の迅速化をサポートする重要なツールとして注目されています。オンライン会議だけではなく、オフラインでのやり取りでも役立ちます。自社や個人の用途に合ったツールを選び、ご自身の業務に役立ててください。
議事録作成ツールの選び方:3つのポイント
1. 自社の業務フローに合った機能があるか
議事録作成ツールを選定する際に最も重視すべき点は、そのツールが自社の業務フローや利用シーンに適しているかどうかです。例えば、会議の録音をその場で文字起こししたい場合はリアルタイム音声認識機能が必要です。また、発言者を識別する機能やキーワードを自動抽出する機能があれば、議事録作成の精度をさらに高められます。
さらに、オンライン会議で使用する場合には、ZoomやMicrosoft Teamsといったプラットフォームとの連携機能が求められることもあります。一方で対面会議が中心の企業では、スマートフォンやタブレットを使ったシンプルな音声録音や文字起こしツールが適している場合もあります。このような機能の選定は、自社の会議スタイルや業務内容を把握することから始めると良いでしょう。
2. 料金プランと導入後のコスト
議事録作成ツールの料金プランは、無料プランから月額制のものまで様々です。導入時には初期費用だけでなく、継続して利用する際のランニングコストを計算しましょう。
無料プランを検討する場合は、機能制限や使用可能なデバイス数の上限などを確認しましょう。課金制の場合は、利用人数や追加機能によって料金が変動する場合があります。例えば、多人数での利用を想定している場合には、ライセンス制やチーム向けのプランが提供されているツールを選ぶことで、コストパフォーマンスが向上する可能性があります。
3. 操作性とサポート体制を確認する
どれだけ高機能なツールでも、操作が複雑すぎると利用が定着しない恐れがあります。そのため、操作画面が分かりやすいかどうかを確認しましょう。多くのツールでは無料トライアルが提供されているため、実際に使ってみて、操作性を判断することができます。
さらに、トラブルや疑問に対応できるサポート体制があるかどうかも重要です。特に業務で頻繁に利用するツールでは、問い合わせ対応が迅速かつ丁寧だったり、オンラインマニュアルやFAQが充実していたりすると安心につながります。
これらのポイントを押さえて、利用シーンや予算に合った議事録作成ツールを選定しましょう。まずは自社のニーズを整理し、それに最適なツールを検討してみてください。
議事録作成ツールのおすすめ8選
1. スマート書記
出典:スマート書記
概要
スマート書記は、議事録などの様々なドキュメントを作成するAI議事録作成サービスです。AIを活用して自動的に文字起こしを行ってくれます。文字起こしされた文章が録音された音声と紐づいているため、聞き直したい箇所にも簡単に遡ることができます。
特徴
- 高精度文字起こし:90%以上の精度で音声をテキスト化します。
- AIによる自動要約・要点抽出:長時間の会議内容から重要なポイントを自動で抽出し、要約を生成します。
- 多様な会議形式に対応:経営会議、部内会議、人事面接、商談など、さまざまなシーンで利用可能です。
金額
- 基本料金:10,000円/月〜
- AIパック:15,000円/月〜
- 無料トライアル:14日間
詳細は公式サイトでご確認ください。
2. Notta
出典:Notta
概要
Nottaは、AIを活用した文字起こしサービスで、音声データを自動的にテキスト化します。日本語を含む58言語に対応し、多言語環境での利用が可能です。
特徴
- リアルタイム文字起こし:会議中にリアルタイムで音声をテキスト化し、ZoomやGoogle Meetなどの主要なWeb会議ツールとも連携可能です。
- AI要約機能:AIが会議内容を自動で要約し、要点を抽出します。
- 多様なデバイス対応:PC、スマートフォン(iOS/Android)、タブレットから利用でき、データはクラウドで同期されます。
金額
- プレミアム:1,317円/月
- ビジネス:2,508円/月
- エンタープライズ:要相談
- 無料プランでは、月120分まで利用可能
詳細は公式サイトでご確認ください。
3. Rimo Voice
出典:Rimo Voice
Rimo Voiceは、日本語に特化したAI文字起こしサービスです。1時間ある音声データを、およそ5分で文字起こしします。マイク機能でその場での録音も可能です。会議やセミナー、インタビューなど、様々なシーンで役立つでしょう。録音された音声はクラウドに保存され、テキスト化されたデータはすぐに確認可能です。
特徴
- ノイズ除去やフィラー除去機能:周囲の雑音を自動で除去したり、発言の合間にある意味をなさない言葉を削除します。
- 単語登録:社内でよく使われる用語や専門用語をあらかじめ登録できます。
- 様々なオンライン会議ツールとの連携:Zoom、Microsoft Teams、Google Meetに対応しています。
料金
個人向けと法人向けのプランがあります。詳細は公式サイトでご確認ください。
4. AI GIJIROKU
出典:AI GIJIROKU
概要
AI GIJIROKUは、AI要約機能や清書機能などを備え、会議やセミナーの音声を高精度でテキスト化します。音声認識制度は99.8%を誇り、チームメンバーの発言が正しく記録されます。リアルタイムでの翻訳は30ヶ国に対応しているため、他言語を話す人との会議でもコミュニケーションを取りやすくなります。
特徴
- 高精度文字起こし:99.8%の音声認識精度で、発言を正確に記録し、情報共有がスムーズになります。スピーカーやイヤホンなど、使用するものに環境にも適応します。
- リアルタイム翻訳:日本語や英語をはじめ、中国語、フランス語、ドイツ語など、30ヶ国語という多言語に対応しています。
- 業種別音声認識:金融・医療・保険・自治体など、業界特有の専門用語や表現にも対応した音声認識機能を備えています。
金額
- 個人プラン:1,500円/月
- 法人プラン:200,000円/月
※月払いの場合 詳細は公式サイトでご確認ください。
5. AutoMemo
出典:AutoMemo
概要
AutoMemoは、ソースネクスト株式会社が提供する、ブラウザで完結する文字起こしAIサービスです。直接PCで録音をして、自動でテキスト化や要約を行います。会議やセミナー、インタビューなど、様々な用途で活用されています。録音した音声は容量無制限でクラウドに保存され、テキスト化されたデータを即座に確認可能です。
特徴
- 文字起こし精度の高さ:ソースネクストがAI通訳機「ポケトーク」で蓄積したノウハウを、AutoMemoにも活用。またOpenAI社の音声認識モデルを含むAIテクノロジーを採用しており、高精度な日本語変換を実現しています。
- 多言語対応:日本語、英語、中国語など、あわせて72言語に対応しています。録音開始前にテキスト化したい言語を設定します。
- 要約機能:録音から議事録作成まで完結します。GPT-4を一部採用した、高精度な要約です。
- 高精度のノイズキャンセル機能: 録音中の雑音を抑え、音声を明瞭に記録します。
金額
- お試しプラン:無料
- スタンダードプラン:1,280円/月
- プレミアムプラン:1,980円/月
その他、法人専用プランもあります。詳細は公式サイトでご確認ください。
6. AI議事録取れる君
出典:AI議事録取れる君
AI議事録取れる君では、マイクからの音声を、AIが即座にテキストに変換し、議事録作成の効率化を実現します。文字起こしが終わると、自動的に小見出しや箇条書きなどを用いて要約してくれます。Zoom、Microsoft Teams、Google Meetとの連携も可能です。
特徴
- 話者識別:複数人の会話において、話者を識別してくれます。
- 翻訳機能:発話言語と翻訳先言語を設定すると、90以上の国と地域の言語を、主要な16の言語に翻訳できます。
- 単語の登録:社内や業界でよく使われる用語や固有名詞などを登録できます。認識しやすくなり、出力されるテキストの精度が高まります。
- 形式選択・ダウンロード:作成した議事録のダウンロード形式を、Microsoft Word、CSV、Markdownから選択できます。
料金
- Enterprise:5,500円/月〜(税抜)
- Personal:990円/月〜(税抜)
規定の収録時間を超えると、従量課金が適用されます。詳細は公式サイトでご確認ください。
7. ScribeAssist
出典:ScribeAssist
ScribeAssistは、音声録音をテキストに変換し、その後の編集や要約もサポートする、AI音声認識を活用した議事録作成を自動化するツールケーションです。ChatGPTとの連携によるAI要約機能も搭載しており、議事録作成の手間を大きく軽減します。
特徴
- インターネット不要で情報漏洩リスクを最小化:インストール型ツールケーションのため、インターネット接続なしで使用可能です。機密情報を扱う会議でも、情報漏洩リスクを最小限に抑えられます。
- 利用シーン:リアルタイム認識とファイル認識の両方に対応しています。商談や打ち合わせ、面談、インタビュー、テレワークや対面での会議、講演会など、様々なシーンで活用できます。
料金
オープン価格 詳細は公式サイトでご確認ください。
8. SecureMemoCloud
SecureMemoCloudは、Nishika株式会社が提供するAI議事録ツールで、会議音声から議事録自動作成を支援します。世界最高水準の96.2%という高精度な音声認識AIを搭載し、ノイズが多い音声でも高い文字起こし精度を誇ります。声紋登録なしで話者特定も可能です。
特徴
- AI議事録:生成AIと自然言語処理を活用し、日時・参加者・決定事項を含む議事録を自動で作成
- 効率化と活用:議事録作成の効率化、音声データのテキスト化、有用な情報の抽出によるデータ活用を促進.
- 高速文字起こし:60分の音声をわずか4〜5分で文字起こし可能(GPUを利用した場合。処理速度は使用する環境による)
- 多言語対応:100言語に対応する多言語機能も備えている
料金
- パーソナル:1,080円/月
- チーム:19,500円/月
- ビジネス:99,000円/月
詳細は公式サイトでご確認ください。
まとめ
議事録作成ツールは、会議や打ち合わせにおける記録作業を効率化するために便利です。本記事では、議事録作成ツールの基本的な概要や選び方のポイント、さらにおすすめの8つのツールについて詳しく解説しました。
議事録作成ツールを導入すれば、手作業による記録作業の負担を軽減し、音声データの文字起こしや要点抽出、共有までをスムーズに行えます。
本記事で紹介したツールは、それぞれ異なる特徴を持ちながら、会議の記録作業を効率化する頼れるツールです。無料プランを活用してまず試してみることで、自社や個人に最適なツールを見つけることができるでしょう。
よくある質問
Q. 議事録作成ツールはどのようなデバイスで利用できますか?
議事録作成ツールは、一般的にスマートフォン、タブレット、PCで利用可能です。一部のツールでは、特定のプラットフォームに特化した機能が提供されています。たとえば、iOS向けにはiPhoneやiPadでの操作性が考慮されており、Android向けのツールも豊富に揃っています。また、オンライン会議ツール(ZoomやGoogle Meetなど)との連携が可能なツールは、Webブラウザや専用ソフトウェアを介して利用できるため、デバイスの制約を気にせず活用できます。
Q. 無料で使える議事録作成ツールはありますか?
はい、多くの議事録作成ツールが無料プランを提供しています。たとえば、「Notta」は無料プランで月120分の文字起こしが可能です。ただし、無料プランでは機能に制限がある場合が多いため、より高度な機能(例: 発言者識別や長時間録音)を利用したい場合は、有料プランへのアップグレードが必要になることがあります。
Q. オンライン会議と連携できる議事録作成ツールはどれですか?
オンライン会議と連携できるツールには、「AutoMemo」や「Notta」などがあります。これらのツールは、ZoomやGoogle Meet、Microsoft Teamsなどの主要なオンライン会議ツールと統合されており、会議中にリアルタイムで音声をテキスト化できます。また、録音データを自動でクラウドに保存し、会議後の編集や共有もスムーズに行えます。このような機能により、オンライン会議の記録作業が簡単に行えます。