エンジニアのみなさんの中には、業務時間の多くをコーディングに費やす方も多いのではないでしょうか。大事な仕事道具と言えるキーボードには多様なモデルやタイプが揃っており、メカニカルや静電容量無接点、さらにはエルゴノミクスデザインのものなど選択肢が多く、いざ自分にぴったりなキーボードを選ぼうとした際に、悩みを生むのではないでしょうか。
この記事では、エンジニアの方におすすめしたいキーボードや選び方を解説します。快適なタイピング環境を整え、より良い作業を実現しましょう。
キーボードの選び方
1. 配列の好み
キーボードの配列には、主にJIS配列とUS配列があります。JIS配列は日本語入力に便利な一方で、US配列は、プログラミングやデザインソフトウェアでのショートカット利用時に効率的ということもあり、エンジニアやデザイナーに人気があります。
自身の使用目的や作業スタイルに合った配列を選ぶと、タイピングの快適さや作業効率を向上させられます。ソフトウェアでの配列カスタマイズが可能な場合でも、物理的なキー配置にこだわるユーザーは多いため、自身のニーズに合った選択をしましょう。
2. 接続方法
有線接続であれば、充電の手間や電池交換の煩わしさを避けられます。有線は信号の安定性も高く、遅延の心配がなく快適に作業できます。一方、無線接続はデスク周りをすっきりと保つことができるため、見た目や可動スペースを重視するユーザーにとって魅力的です。
ただし、無線の場合はバッテリーの持ちや接続の安定性も考慮する必要があります。自分の使用環境とライフスタイルに合わせて、最適な接続方法を選びましょう。
3. キースイッチの種類
一般的には、メカニカルスイッチ、静電容量無接点方式、メンブレンなどの選択肢があります。メカニカルスイッチは、キーボードの各キーに独立したスイッチが搭載されているタイプで、押し心地や打鍵音が特徴的です。静電容量無接点方式では静音性と耐久性が高く、ビジネスシーンで使用するのに適しています。
押し心地やキーの反応速度を重視したユーザーには、キースイッチの種類が重要な決定要因となります。自分のタイピングスタイルや環境に最も合ったキースイッチを選ぶことが、快適な作業空間を築くための一歩です。
4. サイズ
キーボードのサイズは、使用環境や持ち運びの便利さに大きく影響します。一般的に、フルサイズ、テンキーレス(TKL)、コンパクトな60%サイズなどがあります。
フルサイズは、フル機能とテンキーを含むため、データ入力や計算作業に適しています。一方で、テンキーレスや60%サイズは、デスクスペースを広く使いたい場合や持ち運びが多いユーザーに向いています。自分の使用スタイルや作業空間に合ったサイズを選ぶことで、快適な環境を作ることができます。
5. テンキーやファンクションキーの有無
データ入力や数値計算が多い仕事をしている場合、テンキー付きのキーボードが便利ですが、そうでない場合は、よりスリムな設計を持つテンキーレスモデルも選択肢に入ります。ファンクションキーの有無も考慮したい点です。これらのキーは、ショートカット操作を頻繁に行うユーザーにとって非常に役立つため、必要に応じて選ぶことが大切です。
自分の作業内容や使用頻度に応じて、テンキーやファンクションキーの有無を検討することで、作業効率を一層向上させることが可能です。
分割キーボード・自作キーボードについて
今回、製品の紹介はしませんが、分割キーボード・自作キーボードという選択肢もあります。
分割キーボードは、左右が分かれている形状のキーボードで、手首や肩の負担を軽減するために設計されています。このタイプのキーボードは、自然な姿勢でタイピングできることを目指しており、特に長時間デスクワークをする方に人気があります。分割されていることで、自分の手の位置や間隔に合わせて調整できるため、作業効率の向上にもつながるとされています。
また、自作キーボードを使用する人も増えてきました。自作キーボードとは、ユーザーが自分の好みや必要に応じて部品を組み立てて作るタイプのキーボードです。キーの配置やスイッチの種類、さらには装飾まで自分のスタイルに合わせられます。デザインや機能を自分好みにカスタマイズできることから、個別のニーズに応えることが可能になります。
分割キーボードや自作キーボードも選択肢として考慮することで、自分に最適な入力環境を整える手助けになります。状況に応じて、自分に合ったスタイルを試してみるのも良いでしょう。
キーボードの比較
1. Realforce R3 KEYBOARD
出典:東プレ
R3 KEYBOARDは、東プレが手掛ける静電容量無接点方式のキーボードで、タイピングの快適性を追求した一品です。静電容量無接点方式を採用しており、物理的な接点がないため、信頼性が高く耐久性にも優れています。また、APC(アクチュエーションポイントチャンジャー)機能により、各キースイッチのオン位置を好みに応じて調整でき、最適なタイピング体験を提供します。
キー荷重は45gと30gの選択が可能で、個々の好みに合わせて快適さを追求できます。さらに、静音スイッチによって打鍵音が抑えられ、集中力を保ちながら作業できる環境を実現しています。デザインのカスタマイズも可能で、ユーザー自身で好みに応じた見た目に変更可能です。
Amazonで見る 楽天市場で見る2. Realforce RC1 Keyboard
出典:東プレ
Realforce RC1 Keyboardは、プロフェッショナル向けの静電容量無接点式キーボードです。軽快な打鍵感と高い耐久性を兼ね備え、オフィスや自宅での使用に最適です。特に、自動的に感度を調整するAPC機能(アクティブ・パワー・コントロール)を搭載しており、個々のキー入力に反応する深さを調整可能です。
コンパクトなサイズでありながら、ファンクションキーや方向キーも搭載しています。1度の充電でおよそ1ヶ月間使用できるバッテリーです。
Amazonで見る 楽天市場で見る3. HHKB Professional HYBRID Type-S
HHKB Professional HYBRID Type-Sは、静電容量無接点方式のキーボードで、タイピングに特化した設計がされています。このキーボードは、スイッチによる電気的接続を用いており、高い耐久性を誇ります。もともと静音性を重視した設計ですが、スピード感あるタイピングも可能です。また、ショートカット操作に配慮したキー配置がされており、特にControlキーとFunctionキーの使い勝手が向上しています。
さらにBluetooth接続およびUSB接続(Type-C)に対応しているため、最大4台のデバイスに同時接続でき、状況に応じた柔軟な使用が可能です。キーマップ変更機能もあり、ユーザーが自分の好みに合わせて配置をカスタマイズすることができます。このように、HHKBは高いクオリティを提供しながら、コンパクトなデザインで持ち運びにも便利な一台です。
Amazonで見る 楽天市場で見る4. HHKB Professional HYBRID
HHKB Professional HYBRIDは、タイピングを重視した設計です。持ち運べるほどコンパクトなサイズながら、打鍵感はしっかりとしており、長時間の入力作業でも疲労感を感じにくい造りになっています。Bluetooth接続とUSB接続の両方に対応しており、デバイス選択の自由度が高い点もポイントです。また、全体的にシンプルかつ製品品質の高さが際立っており、外観デザインにもこだわりが見られます。
Amazonで見る 楽天市場で見る5. MX Keys S
出典:ロジクール
MX Keysは、ロジクールが提供するワイヤレスキーボードで、特にデザインと機能性が高く評価されています。キータッチは非常に静かでありながら、心地よい反発力を持ち、快適なタイピングを実現します。バックライト機能が搭載されており、暗い環境でも使いやすいです。さらに、複数のデバイスに同時接続でき、簡単に切り替えることが可能です。
このキーボードは、カスタマイズ性にも優れており、Logi Options+を通じて多くの機能を設定できます。スマートアクション機能によって、頻繁に行う操作をシームレスに実行できるのも大きな魅力です。また、USB-C接続による迅速な充電が可能で、約10日間の連続使用ができます。洗練されたデザインは、どんなデスク周りにも適合し、様々なシーンで使える1台です。
Amazonで見る 楽天市場で見る6. MX Mechanical
出典:ロジクール
MX Mechanicalは、ロジクールが提供するメカニカルキーボードで、特にタイピング体験を重視した設計が特徴です。打鍵感は高いフィードバックを提供し、長時間のタイピングでも快適さを維持します。3種類のスイッチタイプ(クリック音あり、静音、リニア)が用意されており、ユーザーは好みに応じて選択できるため、柔軟な使用が可能です。
このキーボードはBluetoothでの接続と USB-C接続に対応しており、最大15台のデバイスに同時接続できます。切り替えもスムーズで、多忙な作業環境においてもストレスなく利用可能です。
Amazonで見る 楽天市場で見る7. Keychron Q2
出典:Keychron
Keychronは高品質のキーボードとマウスを提供しており、キーボードモデルに関しては40を超えるポートフォリオを持っています。Keychronのユニークな特徴のひとつに、ウェブベースのキーボードである点が挙げられます。MacとWindowsどちらにおいても、ダウンロードやアップデートを必要としません。
Q2はコンパクトで、フルカスタマイズが可能です。すべての部品を簡単に組み立てられるように設計されているため、それぞれの部品を自由にカスタマイズできます。また、プログラム可能なノブによって、ズームインやアウト、画面の明るさや不透明度、音量、バックライトの色合いなども、簡単にカスタマイズできます。
Amazonで見る8. Flow Lite 84
出典:Lofree
Flow Lite84は多様なユーザーの要望に応えるために開発されており、心地の良い打鍵感が特徴です。コストパフォーマンスが優れている点も魅力です。Flow Lite84のボディは、アルミニウムではなく快適な触感を提供するABS素材で構成されており、滑らかな打ち心地を実現しつつ、より手頃な価格を維持しています。
手首のポジションがより自然な高さになるように設計されていたり、好みに応じてキーボードスタンドの角度を2段階に調節できたりして、長時間でも快適に作業できる工夫がされています。また、ワイヤレスながら高速で応答性の高いパフォーマンスが発揮できるように設計されています。Bluetooth接続によってマルチデバイス切り替えをスムーズに行うことができます。
Amazonで見る 楽天市場で見るまとめ
キーボード選びは、特にプログラミングやデザイン作業を行うソフトウェアエンジニアにとって重要なプロセスです。使用するキーボードによって、タイピングの快適さやパフォーマンスが大きく変わります。配列の選択では、JIS配列とUS配列のいずれが自分の作業スタイルに適しているかを慎重に考えましょう。
接続方法を有線と無線のどちらにするかも重要で、それぞれの利点を理解して選ぶことが求められます。さらに、キースイッチの種類—メカニカル、静電容量無接点方式、パンタグラフなど—による打鍵感の違いも、快適な作業環境を整える際には見逃せません。
よくある質問
Q. キーボードの配列はどのように選べば良いですか?
配列には主にJIS配列とUS配列があります。日本語入力を重視する場合はJIS配列が推奨されますが、プログラミングやデザイン作業でのショートカットを利用する場合はUS配列の方が利便性が高いです。自身の使用目的に応じて最適な配列を選びましょう。
Q. 有線と無線、どちらの接続方法が良いですか?
有線接続は信号の安定性が高く、遅延が少ないため、特にゲームや重作業での使用に向いています。一方、無線接続はデスク周りがすっきりし、持ち運びにも便利です。ライフスタイルに合った接続方法を選ぶことが大切です。
Q. キースイッチの種類はどのように選ぶべきですか?
メカニカルスイッチ、静電容量無接点方式、パンタグラフなど、各スイッチには独自の特性があります。打鍵音や反応速度、押し心地を考慮し、自身のタイピングスタイルに合ったスイッチを選ぶと、快適に使用することができます。