従業員による立替経費の申請、承認、そして経理処理は、紙やExcelでの煩雑な手作業が原因で、全社の業務負荷とミスの温床となっています。特に、電子帳簿保存法やインボイス制度への対応が必須となった今、アナログな運用では対応が困難です。
そこで便利なのが、経費精算システムです。AI-OCRやカード連携によって申請者の入力をゼロにし、経理の自動仕訳までをクラウドで完結させます。
この記事では、経費精算システム6つを比較します。各ツールの強みと特徴を知り、あなたの組織の課題を根本から解決する最適なシステムを見つけてください。
経費精算システムとは
経費精算システムとは、従業員が立て替えた交通費や接待費、出張費などの経費の申請、承認、支払いなど一連の業務をデジタルで自動化・効率化するためのクラウド型システムです。
従来は紙の領収書とExcelやPDFでの煩雑な手入力作業が中心でしたが、システムの導入によりこの業務負荷を大幅に軽減できるようになりました。楽楽精算やマネーフォワードなどの主要なサービスは、スマートフォンアプリからの領収書撮影、AI-OCRによる自動読み取り、交通系ICカードやクレジットカードとの連携といった機能を備え、申請者側の手入力工数をほぼゼロにすることが可能です。
さらに、経理担当者側にとっては、勘定科目の自動仕訳や会計ソフトとのシームレスな連携が最大のメリットです。ジョブカンのように周辺業務との連携に強みを持つシステムや、Concurのようにグローバル対応や複雑な承認フローに特化したシステムを選ぶことで、電子帳簿保存法やインボイス制度といった法令対応の負担も自動的にクリアされ、全社のコンプライアンスと生産性向上に貢献します。
経費精算システムの比較6選
楽楽精算
出典:楽楽精算
楽楽精算は、18,000社への導入実績がある、経費精算システムです。最大の強みは、「誰でも簡単に使える操作性」と「柔軟なカスタマイズ性」。利用者のITリテラシーに関わらず直感的に操作できるように設計されており、申請者、承認者、経理担当者のすべてのユーザーの負担軽減を目指しています。
特に、複雑な承認ルートや独自の社内規定に合わせて、申請書や承認フローのレイアウトを自由にカスタマイズできる点が大きな特徴です。そのため、既存の紙やExcelでの運用フローを大きく変えることなく、スムーズにデジタル化を進めることができるようになります。また、電子帳簿保存法やインボイス制度といった法令改正にも対応するため、経理担当者のコンプライアンス対応の負担を軽減します。
料金
初期費用 ¥100,000 + 月額費用 ¥30,000〜
詳細は公式サイトでご確認ください。
マネーフォワード クラウド経費
マネーフォワード クラウド経費は、株式会社マネーフォワードが提供するクラウド会計ソフトと連携できる点が最大の強みを持つ経費精算システムです。
マネーフォワードクラウドの他のサービス(会計、給与など)とシームレスに連携し、バックオフィス業務全体を一元化できる点が最大の強みです。スマートフォンアプリでの操作性に優れており、申請者側の負担を極限まで減らす設計になっています。
領収書やレシートをスマートフォンで撮影するだけで、AI-OCRが自動で日付や金額をデータ化し、手入力の手間を大幅に削減します。また、交通系ICカードや法人クレジットカードの明細が自動で取り込まれるため、利用者は経費として申請したい項目を選ぶだけで精算が完了します。この「自動化」と「直感的な操作性」により、申請から承認、経理処理までを迅速に行えます。
料金
- 年払いの場合:¥2,480〜/月
- 月払いの場合:¥3,980〜/月
上記は50名以下の場合。51名以上の場合は要お問い合わせ。 詳細は公式サイトでご確認ください。
ジョブカン経費精算
出典:ジョブカン経費精算
経費精算システム「ジョブカン経費精算」は、株式会社DONUTSが提供する「ジョブカン」シリーズのひとつであり、勤怠管理や給与計算など他のバックオフィス機能とシームレスに連携できる拡張性が最大の強みを持つクラウド型システムです。シリーズ累計25万社に導入されています。
ジョブカン経費精算の最大の強みは、シンプルな操作性と周辺システムとの高い連携性です。ICカードの読み取り機能や乗換案内機能が充実しているため、従業員は交通費の入力を簡単に行えます。
また、電子帳簿保存法やインボイス制度に完全対応しており、法令順守とペーパーレス化を同時に推進できます。特に「ジョブカン」シリーズ全体(勤怠、給与、労務など)でインターフェースが統一されているため、ジョブカンをすでに導入している企業にとっては、従業員の操作学習コストを最小限に抑えられるでしょう。
料金
- 初期費用・サポート費用:¥0/月
その他、詳細は公式サイトでご確認ください。
freee経費精算
出典:freee経費精算
freee経費精算は、クラウド会計ソフトで知られるフリー株式会社が提供するサービスで、「会計・給与・人事」といったバックオフィス業務全体とのシームレスな連携を最大の強みとするクラウド型経費精算システムです。
freee経費精算では、全自動でのデータ処理とインテリジェンス(AI活用)が特徴です。AI技術を活用した高精度OCRが領収書をスマートフォンで撮影するだけで日付や金額を自動で読み取り、申請書を作成します。さらに、連携したクレジットカードや銀行口座、交通系ICカードの利用明細を自動で取り込み、勘定科目の自動推測を行います。これにより、申請者と経理担当者の手入力作業をほぼゼロにすることが可能です。操作画面はシンプルで分かりやすく、特にITリテラシーが高くない従業員でも直感的に使えるよう設計されています。
料金
基本料金 + ID料金のみのシンプルな料金体系 詳細は公式サイトでご確認ください。
Concur Expense
Concur Expense(コンカー エクスペンス)は、SAPグループが提供するクラウド型経費精算システムです。日本国内企業での導入実績も豊富にあります。
Concur Expenseの最大の強みは、そのグローバル対応力と大規模企業での運用実績にあります。世界150カ国以上で利用されており、多言語・多通貨での経費精算に標準対応しているため、海外拠点を持つ企業や、海外出張が多い企業にとって不可欠なプラットフォームです。また、航空会社やホテル予約システム、法人クレジットカードなど、外部サービスとのシームレスな連携機能(エコシステム)が非常に充実している点も特有の強みです。領収書の自動読み取り(AI-OCR)機能や、申請内容が規定に違反していないかを自動チェックする機能など、不正防止と内部統制の強化を目的とした機能も優れています。
料金
詳細は公式サイトでご確認ください。
TOKIUM 経費精算
出典:TOKIUM 経費精算
TOKIUM経費精算は、株式会社TOKIUMが提供する、スマホで経費精算を完結させられる、クラウド型経費精算システムです。
TOKIUM経費精算の最大の強みは、「手入力ゼロ」を保証するオペレーターによる代行入力サービスが標準で組み込まれている点です。従業員が領収書をスマホで撮影するかスキャナーで取り込むだけで、後のデータ入力や電子帳簿保存法(電帳法)の要件チェックはすべてTOKIUMのオペレーターが代行します。そのため、従業員や経理担当者の手入力の手間がなくなり、入力ミスも発生しません。また、領収書の原本はTOKIUM側で回収・保管されるため、企業は紙の領収書管理やファイリング業務から完全に解放され、真のペーパーレス化を実現できます。総じて、経費精算にかける時間を10分の1程度に削減できます。
料金
- 初期費用 + 基本利用料 + 従量課金制
詳細は公式サイトでご確認ください。
まとめ
この記事では、経費精算業務の「手入力・紙管理」という課題を解決するための、主要なクラウド型システム6社を比較しました。経費精算システムを選ぶ際には、ぜひ今回の記事を参考にしてみてください。
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