現代の職場では、エンゲージメントを高めるための取り組みがますます重要視されています。経済産業省の「人的資本経営の実現に向けた検討会 報告書」にも、経営戦略を実現するために従業員が力を発揮するには、従業員のモチベーション向上につながる環境の整備などが重要だと記されています。（参照：経済産業省）
そこで今回は、エンゲージメントツールの選び方について、おすすめのサービスとともに解説します。
エンゲージメントツールとは
エンゲージメントツールは、企業が社内のコミュニケーションや職場環境を向上させるために活用するシステムです。これらのツールでは、社員の意見を収集し、組織内のフィードバックを促進することで、社員の満足度やモチベーションを高めることが期待できます。
例えば、エンゲージメントサーベイを行うことで、社員一人ひとりの体験や評価を可視化し、職場文化の改善に役立てられます。また、データ分析機能を備えたツールを活用すれば、収集した情報をもとに具体的な課題を把握し、改善策を検討する際の指針としても利用できます。エンゲージメントツールは組織の信頼関係を築き、参加意識を高めるための重要な手段に位置付けられています。
エンゲージメントツールの選び方
1. 目的とニーズの明確化
社内アンケートやエンゲージメントツールを選ぶ際には、まず自社の目的やニーズを明確にしましょう。社員の満足度を測ることが目指されるのか、職場環境の改善を図るのか、あるいは定期的なフィードバックを促進することが目的なのか、それぞれの目的に応じた機能や特性が求められます。
このような目的を洗い出すことで、選ぶべきツールの方向性が見えてきます。また、具体的な評価基準やデータ分析機能の活用方法などを設定することで、自社に合った製品を見つけやすくなります。
2. 提供される機能の確認
アンケートを作成・配信する機能、回答の分析・可視化機能、フィードバックの取得方法など、それぞれのツールがどのような機能を持つのかを比較することで、自社の運用方法に合ったツールを選べます。
また、特に重視すべきは、UI/UX（ユーザーインターフェース/ユーザーエクスペリエンス）です。使いやすいインターフェースであれば、社員が積極的にアンケートに参加しやすくなり、結果的に質の高いデータが得られます。
3. コストパフォーマンスの評価
最後に、コストパフォーマンスも重要です。ツールの導入には、初期費用や運用コストが発生します。無料で使えるツールも存在しますが、機能が限られている場合もあるため、自社にとって必要な機能が満たされているかを十分に考慮しましょう。
また、選定する際は、他社の口コミやレビューを参考にし、実際の運用にどの程度の価値があるのかを検討しましょう。このようにコストと機能のバランスを見極めることで、より費用対効果の高い選択が可能になります。
エンゲージメントツールの比較
1. カオナビ
出典：カオナビ
カオナビは、社員のエンゲージメントを向上させるために特化したツールで、利用企業数は4,000社を超えています。社員の名前や経験などを一元管理して可視化し、最適な人材配置などに活用するタレントマネジメントシステムとしても利用されています。
モチベーション分析・離職分析では、社員のコンディションを定点観測するためのサーベイや、離職の予兆をマトリクス分析を通じて社員の気持ちをデータにすることで、離職の兆候を察知して早期ケアに役立てられます。エンゲージメント向上に関しても同様に、サーベイやマトリクス分析を通じて従業員のコンディション調査を行います。
料金
初期費用 + 月額費用
いずれも利用人数に応じたシンプルな料金体系が用意されています。
詳細は公式ページでご確認ください。
2. モチベーションクラウド
出典：モチベーションクラウド
モチベーションクラウドは、社員のモチベーションを可視化し、必要なサポートを提供するツールです。12,650社・509万人以上という国内最大級のデータベースをもとに、組織の状態を分析することができます。アンケート調査も行い、組織におけるどの課題から対応すべきかが可視化可能。
また、上記のように組織課題を把握するのみではなく、コンサルタントによる、改善を行えるまでの徹底サポートがあります。大手企業や地方自治体、業種も様々な組織の導入実績があります。
料金
初期費用 + 月額費用
料金体系は利用人数に応じます。詳細は公式ページでご確認ください。
3. Wevox
出典：Wevox
Wevoxは、エンゲージメントを強化するためのサーベイが特徴的なツールです。簡単な操作で社員の意見を集め、結果を可視化することで、改善点を明確にします。また、リアルタイムでのフィードバックが可能になるため、迅速に対策を講じることができます。また、チーム単位での分析ができるため、組織全体だけでなく、各チームのエンゲージメント状況を把握しやすいのも特徴です。柔軟なカスタマイズ機能があり、自社のニーズに合わせた調査を行うことができます。
料金
- スタンダード：¥600（1人あたり）／月
- ベーシック：¥300（1人あたり）／月
初期費用は無料。上記は税抜き価格。
詳細は公式ページでご確認ください。
4. ラフールサーベイ
出典：ラフールサーベイ
ラフールサーベイは、シンプルなインターフェースで社員の意見を収集しやすいツールです。主に離職防止とエンゲージメント向上を目的とした設計です。導入社数は2,200社を突破。
ラフールサーベイを使用すれば、初めてサーベイを導入する企業でも要因が理解できて、対策を立て、次へ進むことができます。組織と個人双方の状況を把握して、対策を行うことで、離職の防止や社員のエンゲージメント向上に繋げます。
料金
- ¥16,000〜／月
上記は税込価格です。無料デモの利用も可能。
詳細は公式ページでご確認ください。
5. ポテンシャルクラウド
出典：ポテンシャルクラウド
ポテンシャルクラウドは、社員が感じるやりがいとモチベーション向上など、人的資本経営のための支援を行うツールです。データ分析に強みを持ち、組織のエンゲージメント状態を詳細に解析することができます。
社員向けのアンケートを実施したのち、分析結果と改善施策を提供し、施策の運用から振り返ります。このように行うことで、企業の強みを伸ばします。
料金
詳細は公式サイトでご確認ください。
まとめ
エンゲージメントツールは、社員の意見やフィードバックを収集し、職場環境やコミュニケーションを向上させるためのシステムです。この記事では、効果的なツールを選ぶためのポイントとおすすめの5つのツールを紹介しました。
今回の情報を参考に、適切なツールの選定に役立ててください。最適なエンゲージメントツールを導入することで、職場の満足度を高め、組織全体のパフォーマンスを向上させることが期待できます。
よくある質問
Q. エンゲージメントツールが必要な理由は？
エンゲージメントツールは、社員の意見やフィードバックを収集し、職場環境を改善する手助けをします。これにより、社員の満足度やコミュニケーションが向上し、組織の健全な文化を育むことが可能です。
Q. どのような機能を持ったツールを選べば良いですか？
選ぶべきツールの機能には、アンケート作成機能、フィードバックの取得方法、分析・可視化機能などがあります。また、使いやすいインターフェースやモバイル対応も考慮すると良いでしょう。自社のニーズに合った機能を持つツールを選択することが大切です。
Q. 導入にはどのくらいのコストがかかりますか？
導入費用はツールによって異なりますが、初期費用と運用コストが発生します。無料プランのツールもありますが、必ずしもベストな選択とは限りません。自社に必要な機能が含まれているかを十分に検討した上で、選定することが大切です。
Q. 社内アンケートの実施頻度はどのくらいが理想ですか？
社内アンケートの実施頻度は、企業や目的に応じて異なりますが、定期的に行うことで社員のフィードバックを把握しやすくなります。一般的には、年に数回程度の実施が推奨されています。アンケートの結果をもとに具体的な改善策を取り入れることが重要です。