「どのメール配信システムが自社のニーズに最適なのか分からない」「料金体系が複雑で、実際のコストが予測できない」「セキュリティ機能の違いが理解できず、適切な選択ができない」
この記事では、初心者でも使いやすいおすすめのメール配信システムを7つ厳選し、選び方のポイントやよくある質問にも触れて解説しています。これからメール配信システムを導入しようと考えている方は、ぜひ参考にしてください。
メール配信システムとは
メール配信システムとは、企業が顧客や見込み顧客に一斉にメールを送信するためのツールです。主にメルマガやキャンペーンメール、取引確認のメールなどで活用されています。
近年では、顧客の行動に応じたパーソナライズ配信や開封・クリック率の分析機能なども搭載され、マーケティング活動の一環として導入する企業が増えています。また自社でのサーバー構築が不要で運用コストの削減につながるため、メール配信システムもクラウド化・DXの波が来ています。
出典:総務省「通信利用動向調査」
総務省の令和5年の通信利用動向調査によると、クラウドサービス利用の用途として電子メールが5割を超えており、多くの企業がメールのクラウド化を進めていることがわかります。
特定電子メール法について
ちなみに広告や宣伝目的のメール配信を行う場合、総務省の「特定電子メールの送信の適正化等に関する法律」(特定電子メール法)を遵守する必要があります。この法律では、受信者の同意を得ない広告メール送信を禁止しています。
総務省が発表している「特定電子メールの送信等に関するガイドライン」によれば、送信者が遵守すべき具体的な事項や注意点も明記されているため、メール配信システム選定時にはこうしたガイドラインにも目を通しましょう。
メール配信システムの選び方
1. 目的に合った機能の確認
メール配信システムを選ぶ際には、まずは配信の目的に合った機能が揃っているかを確認することが重要です。
例えば、定期的に顧客へメルマガを送りたい場合には、簡単にメルマガの作成・配信ができるテンプレートやエディタ機能が役立ちます。
もしくはマーケティング活動での活用を考えている場合には、開封率やクリック率を追跡できる分析機能や、顧客の属性に応じたセグメント配信機能があると効果的です。目的を明確にし、それに対応した機能が充実しているシステムを選ぶことが重要です。
2. 費用と契約プランの比較
システムによっては月額料金が発生する場合も多いです。無料トライアルを提供しているサービスや、メールの送信件数に応じた従量課金型のプランもあるため、利用目的に合わせて選びましょう。
長期利用を前提にした契約プランや、年単位での支払いにより割引を受けられる場合もあります。料金体系やプランをよく比較することで予算に合った選択が可能です。自社の利用頻度や配信数に応じて、コストパフォーマンスが最適なシステムを検討しましょう。
3. セキュリティとサポート体制の確認
メール配信では顧客情報や個人データを取り扱うことが多いため、セキュリティが十分に確保されているかも重要なポイントです。送信データの暗号化や、メールアドレスのリスト管理が適切に行われるセキュリティ対策があるか確認しましょう。
トラブルが発生した際に迅速に対応してくれるサポート体制も重要です。特に、初めて導入する企業にとっては、使い方や設定についてのサポートがあると安心でしょう。選定時には、システムのサポート内容やセキュリティ対策についても注目してください。
メール配信システムの比較
各メール配信システムの料金と無料トライアル情報を以下の表にまとめました。 詳細は公式サイトでご確認ください。
サービス名 | 初期費用 | 月額利用 | 最低利用期間 |
---|---|---|---|
WiLL Mail | 無料 | 4,400円/月(税込)から | 1ヶ月から |
める配くん | 8,800円(税別) | 1,980円/月(税別)から | 3ヶ月から |
ブラストメール | 11,000円(税別) | 4,400円(税別)から | 3ヶ月から |
ワイメール | 10,000円(税別) | 4,980円(税別)から | 1ヶ月から |
Amazon SES | - | 従量制料金 | - |
オートビズ | 11,000円(税込) | 1,980円(税込)から | 1ヶ月から |
さぶみっと!メール配信 | 無料 | 1,287円(税込)から | プランによって異なる |
SendGrid | 無料 | 3,000円(税別)から | 1ヶ月から |
※無料トライアルの有無や期間は変更される可能性があります。最新情報は各サービスの公式サイトでご確認ください。
1. WiLL Mail
出典:WiLL Mail
WiLL Mailは、初心者でも簡単に操作できるドラッグ&ドロップ形式のエディタを搭載しています。豊富なテンプレートも提供されており、メールマガジンやキャンペーンメールの作成をスムーズに行えます。さらに、分析機能を用いれば、開封、クリックカウント、コンバージョン、デバイス推移、曜日や時間などの数値を確認することが可能で、マーケティング施策の効果測定にも役立ちます。初期費用が低く抑えられており、月額料金もシンプルでコストパフォーマンスに優れています。
- 初期費用:無料
- 月額料金:4,400円(税込)から(配信通数に応じて変動)
- 最低利用期間:1ヶ月から
2. める配くん
出典:める配くん
める配くんは、2002年のサービス開始以降、規模や業界を問わず2,000社以上に利用されているメール配信サービスです。「属性別配信機能(セグメント配信)」「予約配信機能」「開封率取得機能」「クリックカウント機能」など、メールの配信テストを行う際に役立つ機能が用意されています。
また24時間365日のサポート体制もあるため、いつでも安心して利用できます。料金プランも多彩で、無料トライアル(2週間)も用意されているため、導入を検討している人は、事前に機能を試すと良いでしょう。
- 初期費用:8,800円(税別)
- 月額料金:1,980円/月(税別)から(登録アドレス数や配信通数により変動)
- 最低利用期間:3ヶ月から
3. ブラストメール
出典:ブラストメール
ブラストメールは大量のメール配信を得意とするシステムで、大規模なキャンペーンや一斉送信が必要な場面に最適です。操作性に優れたエディタと、開封率、と立つ率、クリック率などの分析ができるレポート機能を搭載しており、マーケティングに活用できます。また、充実したセキュリティ機能により、メールの到達率を高め、スパム判定を回避します。
- 初期費用:11,000円(税別)
- 月額料金:4,400円(税別)から(登録アドレス数やプランにより変動)
- 最低利用期間:3ヶ月から
4. ワイメール
出典:ワイメール
ワイメールでは、セグメント化や一斉送信機能が充実しているため、個別の顧客に合わせたコミュニケーションが可能です。また、料金も比較的手頃で、幅広い企業規模に対応した柔軟なプランが提供されています。サポート体制も整っており、安心して利用できるシステムです。
- 初期費用:10,000円(税別)
- 月額料金:4,980円(税別)から(配信数無制限)
- 最低利用期間:1ヶ月から
5. Amazon SES
出典:Amazon SES
Amazon SES(Amazon Simple Email Service)は、Amazon Web Services(AWS)が提供する高度なメール送信および受信サービスで、大量のEメールを送信できます。また送信したメールごとに、配信、開封、クリック、バウンス、苦情などの計測が可能で、マーケティングで活用できます。AWSでは個々のサービスを必要な分だけ支払う料金体系を導入しているため、長期の契約や複雑なライセンスが必要ない点も特徴です。
- 料金:従量制料金
6. オートビズ
出典:オートビズ
オートビズは、高い到達率を誇るメルマガ配信サービスで、シナリオ配信や自動応答などの機能が特徴です。顧客の行動データに基づいて最適なタイミングでメールを送信できるため、エンゲージメント向上に貢献します。さらに、ユーザーの行動分析や詳細なレポートが見やすく、マーケティング施策の検証と改善がしやすい点も魅力です。
- 初期費用:11,000円(税込)
- 月額料金:1,980円(税込)から(ステップメール配信のみのプラン)
- 最低利用期間:1ヶ月から
7. さぶみっと!メール配信
出典:さぶみっと!メール配信
さぶみっと!メール配信は、メール配信業務を効率化するための基本的な機能が充実しており、企業のメルマガや通知メールの配信に適しています。簡単なインターフェースと自動配信設定により、煩雑な操作がなく、手軽にメールを作成・送信できます。また、低コストで導入できるプランもあり、コストを抑えつつ安定した配信が可能です。
- 初期費用:0円(無料)
- 月額料金:1,287円(税込)から
- 最低利用期間:プランによって異なる
8. SendGrid
出典:SendGrid
SendGridは、世界中で利用されている大手のメール配信プラットフォームで、APIを通じた柔軟な連携が可能です。高度なスケーラビリティを備え、大量のメール送信にも対応できます。また、クリックや開封などの基本的な分析から、受信者の閲覧ブラウザや使用しているメールボックスプロバイダまで、詳細な分析も可能です。
- 初期費用:0円
- 月額料金:3,000円(税別)から
- 最低利用期間:1ヶ月から
まとめ
メール配信システムは、企業が顧客とのコミュニケーションを円滑にし、マーケティング活動を強化するための重要なツールです。選定においては、自社の目的に合った機能、予算に応じた料金プラン、そして安心して利用できるセキュリティやサポート体制を確認することが大切です。この記事で紹介したおすすめのシステムを参考に、自社に最適なメール配信システムを選んで活用しましょう。
よくある質問
Q. 無料で使えるメール配信システムはありますか?
はい、多くのメール配信システムでは無料プランやトライアル期間が用意されています。気になるサービスがあったら、まずは無料プランで試してみるのが良いでしょう。
Q. メール配信の到達率を上げるにはどうすればよいですか?
配信リストの品質管理や、迷惑メールフィルターを回避するSPF/DKIM認証設定を行うことで到達率を向上させられます。さらに、分析機能を活用して受信者の反応を確認し、改善を繰り返すことも効果的です。
近年、多くの事業者がGmailへの到達率低下に悩まされており、この問題への対策が急務となっています。この状況を踏まえ、Googleのメール送信者のガイドラインに従うことが重要です。具体的には、ダブルオプトインの採用、適切な送信頻度の維持、コンテンツの質の向上などが推奨されています。また、Googleが提供する「Postmaster Tools」を活用し、送信者の評価を定期的に確認することも有効です。これらの対策を実施することで、Gmailを含む各メールプロバイダーへの到達率向上が期待できます。