企業の採用活動において、適性検査は一般的に行われるプロセスの一部です。この検査は単なる評価ツールにとどまらず、エンジニア採用を行う企業においても重要な役割を果たしています。受験者の性格や能力を的確に測ることで、より適切な人材を採用するための貴重な情報を提供します。この記事では、適性検査サービスの基本的な概要と選び方について解説し、特におすすめの適性検査サービスを7つ紹介します。自社に最適な検査を選ぶための参考にしてください。
適性検査サービスとは
適性検査サービスは個人の能力や特性を評価するためのツールとして、主に企業の採用選考や人材育成で活用されています。一般的に能力検査や性格診断、職務適性に関するテストを含み、候補者のスキルやノウハウ、さらには職場におけるストレス耐性などを測ることが目的です。
企業側が求める人材の基準に照らし合わせて評価されるため、自身の強みや弱みを知る良い機会にもなります。また、オンラインで受験できる形式が増えているため、受検者は好きな時間に手軽に挑戦することができます。
特に、IT業界における採用活動では、短時間で適切な評価を行う手段として利用されることが増加しています。このように、適性検査サービスは多面的に役立ち、自分のキャリア形成にも大いに寄与する要素となっています。
適性検査で測る内容
適性検査は主に「能力」と「性格」の2つの側面から構成されています。能力検査は、受検者の論理的思考や数理的能力、言語理解力などの知的なスキルを測定します。職務に必要な基礎的な能力を評価し、候補者が業務にどれほど適応できるかを判断します。
一方で性格検査では、受検者の行動特性や対人関係、ストレス耐性などの非認知的な側面を評価します。これにより、職場の文化やチームとの相性を判断し、組織内での役割を見つけ出すのに役立ちます。この2つの側面を組み合わせることで、より包括的な人材評価が可能となります。
適性検査サービスの選び方
企業が適性検査サービスを導入する際には、以下のポイントを考慮することが重要です。
1. 自社のニーズを明確にする
まず、適性検査を実施したい職種や求めるスキル・特性を明確にしましょう。例えば技術職では論理的思考や問題解決能力、営業職ではコミュニケーション能力やストレス耐性が重要とされます。この段階でのニーズの明確化が、適切な検査の選定に繋がります。
2. 評価基準と実施方法を確認する
次に、各適性検査の評価基準や実施方法を確認します。オンラインで受検できるか、どのような評価項目があるかを理解することが求められます。また、合否の基準やフィードバックの質も考慮し、どのように結果を自社の採用選考や人材育成に活用できるかを検討することが重要です。
3. 他の利用者のレビューを活用する
最後に、他の企業や受検者からのレビューや評価を参考にします。実際の体験に基づいたフィードバックは、サービスの実用性や信頼性を判断する手助けとなります。成功事例や改善点を知ることで、適切な適性検査サービスを選ぶ判断材料となります。
適性検査サービスの比較
1. SPI3
出典:SPI3
SPI3はリクルートが提供する日本国内で非常に広く使われている適性検査です。年間利用社数は18,100社、受験者数は257万人に上ります。心理的な特性や職務適応力、基礎能力といった多様な要素を測定することが可能で、新卒採用や中途採用で定番の選択肢となっています。
SPIは、特に論理的思考能力や言語能力、数理的能力を評価する設問が多く、職務に必要な能力を可視化します。結果は評価基準に基づくフィードバックが得られ、採用担当者にとっても客観的な指標として役立ちます。幅広い企業に採用されている信頼性と、検査の標準化が進んでいる点が特徴です。
料金
- 初期費用基本料金:無料
- 実施1名ごとに、利用人数分の料金が発生
詳細は公式ページでご確認ください。
2. CAB
出典:CAB
CABは日本エス・エイチ・エル株式会社が提供している能力検査です。デジタル人材のポテンシャルについての知的能力が測定されます。オンラインのほか、テストセンター形式にも対応しており、新卒・中途採用を問わず活用できます。
一般的な知識や論理的思考、数理的能力を測るための問題が出題され、受検者の職務に対する適応性を把握することができます。「バイタリティ」や「チームワーク」など、9つのコンピテンシー(行動特性)を予測します。
料金
- 年間使用権料:¥36,000/月
- 受験料¥3,200/名
上記はWeb形式の場合。
詳細は公式ページでご確認ください。
3. GAB
出典:GAB
GABも日本エス・エイチ・エル株式会社が提供している適正検査サービスです。受験者の適正を、知的能力とパーソナリティの両面から測定することで、総合的な適正を判断できます。オンラインやテストセンター方式で実施でき、新卒・中途問わずに活用できます。
入社時に確認すべき9つの特性「バイタリティ」や「チームワーク」などと、「営業」「研究・開発」など8つの職務適正を予測可能。採用プロセスの効果検証や、面接での活用などに役立てられます。
料金
WebGAB プランA
- 年間使用権料:¥2,500,000/月
- 受験料¥600/名
WebGAB プランB
- 年間使用権料:¥1,200,000/月
- 受験料¥1,100/名
詳細は公式ページでご確認ください。
4. 玉手箱 III
出典:玉手箱 III
玉手箱 IIIも日本エス・エイチ・エル株式会社による適正検査です。このサービスでは、業務遂行において必要な知的能力を測定します。言語・計数・英語、それぞれ10分という短時間で、受験者の基礎的な知的能力を測ることができます。
結果の帳票は、面接ガイド付きとタイプ分類有りのコメント形式の2つから選択できます。どちらも受験者の特徴を把握して、採用活動で役立てられます。
料金
プランA
- 年間使用権料:¥2,500,000
- 受験料:¥600/名
プランB - 年間使用権料:¥1,200,000
- 受験料:¥1,100/名
詳細は公式ページでご確認ください。
5. CUBIC TRIUMPH Ver.
CUBIC TRIUMPH Ver.は、導入社数6,000社以上の実績を持つ適性検査です。受験者の性格傾向や職務適性、モチベーションの要因などについて測定します。採用基準の設計から内定者研修まで、幅広く活用できます。
測定領域はストレス耐性や社会性、資質や意欲まで幅広くカバーしています。特にキャリア志向測定は、採用辞退や早期離職の防止に役立てられます。
料金
サンプル受験プラン、個別実施プラン、パックプランなど、6つのプランが用意されています。詳細は公式ページでご確認ください。
6. ミキワメ適性検査
出典:ミキワメ適性検査
ミキワメ適性検査は、累計利用企業数5,000社、総受験者数150万人の実績を持つ適性検査です。このテストでは、自社の社風を分析してから採用基準を策定するため、自社にあった人を判断する材料になります。また採用基準をもとに、候補者が活躍する可能性を14段階で表示します。カスタマーサクセスチームによるオンボーディングも用意されており、多様なコンテンツも用いて支援を受けられます。
料金
1人あたり¥550。追加でシステム利用料¥44,000/月と、別途初期費用が発生。
詳細は公式ページでご確認ください。
7. ミツカリ適性検査
出典:ミツカリ適性検査
ミツカリ適性検査は、およそ10分という短時間で計測可能の、採用・配置・マネジメントに活かすことができる適性検査です。これまでの利用企業社数は5,000社以上、受験者の総数は40万人の実績があります。
事例では、採用だけではなく配属などにも性格データを活用して反映した結果、客観的な「何をもって活躍しているのか」という定義と、その定義に基づく「活躍者」の割合が、1年間で30%から55%に増加。採用活動ではもちろん、社員が入社後にも役立てられます。
料金
登録社員数に応じた月額料金 + 採用応募者受験数による従量課金。
月額料金¥20,000〜に、従量課金で¥2,000/人。
詳細は公式ページでご確認ください。
まとめ
適性検査サービスは、個人の能力や特性を評価するための手段として企業の採用選考や人材育成に活用されています。適性検査の選び方は、自社のニーズを明確にすること、評価基準と実施方法を把握することです。そうすることで、自社に最適な採用活動を実施できるようになるでしょう。
よくある質問
Q. 適性検査の結果はどのように活用すればいいですか?
適性検査の結果は、企業が候補者の強みや弱みを理解するための重要な手助けとなります。結果を活用することで、採用候補者に対する適切な評価や、今後の育成方針を策定するのに役立ちます。また、結果をもとにチーム構成を考慮したり、必要なスキルの研修計画を立てたりする際の参考材料となります。
Q. 適性検査はどのぐらいの時間がかかりますか?
多くの適性検査はオンラインで実施され、通常30分から1時間程度で完了します。しかし、短いものでは10〜20分で実施できるものもあります。各サービスによって所要時間は異なるため、事前に確認し、採用プロセスに適した時間配分を考慮することが重要です。
Q. サービスによって求められるスキルや特性は違いますか?
はい、適性検査サービスはそれぞれ異なるスキルや特性を評価します。そのため、企業が求める職種や募集ポジションに合わせた検査を選定することが重要です。自社に合った検査を利用することで、より適切な人材選定ができます。